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【検索用 いせかいちーとはーれむ 登録タグ 2016年 UTAU い はるふり 曲 曲あ 重音テト】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:はるふり 作曲:はるふり 編曲:はるふり 唄:重音テト 曲紹介 異世界転生モノ 曲名:『異世界チートハーレム』(いせかいちーとはーれむ) 歌詞 (piaproより転載) もう毎日が嫌んなっちゃうな 現実なんて捨ててしまいたいや もう二次元に行けたらなって 部屋の隅で一人呟くと 突然 神様が現れて 「君を二次元に召喚してやろう」 なんて耳元で囁いた これで僕の人生も一発逆転 さぁ 視界の煌めく街並みと 夢に見たような魔法の住む世界 闊歩する可愛い女や 妙に痩せ細いくせに強い男 綺麗な湖の畔で 水面に映る自分の姿を見て 思わずニヤけてしまう程 イケメンに変身してる僕がいた やぁ 詠唱の呪文を追うように 魔法陣から火の玉が吹き出せば 鶏の子供もびっくり 瞬く間に目玉焼きに早変わり 物体浮遊術で皿を 浮かせて料理を届けるレストラン 早く僕もやってみたいと思ったが ここで問題発生 どうやったら使えるんですか 使用方法を教えてくれ 何を話しているんですか 言語が解らない 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど黄色い声はない どうやらこの世界じゃ僕の顔は中の下らしい 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど魔法は使えない どうやら魔法も勉強しなきゃ使えないようです はぁ 使い物にならぬ財布と 如何にも頑固そうな宿屋の主人 話しかけられるわけもなく 草原の木陰で野宿することに 夜も更け梟が啼けば 狼の群れに囲まれ大ピンチ 早く敵を追っ払おうと思ったが ここで問題発生 どうやったら倒せるんですか 武闘方法を教えてくれ 武器も防具もないしそもそも 道具袋がない 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど撒ける兆しがない どうやらこの世界じゃ【逃げる】も効果がないらしい 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど奇跡は起こらない どうやら奇跡も努力の末に呼び寄せるようです 経験値ためて レベルを上げて 魔法が使えるようになって 身なり気にして 村人と色んな会話して 大人になっていく 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど奏でる功はない どうやら努力は報われぬのがデフォルトらしい 異世界チートハーレムを目指して 歩めど歩めど希望は光らない それでも僕らはクエストするのさ コメント 名前 コメント
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218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/12/05(土) 20 16 00 ID BvUbf+Y3 京「お?カップルランチだってよ咲 新メニューだな」 咲「あ…ホントだね(知ってたけどね)」 京「恥ずかしいなこれ 誰が頼むんだっつの」 咲「そ…そうだね…」 京「いや……………頼んでみるか」 咲「えっ!?」 京「800円と安いしさ 結構美味そうだぜ」 咲「でっでも…辞めとこうよ…こんなの…誤解されちゃうし…//」 京「ま いいや 頼んでくるわ」 咲「えぇぇ……//」 京「じゃ頂きまーす!」 咲「もぅ…仕方ないなぁ//」 京「ん?」 咲「え?」 京「いや…俺一人で食べようと思って注文したんだけど…」 咲「え…あ…//」 京「あちゃ~」 咲「ごっごめんっ…!」ガタッ 京「冗談冗談!一緒に食べようぜ」 咲「……………」ストン 京「あれ?怒った?」 咲「……怒りました…」 京「可愛い冗談じゃんか 許してくれよ」 咲「………明日もカップルランチだったら許してあげる…」 京「わかったわかった」 咲「うん!それじゃ…」 咲京「頂きます!」 バカップルごめん
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 京太郎「…………ん」 まどろみの中で寝返りをうつ。 ふにゃりと、なにか柔らかいものに触れた。 なんかいい匂いもする。クン、クンクン! 京太郎「んあ?」 その微かな違和感に、腑抜けた声を上げながら目蓋を開く。 玄「スー……スー…………」Zzz なんだぁ、玄さんか。なぜか俺の布団に潜り込む、ピッタリと引っ付いて眠る玄さんがそこにいた。 ドラゴンが あらわれた ドラゴンのむれはこちらにきづいていない。 どうしますか? 京太郎「どうするって、あーた。そりゃもちろんこうげき……ぐへへ、フヒヒwww」 むにゅっと、こう……。 京太郎「ちげーよ!」ガバッ 京太郎「え、ちょ、なに?」 急激に意識が覚醒。 現状把握。場所はマイハウス(仮)、時間は……ケータイの液晶を確認すると、うわぁまだ3時半じゃん。 なにがどうなってんだってばよ。 玄「ん~……」 京太郎「なんでこの人ここいんの?」 考えられる可能性として一番高いのはトイレかなにかに起きて、そのまま部屋を間違えたとかだよな。 京太郎「いや、間違えねぇだろ」 俺の部屋と阿知賀の人達の部屋どんだけ離れてると思ってんねんな? いや、でもなぁ~玄さんだしなぁ~。 そもそもつい最近こんなのことあったよな。夜中に誰か訪ねてきたことが。 京太郎「これもしかしてまた俺が都合の良い夢を見てるんじゃないだろうな」 もしそうだとさすがに恥ずかしいぞ。 検証実験に移ろうか。 俺は身を起こして胡座をかき、寝ている玄さんに向き直る。 右の人差し指を立てると、玄さんの頬に触れるか触れないか、産毛一本分くらいの間を開けて指先を添える。 ぷに。 玄「ふにゃ」 可愛い。 なるほど。 京太郎「ユメジャ、ナイヨー!」←すごくネイティブ 夢ではなく現だった。 ナンテコッタイ。 時間は遅く、部屋は密室。しかも狭い。 これってつまりそういうことだよな。 ちょっとこれからどう行動するか、オーディエンスを使ってアンケートを取りたい。 玄「ん~」ムニャムニャ 京太郎「……」ズリズリ 座ったままにじり寄る。 鼻梁、唇、顎、首筋、うなじ、浴衣の襟元ぉぉぉぉぉ!! 俺は伸びかけていた右手を左手で押さえる。 落ち着け俺。 誂えられたようなこの状況。 誰かに誘導されてるみたいでなんか嫌だろ。 再び人差し指で玄さんのほっぺをフニフニとつつく。 玄「ん、うにゃ」Zzz 気持ち良さそうに寝やがって。 なんかこいつと真剣に戦ってる俺がバカみたいじゃねぇか。 視線が自然と下へ。浴衣とシーツを押し上げる双丘。 これはこれは立派なものをおもちで。 憧とかがいたら「おい、どこ中心の視野よ。この変態」と謗られそうだ。 すんませんもうホント、こういう構造なんです男の子。 ちょ、ちょっとくらいなら触ってもいいかな? そもそも男が1人の部屋に間違って入ってきて、あまつさえ一緒の布団に潜り込んでくるとか自己責任っしょ? ………………いや、みんなは俺を信頼してこの合宿に呼んでくれたんだ。その信頼を裏切ることは出来ない。 鎮まれ俺の右腕! 力は制御出来る、何故なら、そう! 俺の力だからだ。 ぜんぜん別の事を考えよう。そうだ、イメージしろ! ふんどし一丁で大胸筋を躍動させながら、ビルドアップ状態で迫ってくる大沼プロの姿を。 ………………………。 うっわ、なんだこれくっそ萎えた。死にてぇ……。 俺の苦悩など知らぬ存ぜぬで、玄さんは俺から見て向こう側に寝返りをうつ。 もう一人の僕が機能不全になるかと思った。 けどおかげで冷静になれた。 玄「スピー……」 なんだこうやって見ればただの可愛い残念な手のかかるおねーさんじゃないか。HAHAHA! 風邪を引いてもいけないので、俺はシーツを掛けなおそうと手を伸ばす。 だが俺は松実玄という人間を甘く見過ぎていた。阿知賀の竜の王手はまさにこの瞬間だったっ!! 玄「んゆ」ゴロン 再び寝返りをうって真上に向いた玄さんの浴衣の胸元が大きく肌蹴て なんか白い柔らかそうなマシュマロみたいのが見えてるぅぅぅーーー!? 京太郎「」 なんかこれもう、いいんじゃないかな? ここでゴールしても、いいんじゃないかな? 見ろこれ! この白磁器みたいな綺麗な肌、血色のいい薄いピンクの唇。 こういう経験からはじまる関係もあるだろ。 夜這いから始める……プログラミング言語。 俺は上を向いて眠る玄さん顔の両側に手をつき、覆いかぶさるように身を乗り出す。 そっと顔を近づける。 玄「……」 規則的な呼吸。徐々に迫る安らかな寝顔。いや迫ってるのは俺だけど。 後、目算で10cmくらい。 8cm。 6cm。 玄「ん」パチ 4……。 目が合った。 玄「う~ん……」 大きく伸びをし、上体を起こす。 玄「ここ、あれ? 私たちの部屋じゃない?」 目を擦りながら周りをキョロキョロ見回す玄さん。 その視線が俺を見付ける。 玄「京太郎くん?」 京太郎「はい」 玄「なんで壁際で、決定的瞬間にゴールを逃したサッカー選手みたいな佇まいをしていますのだ?」 京太郎「気にしないでください」 久「ふっふっふっ」 京太郎「なんですか部長。気持ち悪い」 久「あら、そんな口を利いていいのかしら?」 京太郎「な、なんですか?」 久「明日は海水浴よ!」 京太郎「な、なんだってーっ!?」 久「もちろん嘘よ」 京太郎「なんだ嘘か」 久「というのは嘘で本当は本当よん♪」 京太郎「イヤッッホォォォオオォオウ!」ガタッ 京太郎「ウィー、ウェ、ウェイー! ヒュー!」 _, ,_ パーン 京太郎→ ( ‘д‘) ⊂彡☆))Д´) ←京太郎 久「はいはい。そう1人でハッスルしないの」 京太郎「あ、さーせん」 久「というわけで、明日の朝に荷物の積み込みやるから少し早めに起きてきてね」 京太郎「了解です」 京太郎「ところで、この近くに海なんてあったんですか?」 久「あったじゃない。来る時にあなたも見たでしょ?」 京太郎「え、どうだったかな? なんかその辺の描写カットされた気がするからな」 京太郎「なんか近くに山があったり海があったり、よくわからない地形ですね。瀬戸内?」 久「まぁ彼岸島みたいなのを想像してくれたらいいわ」 久「その内、砂漠とか雪山とかも出てくるかもね」 京太郎「やめてくれるそういうの? 往々にしてありえるから、この世界観だと」 久「とりあえず、伝えたから。それじゃあまた明日。おやすみなさい」 京太郎「はい、おやすみなさい」 その夜 京太郎「海水浴かぁ~」 京太郎「この走り出したくなる衝動をどうしようか」 京太郎「取り敢えず、電話するか」 prrrr 嫁田『はい、もしもし』 京太郎「おう、嫁田か? 俺だけど」 嫁田『おう、ちょっと振りだな。今、合宿って聞いてるけどどうした?』 京太郎「うちの麻雀部さ、インハイの決勝で戦ったじゃん?」 嫁田『おう! 学校でみんなで応援してたぜ』 京太郎「ありがとな。みんなを代表してお礼を言うぜ」 嫁田『そんなことの為にわざわざ電話してきたのか?』 京太郎「いや、ちょっとお前と話したくてた」 嫁田『なんだよ気持ち悪いな。まぁ俺でよかったら話くらい付き合ってやるよ』 京太郎「決勝でさ、うちが戦った3校のなかに白糸台と阿知賀っていたじゃん?」 嫁田「おお、いたな。麻雀強いだけじゃなくてみんなすげー可愛い娘ばっかのな」 京太郎「俺、明日その娘たちと海水浴に行くんだ」 嫁田『は? 死ね』 プツッ ツーツーツー 翌日 バタン 京太郎「ふう、こんなもんかな」 晴絵「悪いねー朝っぱらから」 京太郎「いやぁ、お互い様ですよ」 晴絵「あはは、まぁね」 京太郎「それに思ったほど荷物もなかったですし。パラソルとかは向こうで借りるんですよね?」 晴絵「そだよ。運ぶのはもっぱら人間だけ」 京太郎「なるほど。ところで17人も乗れるなんてこれもうちょっとしたバスですね」 晴絵「そうよぉ、この為にわざわざ借りてきたんだから」 京太郎「え、そうなんですか? そんな話聞いてないですけど、お金とか」 晴絵「♪」b グッ 京太郎「先生……」 晴絵「あの子たちには感謝してるんだ。まぁこれくらいは、ね?」 晴絵「それに宥や、他の3年の子たちも今年で卒業だし、進路のこととか考えたらホントに今しかないからさ思い出作りとか」 晴絵「ちょっとくらい、年上らしいことしてやりたいじゃん?」 晴絵「あ、これあの子らには内緒な」 京太郎「ふふ、はい。わかってますよ」クスッ 移動中 淡「東京♪」 優希「神田♪」 穏乃「秋葉原♪」 京太郎「御徒町♪」 玄「上野♪」 咲「う、鶯谷♪」 憧「日暮里♪」 淡「西日暮里♪」 優希「田端♪」 穏乃「駒込♪」 京太郎「巣鴨♪」 玄「大塚♪」 咲「池袋♪」 憧「目白♪」 淡「高田馬場♪」 優希「新大久保♪」 穏乃「新宿♪」 京太郎「代々木♪」 玄「原宿♪」 咲「渋谷♪」 尭深「!?」ピク 憧「恵比寿♪」 淡「目黒♪」 優希「五反田♪」 穏乃「大崎♪」 京太郎「品川♪」 玄「田町♪」 咲「浜松町♪」 憧「新橋♪」 淡「有楽町♪」 優希「東京♪」 晴絵「なにこの歌のチョイス」 晴絵「うえ、ちょっと込んできたな」 穏乃「えー! もうちょっとなのにー!」 優希「この車、マシンガンとかミサイルとかついてないのか!? 前の車蹴散らそうじぇ!」 憧「いや、そんなボンドカーじゃないんだから」 照「ダークジェイカーじゃないんだ」 京太郎「俺はそこで敢えてFAB-1を推すね」 まこ「お前さんなかなかやるな。ペネロープ号のが通りがいいはずじゃが」 京太郎「それほどでも」 淡「空とか飛べないの!? こう、ビューンッ! って」 菫「いやまだ車が空を飛ぶ時代ではないだろう」 京太郎「空飛ぶ車なら、龍門渕の技術班が開発したそうですよ」 全員「え?」 京太郎「なんでも今、特許と生産認可の承諾待ちだとか」 穏乃「龍門渕って龍門渕さんとか天江さんのいる龍門渕!?」 淡「空飛ぶ車とかすごーい! 私も乗ってみたい!、ね、ねキョータローそれホント!?」 京太郎「お、おう。こないだ透華さんがすげー自慢気に電話してきたからたぶん本当。あの人、見栄は張るけど嘘はつかないから」 和「本当に空を飛ぶんですか? オカルトとは言いませんがちょっと信じがたいですね」 京太郎「デジタルの和に説明するとだな」 京太郎「なんでも、酸化剤として過酸化水素、還元剤としてヒドラジンアミドとメタノールを混合液として」 京太郎「使用したロケットエンジンを内蔵してるらしい」 和「結構真面目に開発してるんですね」 京太郎「それで爆発的な加速力を生み出すらしいんだが、空気力学的形状上バランスを取るのが難しく」 京太郎「燃料が非常に発揮性が高くて飛行中に分解爆発する可能性があるらしい」 全員「うわぁ……」どん引き 京太郎「今度、地元の先輩が試運転させてもらうらしいんだが」 久「ねぇ、その先輩って……」ボソボソ まこ「十中八九そうじゃろう」ヒソヒソ 京太郎「そん時は是非相乗りさせてもらいたいな」ウンウン 咲「ダメだよ! 京ちゃん、絶対行っちゃダメだからね!」グイグイ 京太郎「うおお!? 落ち着け咲、いきなりどうした!?」 ブゥオーン 晴絵「お、動いた」 灼「ん、外。見えてきた」 穏乃「おお、ホントだ!」 ガラ 淡「私も!」 ガラ 誠子「2人とも、ちゃんと座ってないと危ないぞ」 京太郎「まぁ気持ちはわかりますけどね」 優希「そうだ、これは叫ばずにいられないじぇ!」 「「「海だぁぁぁぁぁぁーーーーーーッ!!」」」 晴絵「じゃあ私は車止めてきちゃうからみんなは着替えてきてねー」 全員「はーい」 京太郎「……」 咲「あれ、京ちゃんはいかないの?」 京太郎「いや俺は荷物運ばないと。その後でも男の着替えなんてすぐだし」 優希「うむ、なかなか殊勝な心掛けだじぇ」ウンウン 和「ゆーき、そんな言い方はダメですよ。須賀君もすみません、いつもいつも」 京太郎「いいっていいって、これくらいしかやれることないからな」 京太郎「なんにしても、やることがあるってのはいいね」 和「そうですか? では、すみませんがまた後ほど」 咲「また後でね京ちゃん」 優希「おい犬。いくらこの優希様が恋しいからって着替えを覗きにくるなんて不埒なことはするなよ!」 京太郎「バカか貴様は?」 優希「は?」 京太郎「俺は別にみんなの裸が見たいとか、着替えが見たいとかじゃないんだよ」 京太郎「俺はみんなの水着姿が見たいんだよ」 京太郎「卵生む前の鶏絞めてどうすんだよ?」 優希「お、おう……」 優希(真剣すぎてちょっと気持ち悪いじぇ) 優希「ならこのゆーき様の水着姿をしかと見せてやろう。楽しみにしておけよ」 京太郎「おう! 待ってるぜ」 京太郎「と、大見得切ったものの」 京太郎「この流れだと絶対みんなから『どう? 須賀君、これ似合うかな?』みたいなことを聞かれると思うんですよ」 晴絵「はぁ……あ、クーラーボックスはそっち置いといてね」 京太郎「あ、はい」 ドン 京太郎「で、ですね俺の語彙力じゃあ全員を褒めちぎることなんて出来ないと思うんですよ」 晴絵「シートのそっち側持って」 京太郎「あ、はい」 バサッ 京太郎「そういえば先生は水着に着替えないんですか?」 晴絵「私はパス。帰りの運転もあるからあんまり疲れるようなことしたくないし」 京太郎「ブーブー!」 晴絵「ブーイングは受け付けません」ツーン 京太郎「話が逸れました。で、この危機を乗り越えるべく作戦を立てたんですよ」 ゴソゴソ、キュキュキュ 京太郎「ホワイトボードに書いて一括で処理するってのはどうでしょうか?」 『みんな違って、みんな可愛い』 晴絵「ナイス屁理屈」b グッ 京太郎「シーズン真っ只中にしては思ったより空いてますね」 晴絵「そうね。もっと混んでるかと思ったけど。まぁそっちの方がいいでしょ」 京太郎「そうですね。人が多くても鬱陶しいし、少な過ぎても寂しいし」 晴絵「それなりには賑わってるけど苦にはならない程度で」 京太郎「浜辺は綺麗だし」 ワイワイ、ガヤガヤ <オイ、ミロヨアノグループ <ウオ、ムネスゲェ <オレ…コエカケテミヨウカナ 京太郎「なんか向こう騒がしいですね」 晴絵「あーそりゃ多分あれよ」 久「お待たせー」 バーンッ!! 晴絵「ほら、ビーチクイーン達のお出ましだ」 京太郎「先生なんか親父くさい」 晴絵「……」 スパーンッ! 京太郎「いってぇ!?」 目の前にはのは水着の天使たちだった。 正直、先生をバカにしたことを申し訳なく思う。 ビキニ、ワンピース、セパレート、スクール水着……。 スクール水着!? 優希「どうだ京太郎!? 私のスク水は」フンス その自信はどこから来るのだろう。 京太郎「通過儀礼として一応聞くけどなんでそれをチョイスしたんだ?」 優希「部長が男はこれが好きだといっていたじぇ。部長のアドバイスは絶対だじぇ」フフン 視線を移すと、必死に笑いを噛み殺す部長の姿が。いや、最早なにも言うまい。 優希「どうだ? 似合ってるか?」 俺は無言で先程のホワイトボードを翳す、 スパーンッ! 途中で後から頭をどつかれた。 振り返ると厳しい視線の赤土先生。顎で示してくる。 京太郎「ああうん。似合ってるんじゃないかな、歳相応で」 憧「歳相応って……」←同い年 和「言わないであげてください」←同い年 周りからなにか聞こえるが黙殺。 優希「可愛いか?」 京太郎「可愛い可愛い」 優希「そうか!」パァァ う、純真な笑顔が胸に突き刺さる。 淡「どうキョータロー? 淡ちゃんの水着姿は」 京太郎「セパレートか」 ツーピースであるがビキニよりも露出の低いセパレートタイプ。 淡い青の布地に花柄が映える。 淡「あんまり可愛過ぎて心奪われるなよー!?」 京太郎「うん。普通に可愛いな」 淡「ふぇ?」 京太郎「え?」 淡「あ、あわわわわわ///」カァァ 淡「あわー!」ダダダ 走っていってしまった。なんか知らんが勝った。 京太郎「さて……」クル 咲「///」モジモジ 和「///」ウツムキ 憧「……」プイ 玄「///」ソワソワ 宥「……」ガタガタガタガタガタガタ 照「……」テルーン なんか順番待ちみたいになってるんですが? 京太郎「」 晴絵「……」ポン 先生は軽く俺の肩を叩くと、未だに手に握られていたホワイトボードをそっと取り上げた。 疲れた。 改めて俺のボキャ貧具合を確認させられた。 まぁ眼福なこともあったので差し引きしてもプラスだろうか。 誠子「……」ソワソワ、ワクワク 一団の後方に一人ひときわ異彩を放つ人が。 京太郎「あの亦野先輩」 誠子「ん、なにかな? 須賀君」ソワクソワク 京太郎「いやなんていうかその格好」 誠子「え、変かな? この水着」 京太郎「いえ、水着はよく似合ってますが」 丈の短めなタンキニにボーイレッグ。 活発な亦野先輩の肢体によく似合っていた。 けど三点だけ、三点だけ突っ込みたいところが。 京太郎「その背中に背負った釣竿と、肩に提げたクーラーボックスと、腰に巻いたヒップバッグは……」 誠子「せっかく海に来たんだから、もちろん釣りだよ」 ですよね~。 誠子「じゃあ私はあそこに見えてる岩場にいるからなにかあったらケータイで!」ドヒューン 行ってしまった。 後で少し様子を見に行くか。 そういえばさっきから気になることが。 京太郎「なぁ、穏乃はどこにいるんだ? さっきから姿が見えないけど」キョロキョロ 憧「シズならそこにいるけど」 指で示された方向に顔を向ける。 晴絵「……?」 腕組みをして事態を見守っていた先生と視線が衝突。 よく見ると、その背後からちらちらとこちらを伺っておる者ありける。 穏乃「//////」 メイドだった。いや、厳密には穏乃だった。 ハート型のエプロンを模したストラップレスのトップ。帆前掛を合わせたスカート型のボトム。 赤いスカーフと付け襟、カフス、黒のニーソックス、白い太ももに僅かに見える帯はガーターだろうか? ネコミミにも見えるカチューシャの両端にはアクセントとしてスカーフと同じ色のリボン、ご丁寧にパンプスまで用意していやがる。 京太郎「」 今日、何度目かの絶句。 さすがにこれはやり過ぎだと思……。 穏乃「うううう//////」ウルウル なにも言えないでいる立ち尽くしていると、穏乃の顔が羞恥に染まり瞳は徐々に水気を帯びてくる。 憧「なにやってんのよ! なにかいいなさいよ」ボソボソ 俺の小脇に肘打ちを突き立てながら憧が先を促してくる。 玄「京太郎くん。ファイトなのです!」グッ、タユン あ、揺れた。 和「あ、ははは」 困った笑いを浮かべながら様子を伺っている和。 一応、指摘しとくとあなたの普段着も結構負けてないですからね? 京太郎「あー、どうしたんだその水着」 穏乃「これ、憧が……」 憧だと? 俺は件の少女に視線を水平移動。 憧「……」フイ 亜音速で目を逸らしやがった。 改めて穏乃の格好を見直す。 え、これヤバくない? 京太郎「あのさこれヤバくないこれ? これ犯罪じゃないのこれ?」 こんな小さな子にこんな格好。けしからんもっとやれ。 穏乃「私、学校の水着しかなくて、だからこういうのよくわからなくて……」モジモジ 胸元で合わせられた両手の先、人差し指の先を弄っている。穏乃の感情に感応してネコミミまでうな垂れて見える幻覚。 京太郎「え? それ学校指定の水着なの?」 京太郎「そんな学校、あって、たまるかってんだ!! どこだよその学校俺も通いてぇよ」 憧「単語だけ拾って頭の中で適当に再構成するのやめなさい。お年寄りじゃないんだから」 穏乃「やっぱり変、かな……似合ってない?」 不安げに俺を見上げてくる穏乃。俺はその細く震える薄い肩に優しく手を置く。 京太郎「いいかよく聞け穏乃」 穏乃「?」 京太郎「めちゃくちゃ可愛い。すげー似合ってるよ」 瞳の奥に感情の揺らぎ。そして光明。 穏乃「ホントッ!?」 京太郎「おう! 俺はバカだが嘘はつかない」 穏乃「そっか、可愛いか。…………可愛いかぁ、えへへへ///」 照れ隠しだろうか頭を掻く穏乃。それに合わせて結い上げたポニーテールが揺れ、ネコミミも機嫌良さ気に反応している。 え? ちょっと待って、どうなってんのこれ? 京太郎「それで前提としてよく似合ってるし可愛いけど、それを踏まえたうえで敢えて言うけど」 京太郎「やっぱヤバくないこれ? 犯罪臭が」 穏乃「えへへ、可愛いって褒めらちゃった///」テレテレ 和「よかったですね。穏乃」 憧「まぁ似合ってないとかいったら、八つ裂きにして海に撒いてたけどね」 玄「けどホントに可愛いね」 最早、誰も俺の意見など聞いていなかった。 なにがおかしいって男と女の感性の違いというか、あの格好を誰もおかしいと思わないということが一番おかしいと思う。 いや可愛いんだけどね。 あるいは、俺の前だけでとかにしてくれるとおにーさん嬉しいよ? 晴絵「まぁあんな格好出来るのも若いうちだけさね」ポン 先生がいうと説得力が違いいますね。 【おまけ】 玄「京太郎くん!」 京太郎「はいなんでしょう」 呼ばれて振り返る。 おうふ……。 視界に収まるホルターのトップ。薄い桜色のシンプルなビキニだ。 清楚で大胆というまさに玄さんの為のデザイン。 あの夜の過ちが脳裏をよぎる。 俺は熱い砂浜に額を叩きつける。 玄「い、いきなりどうしたの?」ビクビク 俺のいきなりの奇行にビビり気味の玄さん。 京太郎「いえ今、自分の中の自分という存在を徹底的にブチ滅ぼそうと」 玄「そ、そうなんだ……」 京太郎「それより玄さんこそどうしてんですか? てっきりみんなと泳ぎに行ったのかと」 玄「そう大変ですのだ! オペレーション・おもち発動ですのだ!」 京太郎「な!? オペレーション・おもちですって!?」 オペレーション・おもち かつてはクロチャーの地球降下作戦のことをそう呼んだ。 クロチャーの回転速度を上昇させ、ラグランジュポイントでドラを爆発、均衡を破壊し地球に落とす。 その後、混乱に陥った地球を降下してきたクロチャーで制圧する。 これがオペレーション・おもちの全容である。 次回、キョウタロウ閃光に散る ダイジェスト 菫「……」キュピーン 玄「ふぁ!?」 京太郎「ふぁ!?」 菫「ん? どうしたんだ2人とも」 玄「おもちが……」 京太郎「……ある?」 菫「ふ、これか」ポヨン 菫「レギュレーション変更だ」ドヤァァ 玄(なにがなんだかわけがわからない) 京太郎(いい加減な設定にしやがって) 玄「しかし!」 京太郎「我々で協議」 京玄「「した結果」」 京太郎「おもちがあれば細かいことなんてどうでもいいよね!」 玄「ですのだ!」 菫「まさか君たちはそれを締めのセリフにしようというのではないだろうな?」 穏乃「海だー!!」 優希「青いー!!」 淡「すごーいー!!」 3バカ「「「行くぞーっ!!」」」 京太郎「おーい。気を付けろよ!」 咲「あはは、みんな元気だね」 優希「咲ちゃんも京太郎も早く来るんだじぇ!」 ガシッ 咲「わわっ!?」 淡「テルーも行こう!」 ガシッ 照「えっ!? ちょ、待っ」 ダダダダダ 京太郎「海はにげねーから落ち着けってー」 憧「まったく子供なんだから」ヤレヤレ 和「そういう憧も、走り出したくてウズウズしてるように見えますけど」 憧「そ、そんなわけないでしょう!?」アセアセ 玄「じゃあ憧ちゃんが待ちきれないみたいだし私たちも行こっか?」 憧「もう、玄まで!」 京太郎「はははは」 憧「笑ってんじゃないわよ!」 ダッパーン 京太郎「ん?」 優希「おおおお、京太郎っ!!」 淡「たいへんたいへん! テルーとサキが波にのまれた!!」 京太郎「なにやっとんじゃあのアホ姉妹は!?」 ザザッ… 京太郎「はぁ……はぁ……ああ、くそ、マジ疲れた……」 咲「」 照「」 和「2人ともぐったりしてますが、ケガもないようですし呼吸も安定してますから、すぐに気が付くと思います」 玄「もう、優希ちゃんも淡ちゃんも無理矢理連れまわしちゃダメだよ?」 優希「反省してるじぇ」 淡「むしろ猛省」 憧「気のせいかな? あんまり反省してるように見えないけど」 穏乃「京太郎。大丈夫?」 京太郎「なんとか。ああ、ちょっと海水飲んじまった」 穏乃「はい、水」 京太郎「おお、すまん」 京太郎「あー生き返る」プハァ 和「これからどうしましょうか?」 京太郎「ああ、この2人なら俺が見とくからみんな泳いできてくれよ」 玄「そんな、悪いよ」 京太郎「いや、っていうか少し休ませてください」 京太郎「まさかものの数分で体力使い切るとは思わなかった」ハァ 玄「でも……」 京太郎「いいんですよ。せっかく海に来てるのにこんなとこで固まってても仕方ないですよ」 淡「よし! じゃあ行こうクロ!」ガシ 玄「え、あ……待って待って淡ちゃん!」 ダダダダ 憧「ぜんぜん反省してないわね」 京太郎「まぁあいつらしいっちゃあいつらしい」 憧「……」ウーン 憧「あたしも泳いでこよっと」 タッタッタッ 穏乃「あ、ちょっと憧!」 タタタタ 京太郎「憧は察しがよくて助かるね」 優希「のどちゃん、私たちも行くか?」 和「私は……私はそうですね、よろしければ須賀君の話し相手になりましょうか」 京太郎「え? いや、俺は別に」 優希「……」ジィイ 優希「わかったじぇ、じゃあまた後で」 タッタッタッ 咲「」ウーン 照「」ウーン 京太郎「よかったのか? 行かなくて」 和「身体を動かすのはあまり得意ではないので。隣、失礼しますね」 ポスッ 和「どちらかと言えば見ている方が好きなんです」 和「須賀君と一緒ですね?」ニコ 京太郎(リアクションに困るな……どう答えるべきなんだ?) 京太郎「へぇ。そうなんだ。和はもっと率先して動くタイプだと思ってたけど」 和「そんなことないですよ。割と内向的なので」 京太郎「そうか」 和「そうです」 京太郎「ははは」 和「ふふ」クスクス 京太郎「それで内向的な和さん。久し振りに旧友と遊べる感想は?」 和「懐かしい、と言うのが本音ですね」 和「海ではないのですが穏乃や憧、玄、赤土先生といろいろなところに行きましたから」 和「と言っても吉野の、小学生が行ける範囲でですけど」 京太郎「和は転校が多かったんだっけか」 和「はい。父も母も忙しい方なので。昔は、それが辛かったんですけど」 京太郎「……」 和「けど、悲しいことばかりでもないって最近になって気付けたんです」 京太郎「?」 和「清澄の皆さんに出会えましたから」 京太郎「……」クス 和「ゆーき、部長、染谷先輩」 和「そして咲さん」 京太郎(俺は?) 和「もちろん須賀君も」ニコ 京太郎「っ!?///」ドキ 和「覚えてますか? わたし達が始めて会ったときのこと」 京太郎「ん~、どうだったかな? あんま覚えてないな」 和「私、須賀君がいたから麻雀部に入ったんですよ?」 京太郎「え?」 咲「う、う~ん……」 京和「「!?」」 ムクリ 咲「あれ? 私……」 京太郎「お、おお。咲、目が覚めたか!?」 咲「確か、優希ちゃんに連れられて海に入って……」 京太郎「気分はどうだ? 水飲むか?」 咲「うん。ありがとう……」 咲「あ! おねーちゃんはっ!?」 照「」 咲「おねーちゃん、おねーちゃん!?」ユサユサ 京太郎「おいおい、そんな乱暴な」 照「う……ん~」 咲「よかった目が覚めて」 照「海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い海怖い」ブツブツ 京太郎「すっかりトラウマになったな」 和「どうしましょうか」 京太郎「う~ん、」 京太郎「照さん? 照さ~ん!」 照「海怖い海怖い海怖い海こわ、あ、え? なに?」 京太郎「そんなに海が怖いなら浜辺で俺らと遊びませんか?」 照「あ、えっと……」 咲「……」ウンウン 和「……」コクコク 照「じゃあちょっとだけ」オズオズ 京太郎「はい」クス 京太郎「じゃあ砂上の楼閣でも作ろうか」 咲「す、すぐ壊れそうだね」 和「まぁまぁ」 京太郎「じゃあちょっと水汲んでくるからこっちはよろしく」 3人「「「はーい」」」 ――――― ――― ― 和「~♪」シャッシャッ 咲「和ちゃんすごい!?」 和「ふふ、私の計算にかかればこのくらい造作もないですよ」 京太郎「いやしかしこれは凄いな。まさかこんな片田舎のビーチにサグラダ・ファミリア・カテドラルを創造する奴がいるとは」 京太郎「照さんそっちは、」 照「ぱーぱぱーん、ぱぱぱぱーん、ぱーぱぱぱぱーぱぱーん♪」 京太郎「」 京太郎「あの、照さん」 照「ん、なに? 京ちゃん」 京太郎「なんで反対側にマジ○ガーZの顔が付いてるんですかね?」 照「え? だってお城って」 京太郎「それは鉄の城です」 照「あれ?」 咲「ぷっ、あはははは。もう、やだおねーちゃん」 和「ふふ」クスクス 京太郎「まったく、照さんは。ははは」 照「………………ふふ、ははは」 ――――― ――― ― 和「出来ましたね」 京太郎「反対側おかしいけどな」 照「むぅ、京ちゃんしつこい」 京太郎「いや、だってこれは」 咲「まぁまぁ。これはこれで面白いから」 京太郎「ん~、まぁそうだな」 4人「「「「完成! 聖家族贖罪教会Z!」」」」ワーイ ダッパーン! 咲「あ、高波……」 グチャ~ 4人「「「「…………」」」」 【おまけ】 宥「気持ちいいね~」ガタガタガタガタ 灼「気持ちい」 尭深「あの、お茶飲みますか?」 宥「あ、ありがとう~」ガタガタガタガタ 尭深「鷺森さんも、よかったら」 灼「どうも」ペコ 灼(熱い……) 宥「ずず~」 尭深「ずず~」 宥尭「「ほぉ……」 宥「あったか~い」ニコニコ 灼(熱いけど、お茶) 灼「美味し……」ズズ 尭深「……」ニコリ 灼「///」 宥「こんな日は、お鍋とか食べたね~」 灼尭「「うん」」 「「……………………え?」」 【次回予告】 京太郎「鍋やるべー!!」 穏乃「鍋やるべー!!」\>ワ</ 次回 夏だ!海だ!水着で鍋パーティーだ!
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6月▲日 週末泊まりの練習試合、今回は鹿児島県 鹿児島と言えば親戚の春もいるのでちょっと行きたかったが、また留守番 やっぱ厳しいか 春に連絡したらすごく残念そうにしていた。インハイで会えたら黒糖でも奢ってやろう 仕方ないので今週もネト麻 最近はネト麻で調子が良く、結構上級卓に行ったりもする そこで仲良くなった人、ハンドルネーム、でーちゃんさん かなりフランクな感じな人ですぐに仲良くなれた 正座が辛いとか相談されたが、何か正座するような習い事でもやっているのか? やってる内に慣れるとだけアドバイスしておいた 穏乃「鹿児島の滝見さんだっけ?京太郎の親戚の」 灼「しれっと京太郎の隣をキープしてた人」 宥「そ、その言い方はちょっと……」 憧「でもあってるじゃない。京太郎も京太郎でそれが当然みたいな感じだし」 玄「ですね。何よりあのおもちがまたすばらしいのです!」 晴絵「玄はブレないなー」 友香「もーちゃん先輩!ちょっと聞きたいんで~」 美幸「もー、どうしたの?」 友香「こっちで好きな人を落とすって、どういう風にするんです~?」 美幸「え?……よ、よく分からないよ~」 友香「ふむ……やっぱりストレートがいいんで~……脱ぐ?」 美幸「もー!そういうのは駄目!!」 春「……今年のお正月も京太郎来てくれない」 良子「彼も彼で忙しいんでしょう。わがままはバッドですよ」 春「……ところで良子さん、その荷物とバイクは?」 良子「……なんのことですかー?決して年末特番の出演蹴って京太郎のところへトラベルしようとか考えてませんよー?」 春「……抜け駆けは許さない!!」 7月×日 今日、憧に相談された 内容は穏乃のジャージについてだった 思えば、穏乃は昔会った時と変わらないジャージだ さすがに女子高生にもなってそれはどうかと思うし、どうにかするために協力してくれないか、ということだった 確かに今のままほっといたらインハイで東京言ってもジャージで東京うろつきそうだしな 穏乃自身のためにも協力することにした といっても普通に言ってどうにかなるなら既に憧がなんとかしているはず なので、ここは男目線で色々と言ってみることにした 俺1人ではアレなので、憧にもフォローしてもらいながらやってみた その日の部室、俺と穏乃、憧の3人だけの時に、とりあえず穏乃も女子だという自覚を持たせるため、女の子らしい部分を褒め倒した まずは髪、元々ポニテにしている髪は綺麗だと思うので、そこから褒めた。というか、元は良いんだし難しくはない 次によく見せている足、山を登ったりしている割に綺麗で、正直触ってみたい 最後に顔、顔立ちは悪くない、というか結構可愛い部類に入ると思う どれもだからもっと女の子らしい恰好を、という方向で持っていったはずだが……なんか穏乃はそのまま部室を出てどこかへ走り去ってしまった 後憧から思いっきり頭を叩かれた 変なことは言ってないはずなんだがなぁ 穏乃「うぅ……いきなり『髪、綺麗だな』とか『足もしゅっとしてていい』とか『結構可愛い顔してる』とか言い出すから!!」カオマッカ 憧「褒めるから完全に口説くになってたのよねー……最終的にちゃんとジャージ以外の服買うようになったからいいけどさ」 晴絵「無自覚に口説くか。京太郎、いつか刺されないよな?」 灼「……無自覚で他でもやってそ」 宥「京太郎くんだしね~」 玄「私も言われてみたい……」 7月○日 放課後、部室に向かっているとソフトボール部の友人に話しかけられた なんでも、ボールが2つほどこっちに転がっていったが見つからないらしい 見てないと言うと、もし見つけたら教えてくれるよう頼まれた 大方どこかの茂みの中とかだろう、そう思いながら部室に着き、ドアを開けた 部室には穏乃しかおらず、その穏乃もこっちに背を向けて気づいていない様子だった とりあえず声を掛けると、穏乃は慌てた様子でこっちを向いた その時、違和感があった 穏乃の胸にはほぼ無いはず、しかしそこに確かに存在する、2つのソフトボール大のそれ それは、一目で見て分かった、偽乳だった 不自然すぎる、しかしそっとしておきたい 一瞬でそんな葛藤が俺の頭をよぎったが、それはすぐに消えた 無慈悲にも、重力に逆らえず落ちるソレ。穏乃のジャージの裾から落ち、床を転がった、2つのソフトボールだった その時、俺はどんな顔でなんて言えば良かったのか、今も分からない ただ無言で転がるソフトボールを目で追い、そして穏乃を見た 穏乃は呆気にとられたような顔をしていたが、すぐに声を上げて泣き出した 俺は転がるソフトボールを拾い、ただただ穏乃の頭を撫でてやった その後、本人の名誉のためにも、後から来て泣いている穏乃に驚いたみんなには何も言わなかった ソフトボールは帰りに友人に渡した 俺は、今日何も見なかった。それが正しいのかは分からないが、穏乃のためにもそう振る舞おうと決めた 晴絵「…………」 憧「…………」 玄「…………」 宥「…………」 憧「……次、いこっか?」 穏乃「せめてなんか言ってよっ!!」 灼「……ドンマイ」ポン 7月△日 今週の泊まりの練習試合、岡山県で俺はまた留守番 今回以外、後3回やる予定らしいが、俺、長野以外全部留守番とか無いよな? ……無いよな? とりあえず今日もネト麻 この前知り合った打倒はやりんさんやでーちゃんさんともまた打ったりした そして、新しい人と仲良くなれた ハンドルネーム、リザベーションさん チャットでやけに丁寧な言葉だっと思ったらよく分からない方言?のような言葉を使ったりする人だった でもすごく上手くて一度も勝てなかった 色々話している内に、大会で負けたことを話すと、リザベーションさんも大会で惨敗した経験を話してくれた リザベーションさんは、諦めず必ず今度の大会でリベンジする、と言っていた 俺も頑張ろう、という気になれた 晴絵「着々とネト麻でコミュニティを広げていってるわねー」 宥「お、女の子と?」 憧「まっさかー。ネト麻よ?誰が打ってるか分からないんだから」 灼「実はプロとかインハイに出場する選手とか?」 穏乃「で、こっそりインハイでその人と会ってたり?」 玄「あははー。それは無いって私でも分かるよー」 哩「うーん……なー花田ー。ちょっとよかかー?」 煌「どうしたんですか?」 哩「んー、標準語っちどがんすりゃ覚えらるっと?」 煌「あー、それは慣れとかしかないんじゃないですか?」 哩「慣れかー……でも会う時困るっちゃけどなー」 姫子「ぶちょー、誰と……まさか東京で男が!?」 哩「そ、そがんじゃなか!大体東京じゃなくて……確か本州の……」 煌「それ肯定してますよ!?」 7月□日 今日の昼、男友達ととあることが話題になった 男友達曰く、元女子校なんだから色々な部分でガードが緩いはず なのに夏服に衣替えしたのに何も良いものが見えない! 元女子校だからこそ起こりうる良いイベントも起きない! これはおかしい!!そう力強く言う男友達、もとい馬鹿野郎 女子も馬鹿じゃないし、一応元はお嬢様高校なんだから、そう上手いこといかないだろうに 冷たい目で見ていると、お前は良い思いしてるだろう!と胸倉を掴まれ。ガクガク揺らされる俺 冗談だろうけど、恨みや妬みからかやけに力が入っていた 周りも半分笑っているし、俺も笑いながらされるがままになっていた そのまま馬鹿野郎は手を離した そして体制を戻し、軽くやり返す……はずだった 何か踏んだのか、足元が滑って俺は軽くバランスを崩し、そのまま周りを巻き込んで後ろに倒れた 運が良かったのか、頭の後ろには鞄があり、それがクッションで後頭部を打つようなことは無かった しかし、仰向けに倒れた俺の視界には、何故かピンク色が広がっていた おまけに何か顔の上に乗っているのか息もしにくい そのまま顔の上に乗っているものをどかそうとするも、やけにそれは動いて、周りもうるさい やっと顔の上のがどいたと思うと、顔を真っ赤にして涙目の憧が覗き込んでいた 俺はやっとまともに息ができる、と思って立ち上がった そのまま憧にどうしたのか聞くと、 「っの、変態っ!!」と言われながら腰の入った捻りの効いたビンタをされた 午後の授業、俺は頬に手形を作ったまま受けた 後で聞いたら、ちょうど憧のスカートの中に顔を突っ込むような形で転んだらしい 羨ましいとか男友達の何人かには言われたが、そのせいか憧が今日は目すら合わせてくれなかった 明日、馬鹿野郎を〆てやる 晴絵「アレ憧だったのか。見事な手形だって職員室でも話題になってたわ」 穏乃「いやー、あの時のビンタは見事でしたよ?タイミング、威力、どっちもすごかった」 憧「うっさい!アレは京太郎も悪いんでしょ!!」 玄「でも結局3日は京太郎くんと話さなかったよねー」 灼「確か京太郎が話そうとするたびに逃げて」 宥「顔、真っ赤にしてたよね?」 憧「……あんなとこ見られちゃ、顔見れないわよ」 7月●日 今週の泊まりの練習試合、北海道 北海道かー……イクラとか、喰いたかったな…… これ見よがしに海鮮丼の写メを送ってきた穏乃は許さん 後でそのまま愛宕(貧)に転送してやる で、ネト麻で発散……できなかった 今日は調子が悪く、負けが多かった こういう日もあるか、と思いながらチャットをよくやった 何故か桃の話題で盛り上がり、ハンドルネーム二刀流さんと仲良くなった 岡山のことにやけに詳しかったけど……地元民? 岡山って桃太郎くらいしか知らなかったし、今後も色々教えてくれると言ってくれた 地元への愛にあふれた雀士か……きっと実力もあるんだろうな 灼「写メってたと思ったら……」 穏乃「こーいうのあったよー、って思って送っただけなんですよ?」 晴絵「無自覚の飯テロか……」 玄「愛宕(貧)さんが可哀想ですのだ……」 憧「オイなんて言った?……にしても岡山ねぇ……確かインハイで対戦しなかったっけ?」 宥「うーん……あ、1回戦の相手だったよ~」 那岐「見てろよ松実玄……インハイでは不覚をとったけど!」 那岐「次は三刀流よ!」 ※いつ対戦するのか、突っ込んではいけない 7月◇日 学校帰りに穏乃の家に呼ばれた 和菓子屋だと聞いて、憧や玄さんも一緒に行った いくつか食べて、素直に美味しいと言うと穏乃の母親がサービスしてくれた 少しした後、新作のお菓子作りの手伝いを頼まれた なんか穏乃に色々聞いて俺を呼んだとか、俺素人だぞ? しかし和菓子が美味しかったので手伝うことに どんなお菓子を作るか考えていると、ふと春の顔が浮かんだ 春といえば黒糖。という訳で黒糖を使った饅頭を作った 奈良で黒糖、特に産地だとか言うわけでもないのでちょっとしたもののつもりだった が、穏乃や憧に玄さんさらに穏乃の母親にも好評だった 穏乃の母親は「……ウチの婿にならない?ほら、こんなんだけど悪くないと思うわよ?」と冗談まで言ってくれた そのまま売るとか言ってたけど……売れるのか? とりあえずアイディアの元になった春に連絡し、多めに作って余った奴を冷凍して送ることにした 春の奴は久しぶりの電話だったのもあったが、黒糖の饅頭を送ると言った時めちゃくちゃテンション高くなったな そういえば春のとこもインハイに出場するらしい 東京で時間があったら会おうと約束した 穏乃「うちの人気商品をありがとうございます」 憧「翌日からバカ売れだったわよね」 晴絵「ひとつ食べてみたけど、京太郎はアレを作れるのか……女子力高いな」 玄「女子力とおもちへの愛なら負けないのです!」 灼「後ろのはいらない……でも、親戚の人といえば黒糖って……」 宥「確か、インハイで会ってた人だよね?どんな人かな~」 春「……黒糖の御饅頭が少ない。食べたの誰?」 初美「知らないですよー……ってなんで六女仙みんないるのに私だけ見るですかっ!?」 巴「もう、そんな疑っちゃダメだよ?」 霞「そうよ、決めつけはよくないわ」 初美「2人とも……」 巴「ちゃんと証拠見つけないとね」 霞「本人の証言もあるわよ?」 初美「だからこっち見ながら言うなですよー!!」 小蒔「明星ちゃんと湧ちゃんは知らないらしいですよー?」 春「なら他は……まさか」 良子「♪」 はやり「なにこの御饅頭。すっごく美味しいけどどこのお店?」 良子「そうですねー……私のダーリンと言っておきましょうか」 はやり「!?」 7月18日 今日の昼頃、愛宕(貧)から『誕生日やから豪華なの作ったでー!』というメールが届いた 鉄板の上にかなり大きなお好み焼きが乗った写メが送られてきた 明らかに学校っぽかったけど学校で鉄板持ち込んで作ったのか? しかしこのまま引き下がるわけにはいかない、という訳で昼休みと放課後を使って豪華なホールケーキを作った ちゃんとハッピーバースデーというコメント付きで写メを送った 『お祝いしてくれるんか!ありがとなー』という返事を確認した後、麻雀部のみんなでケーキは美味しくいただいた ちゃんと食べ終わった後も写メって『美味しかったです』と送っておいた 『なんか納得いかん!!』と返事がきたので、夜にお詫びも込めて、美味しそうなパーティー料理の写メを送っておいた 見てはいないが、何通かメールが来たようだ。きっと、喜んでくれただろう 晴絵「『急に部のみんなにケーキを作りたくなりました』とか言ってきたのはコレか」 玄「あのおっきいケーキにそんな意味が……」 憧「美味しかったから文句はないけど、確かにこれやられたら納得いかないわ」 灼「お祝いしてるようでしてない……」 穏乃「その後、夜にまたってのがな~……私ならまた食べたくなります。ていうか食べます」 宥「よ、夜は止めといた方がいいよ~」 洋榎「うがああああ!!なんでケーキ作りってこんな面倒なんや!!お好み焼きなんてほぼ混ぜて焼くだけやのに!!」 絹恵「お好み焼きはもっとやることあるし、ケーキと比べるもんやないで……ちゅーかお姉ちゃんが見てるケーキの作り方、難しいやつやん」 絹恵「ほら、こういう簡単なのもあるで?」 洋榎「そんなん誕生日に京太郎が写メで送ってきたやつに負けとるやん!絶対京太郎が作ったやつよりすごいの作るんやー!!」 絹恵「……なーんかお姉ちゃんが手のひらの上で遊ばれとる感じするなぁ」 7月▽日 今週の週末の練習試合、久しぶりに俺も行けたぜひゃっほーい! 場所は大阪、北大阪地区三箇牧高校が相手だった 男の俺もOKなんて……なんていい高校なんだ、と思っていた が、なんか無茶苦茶上手くて誰も勝てない選手がいた 「お、君が聞いとった男の子?よろしくお願いしますーぅ」とかのんびりした人なのか?と思ったらとんでもない 2年生の荒川憩さん、団体戦でこそ全国行きは逃したが、去年の個人戦全国2位という人だった そりゃ勝てねーわー。そりゃ俺も飛ばされるわー 練習試合の休憩中、男子1人じゃ流石に居ずらいと外に出たら、気を遣ってか興味本位か、荒川さんはわざわざ追って来て話しかけてくれた 話しやすい人で、色々と話が盛り上がった 俺のこと、荒川さんのこと、互いの学校のこと、麻雀のこと。そして、去年のインハイのこと 「去年のうちは2位っちゅう成績やけど、1位の宮永照は次元が違うんよーぉ……アレはヒトじゃない」そう荒川さんは呟いた 宮永照さん……ねぇ 色々アレなんで誰にも言わなかったが、咲の姉で俺は昔遊んだりしていた、昔の知り合いでもある人 その時のイメージから、雑誌などで見る照さんが同一人物だととても思えなかった ……咲の姉だしなぁ、あのお菓子好き そんなことを考えているのをどうとったのか、「そんな気にせんでええよーぉ。個人で強くても団体戦じゃどうなるか分からんしな?」 そう言ってくれた。多分勘違いしたんだと思うが、そんな風に言われては何も言えなかった。ここだから書けるが、自虐みたいなこと言ってたし お礼を言い、練習に戻ろうとした時、「な、連絡先交換せん?須賀くん一緒に話しとって楽しいし。な?」そう言われて断れる訳なかった 今回の練習試合はかなり充実したものになった 灼「部長の私より先に連絡先交換してる……」 晴絵「しかも荒川憩からとは……麻雀以外でも勝てない?」 穏乃「そ、そんなことないですよ!」 憧「そうよ!まだ決まった訳じゃないわよ!」 宥「ま、負けない!」 玄「おもちなら負けないですのだ!!」 憩「♪~」カチカチ 「憩ちゃん鼻歌歌いながら携帯弄ってるけど、もしかして彼氏?」 憩「いややなーぁ、そんなんやないでーぇ?」 憩「……でも、そうなったらええなっては思うけどな?」ニコッ 7月■日 今日は……なんか無駄に疲れた 朝から憧がなんかしんどそうにしてたと思ったら、休み時間いきなり人気のないところに引っ張られ 「今日だけでいいから、彼氏になって!」と頼まれた なんでも昨日他校の男子から告白されたらしい 断ってもしつこく、彼氏がいないなら、とか言ってきたからつい彼氏がいると言ったらしい どうしても断りたいからと言うので、仕方なく引き受けた そして放課後、指定された場所に憧と行き、そこで待っていたのは晩成の男子だった つーか確か個人戦で当たってね?ギリ勝てたと思うけど とりあえず見せつけるように憧の肩を抱き、「こういうことだから」とそれっぽく言った だが相手もしつこかった そんな奴のどこが、俺の方が幸せにできる、挙句君は騙されている、とまで言い出した 面倒な奴だなー、と思っていると、憧がキレた 「うるっさいのよ!!さっきから黙ってりゃ好き勝手言って!アンタが京太郎の何を知ってんの!?決めつけで言ってんじゃないわよ!!」そう怒鳴り、そこからも続いた 今まであえて黙っていたのもあるのか、かなりきついことを言い続け、それで俺のことを上げるように言った ……ちょっと褒めすぎじゃないか、ってくらい言われてたが、まぁ悪いことじゃないし、俺は止めずに黙ってた 最終的に相手が頭を下げて俺に謝罪してきた。憧やべぇ 帰りに、あれだけ言えるなら俺いらなかったんじゃね?と聞くと 「別に……アンタのこと貶すのが気に入らなかったからだし……」と返された ま、大事な仲間と思ってくれてるのかね。アレだけ言ってくれるのは嬉しいことだ しかし、これ晩成に無駄に広がったりしないよな? 変なことにならなきゃいいが 晴絵「告白されるなんて、憧もやるねー」 憧「あんなのに告白されても嬉しくないっつーの。あー、むかつく奴だった」 灼「そんなに?」 憧「そりゃもう。これには書いる以上に、散々京太郎のこと貶して自分がいい、って言ってきたんだから」 穏乃「なにそれ!」 宥「あったかくない……」 憧「だからつい頭きちゃったわー……あー、私、色々変なこと言ってないわよねー」 玄「京太郎くんを褒めたっていうの?憧ちゃんなら大丈夫!」 7月◎日 夏休みが始まった もっとも今年はインハイ関係が大半になりそうだが 今日は灼さんと部活に関する買い物に 色々なところ回ったけど、結構色々な人達がインハイ応援で声を掛けてくれる 灼さんが部長というのもあるのか。負けられないな 適当な店で休憩していると、たまたま晩成の小走さんと会った 小走さんはこっちに気付くと、いきなり何時が暇か聞いてきた まさか……灼さんとデート?そう言うと「うるさい!彼女いるのに他の女と居ていいの!?」と返された そういえばこの人誤解してた。しかし誤解を解く暇もくれず、小走さんは灼さんに壮行試合の提案をしていた 色々あるが、まぁ奈良の強豪校の晩成との試合はありがたいだろう。灼さんも快諾していた 「じゃ、今度ね……その、アンタは彼女とうまくやんなさいよ」そのまま俺の話も聞かずに小走さんは帰っていった 話聞いてくれよ。そう思っていると、ふと、灼さんが微妙な視線でこっちを見ているのに気付いた 「……彼女持ちって思われて良かったね」そう冷たく言われる。誤解って分かってるはずなのに! その後、微妙に機嫌が悪くなった灼さんに付き合って、灼さん個人の買い物にも付いていくことになった しかし……あの私服のセンスは…… 一応俺が進めたのも買ってくれたから、まぁ大丈夫か? 玄「晩成では憧ちゃんが京太郎くんの彼女なんだね」 憧「そ、そそそんな彼女だなんて……」 穏乃「……いいなぁ」ボソッ 灼「……ところで私の選んだ服がことごとく京太郎に却下されたんだけど、そんな微妙だったかな?」 宥「び、微妙というか……」 灼「まぁ、京太郎が選んだのだし……悪くないとおも……」 晴絵(京太郎、グッジョブ!!) 7月☆日 最後の泊まりの練習試合、福岡 俺は留守番、まぁ2回行けたしいいや お土産を期待しつつ、ネト麻 やけに上手い人達と当たりつつ、のんびりとやった そんな風にやっている中で、1人仲良くなれた人がいた ハンドルネーム、風さん みんなが福岡に行ったので明太子のことを話すとものすっごい食いついてきた 魚卵系が好きらしい。アレが駄目だって友人もいたっけ お互いに好きな魚卵の話をした 最後に、北海道なら安く美味しいのが食べれるって言うと、北海道に移住します、と言ってきた ……冗談だよな? 穏乃「福岡はラーメンが美味しかった!豚骨カレーラーメン、また食べたい!!」 晴絵「シズはがっつり行くわねー。ま、確かに美味しかったわよね」 憧「魚卵系かー。そこまで好きな人……あんまり魚卵食べないとこの人?」 灼「でもそれで移住って……」 玄「好きな人はそこまでするんじゃない?」 宥「実際にどうしたのかな……北海道はあったかくないから私駄目だけど」 明華「今度の合宿は北海道にしましょう」 智葉「……今は大掃除中だ」 明華「ではカウントダウンは北海道で」 智葉「……そんなに北海道のイクラが食いたいのか?」 明華「私、北海道からオファーが来たらすぐにでも行くつもりです」キリッ 智葉「はぁ……メグのラーメン好きの方がよっぽど楽だったか…… 7月★日 今日は晩成との壮行試合兼合同練習、全員で晩成まで行った 晩成では団体戦に出ていた男女のレギュラー、それと数名の部員が待っていた 余り多すぎても仕方ないだろう、という小走さんの気遣いだった 今日改めて知ったが、この人結構いい人だ。麻雀の実力もあるし 玄さんのドラ麻雀初見であの対応だ、奈良個人1位は伊達じゃない 俺も男子のメンバーと打たせてもらった どの人も実力者で勝つのは難しかった けど、個人戦で当たった人や同じ1年生など打ってて楽しくもあった そーいや同年代の男子と大会以外で打つのはかなり久しぶり……いや打ったことあったか?まぁいいや 休憩時間、男子との仲良くなれて、いっそ晩成に来ないか?等誘われたりもした 無論冗談だろう、俺も何か返そうと思ったが、後ろで聞いていた阿知賀のみんなが必死な感じで止めに入った そもそも冗談だ、と言うとみんな恥ずかしそうにしていた その後男子達から軽く叩かれたりした。酷い。でも連絡先交換したりした 休憩時間が終わってからは女子と打ったりした 団体戦のレギュラーだけでなく、他の人とも打ったりした 途中、小走さんや憧の友達の初瀬さんとも打った 色々聞かれたが、何か誤解してるっぽい。話が噛み合わない デートとかどこまでいったかとか何股かとか、絶対勘違いだろう せめて後日誤解を解こうと、連絡先だけ交換した。 でもなんか更に誤解したっぽい……誤解、解けるか? 結局そのまま壮行試合兼合同練習は終わった 色々あったが、かなりいい練習になった またこういう形で打ちたいもんだ 晴絵「あー、あったあった。京太郎引き抜きを止めるみんな」ニヤニヤ 穏乃「うー、だってびっくりしたんですよー」 憧「てかアレ、結構マジだったわよね」 玄「そうなの!?」 灼「冗談っぽいけど、気が変わったらいつでもって連絡先交換してたし」 宥「京太郎くん、晩成の人達とも仲良くなってたからね~」 憧「ってか晩成の人達はなんか私を京太郎の……か、彼女って誤解してるのよねー」 灼「……でも今は何股か掛けてるって話になってるっぽい」 玄「そんなんじゃないのに……」 晴絵「ま、全員で引き抜きを止めたりすりゃねー。いやー、京太郎って愛されてるわー」 穏乃「赤土先生……」 宥「否定はしませんけど……そーいう誤解はちょっと……」 やえ「須賀って阿知賀の誰と付き合ってたんだっけ?」 初瀬「憧……と思ってたんですけど、部長さんともとか、姉妹の方とかも聞きますよね」 やえ「まさか……ハーレムを気付いた王者なのか!?」 初瀬「そ、そんなまさか……」 7月▲日 夏休み、夏らしく海に行きたいという話が出た 練習漬けだったし、そういう息抜きもいいかもと赤土先生も乗り気だった さらにそこに水着の話まで出て……内心ひゃっほーい!とすげーハイテンションだった これが昨日の話だ で、今日 山に来ていた なんでだよ!水着の話したのに!! 聞くと、ぶっちゃけ海遠いから山で、ということになっていた 水着に気を取られて聞き逃していた!なんという失態!海で未知のおもちなお姉さんとの出会いも何処へ!! でも、山と言っても綺麗な川があるところで、みんなの水着姿が見れたからそれはそれでよかった 宥さんも一応水着ではあったみたいで、一瞬だけ見せてもらえた。すぐに厚着したけど これはこれで眼福眼福 大会前にいいリフレッシュになっただろう 灼「なんか生返事だったと思ったら……」 憧「サイッテー……」 玄「分かる!分かるよ!やっぱりまだ見ぬおもちを求める気持ちは!」 晴絵「アンタは平常運転ねー」 宥「水着……やっぱりもっと頑張った方が……」 穏乃「いやいや、宥さんは大分頑張ってましたって」 7月◆日 今日は東京行きのために色々と道具などの準備していた ついでに部室の中も整理したり片づけたりもしていた 昔、赤土先生が9年前にいた頃から使っているからか、部室には以外と古いものも多かった 9年前のジャ●プやガン●ン、当時のインハイの記事など、じっくり見たいものもあった 赤土先生が遅かったため、古いものはすぐには捨てずに部室の端に置いておいた そんな感じで色々片付けていると、いきなり憧が妙な声を上げた 一体どうしたのかと思うと、憧は古びた段ボールを前に固まっていた ゴキブリでも出たかと思って段ボールを覗き込むと、古い巫女もののエロ本が入っていた しかも相当な数が綺麗な状態で……集めた人のこだわりが感じられた つい、いつもの癖でじっと表紙と中身を見る……時代こそ感じるが、素晴らしい しかし、後ろから視線を感じ、慌てて本をしまおうするが、それをいつの間にか前に来ていた穏乃に取られた そのまま何故か5人でじっくりと俺が見た数ページを見ていた なんとなくその様子を見ていると、「……こういうのがいいんだ」とポツリと憧が呟いた 待ってくれ。いや待ってください。巫女ものは嫌いじゃないよ?でもなんか巫女だけって訳じゃないからな? 必死に弁解したが、灼さんの「じゃあ、どういうのがいいの?」という一言で固まった 性癖暴露しろと?できるか! それからは中に入っていた巫女もののエロ本のページを見せられ、 「こういうのがいいの?」「こういうポーズ?」「これは……ちょっと厳しいよ」等と感想などを求められた 興味津々でエロ本片手にそういうのはやめて 精神的にすごくダメージ大きかった。うん、マジ勘弁してください それから相当な時間が経って、赤土先生が来てそれは終わった なんでも、それらの本は当時そういうのが好きな部員がいたらしい。女子なのに 理由は分からないが、部室に置きっぱなしな罰と言いながら赤土先生がどこかに持っていった エロ本との別れが嬉しい日が来るなんて思ってなかったよ…… そして、俺の性癖がいくつか暴露されたという事実を書いておこう ……胸や巫女さんも好きだけど、うなじも結構好みなんだよ 晴絵「いやー、これは悪かったわ」 憧「ハルエ、笑顔で言っても説得力ないわ」 玄「ああいうのはあんまり見なかったけど……いいきっかけになったよ」 宥「玄ちゃん?買ったりするのは駄目だよ?」 灼「でも……ああいうのがいいなんて……少し難し……」 穏乃「ところで、結局あの本はどうしたんですか?」 晴絵「ちゃーんと持ち主に送ったわよ?着払いで、中身巫女物エロ本ってしっかり書いて」 憧「酷っ!?」 8月×日 インハイ開会式前日、今日東京入りした 移動は赤土先生が運転する車 なので途中途中休憩をいれつつの移動になった ほぼ移動で終わった1日だったが、珍しい出会いもあった 移動中のサービスエリアでの休憩中 憧達に付き合ってパンを買い、適当なベンチで食べようかと思っていた時だった 目の前にショートヘアにセーラー服の娘がいた おもち……なくはないな、うん とにかく1人でどうしたのかと思っていると、急にその娘が耐えきれなかったかのように、地面に膝をついた 慌てて駆け寄ろうとしたが、俺達より早く駆け寄った人がいた 長い黒髪で、ショートヘアの娘と同じセーラー服で、おもち大きめの娘だった 1人じゃなかったとしても、心配なのは変わりないので俺達も一応近付いて大丈夫か聞いた 急に声を掛けたので驚いたようだったが、ショートヘアの娘が何故か俺の顔をジーっと見てきた 顔に何か付いてるか?と思っていた時、グーっとそこそこの大きさの腹の音がなった 全員の視線がショートヘアの娘に向いた瞬間だった。ショートヘアの娘の視線は、俺の持っていたパンに向いていた 「……それ、どこで売ってるん?」それが、俺がそのショートヘアの娘からの第一声だった 数分後、ダッシュでパンを2つ買ってきて、俺達は6人でパンを食べていた 「お騒がせしてごめんなぁ。後、買ってきてもろうてホンマごめん」申し訳なさそうにする長い黒髪の娘 おもち大きめの娘のためなら全然OKだ 「ウチ、病弱やから……」そういうショートの方 嘘だろ、と内心みんな思っていただろう。パンすぐ食べ終わったし その後、ちょっと話した後、2人は同じ高校の人に呼ばれ、行ってしまった そしてその時、赤土先生と灼さんが来て気付いた その2人、怜と竜華と呼ばれていた2人の高校は、全国ランキング2位、シードの千里山女子だった ちょっと映像で見たので、レギュラー5人は思い出せた そして2人も、呼びに来ていた3人もレギュラー このことから導き出される結論は……千里山レギュラーで一番のおもちは、大将の清水谷竜華さん!! 千里山の試合、チェックしとかないとな 玄「だね!あのおもちは大きさもだけど形もまた素晴らしくて…」 憧「ええいおもちが出てきたからってはしゃぐな!京太郎も胸ばっかりか!!」 灼「結構印象的な出会いなのにね」 宥「あったかくない……」 穏乃「この時のパン美味しかったなぁ……」 晴絵「インハイ前だってのに緊張感の無いこと書いて……」 8月○日 今日はインハイ開会式と抽選会 ま、俺どっちも俺は別行動で見てただけだったが さすがに女子の大会でそういうのに出席まではできない 移動中に和に会えれば、とか穏乃達と話したりしていたが、そんなことはなかった が、代わりと言うべきか、懐かしい奴にあった 1人で何やってんだよ、咲…… 恐らく焦っていたのだろう、昔麻雀してる時、ギリギリのこづかいを掛けて本気で打った時に見せたような、そんな雰囲気になっていた 周りがドン引きするからやめろっつったのに 声を掛けると、俺に気付き、ぱぁっと明るい表情になった ああ、迷子でトイレでも探していたんだな、とすべて理解して、トイレに連れて行ってやった コイツ変わってねぇ…… そのまま抽選会場前まで案内してやった 同じ東京にいるんだし、時間が合ったら会おうと約束してその場で別れた それから抽選が終わり、しばらくしてネト麻で知り合った人たちから連絡がきた 8月に東京で会えるかも、とみんなに言ってはいたが、みんな丁度同じ時期に東京にいるらしいので、時間が合い次第会うことになった こういう偶然もあるもんだなー 穏乃「えぇー……アレ昔からなの?」 玄「す、すっごい怖かったのに?」 憧「京太郎のメンタルの強さの片鱗が見えた気がするわ……」 晴絵「こいつ私よりメンタル強くね?」 灼「……そんなに宮永さん怖かった?試合は確かにすごかったけど、これ見るとドジっ娘な印象だけど」 宥「……アレはなんていうか……すっごいオーラ?そんな感じかな」 8月△日 インハイ1日目 今日は阿知賀の試合もないので東京見物を、と穏乃は楽しみにしていたが、それは無くなった 試合に確実に勝つため、1日試合観戦となった 仕方ないと言えば仕方ない 俺もみんなに付き合って試合を見てはいた が、正直俺が試合をするわけでもなく、みんな俺より実力は上だ なので、みんなの買い物や用事等で昼に少し外出した 穏乃が恨めしそうに見ていたので何かお菓子でも買ってくると言ってやった いくつかの買い物を済ませ、後はみんなにお菓子でも買って帰ろうかと思い、適当なスーパーに入ったら、とんでもない人と遭遇した スーパーの駄菓子コーナーで真剣な顔をしているインハイチャンプってもはやギャグだろ 照さん変わってねぇ……う●い棒両手に持って悩んでるとことかマジで昔と同じだった その衝撃で、つい「照さん?」と声を掛けてしまった 照さんは普通にこっちを向き、しばらく俺の顔を見た後「……京ちゃん?」と言ってくれた 昔少し会った程度だが、覚えてくれていたらしい。懐かしさでその場で少し話した 覚えていてくれたことは嬉しかったが、両手のう●い棒は決して離さない照さんだった とりあえず俺も照さんとお菓子を買い、そのまま公園に寄って話の続きをした 咲からも聞いていたが、まだ喧嘩中らしい。元々仲良かったんだから、仲直りすればいいのに まぁ、そこに突っ込んだりはできないが しばらく話していると、「宮永先輩!こんなとこにいたー!!」という声が聞こえてきた 照さんにどういうことか聞くと「……ちょっとお菓子を買いに来ただけだよ?」としれっと言った 迷ったんだな。姉妹揃ってこういうとこ変わらねぇ…… 大人しく帰ってもらうよう言うと、また話したいからと、連絡先を交換して別れた インハイチャンプと連絡先を交換した、って言えばすっごいことに聞こえる 実際は昔の知り合いのポンコツ姉妹の姉だからな…… ま、覚えてくれてたことは素直に嬉しかったし、また連絡しよう 玄「み、宮永さんともうこの時に!?」 憧「玄、落ち着いて。ほら、またアンタと打つ訳じゃないんだから」 晴絵「ちょっぴりトラウマになってるな。しっかしこういう人脈はホントすごいな」 灼「私達が大会やってる裏でどれだけの人と……」 宥「そ、その言い方はちょっと……」 穏乃「すぐ仲良くなるのはいいことですよ」 照「…………」 誠子「宮永先輩、何見てるんですか?」 照「ん、これ」 誠子「雑誌?えっと……宮永照彼氏疑惑!?」 照「夏で公園で京ちゃんと会ってたのが撮られてたみたい」 誠子「京ちゃん?とにかく、いいんですかコレ?」 照「……外堀から埋めるには最適だからいい」 誠子(どこの京ちゃんか知らないけど、ものすごい手段で外堀埋められてるぞー) 8月□日 インハイ2日目、ついに阿知賀の試合も始まった 玄さん大暴れで初戦突破だ! やっぱりあのドラ麻雀には対戦相手も面食らってたな ぶっちゃけ初見のアレは同情するわ しかし三尋木プロが面白いこと言ってたな 『阿知賀のドラゴンロード』、か……二つ名とかいいな こう、中2心をくすぐられる 昔、友達と『ゼ●』だの『ダー●フレイムマスター』だの言ってたのを思い出す やっぱ有名選手だとそういうのあるのかな 照さんならチャンプになるのか? そういうのが付くくらいの上手くなりたいもんだ とりあえず、阿知賀初戦突破おめでとう 穏乃「ドラゴンロード、やっぱかっこいいですよね!」 憧「良かったわね、阿知賀のドラゴンロード」 灼「かっこいいよ、ドラゴンロード」 玄「止めてよー!インハイ終わってからすっごく言われて困ってるんだからー!」 宥「有名になって良かったってお父さん喜んでたよ?」 晴絵(私も一時期レジェンドって言われまくったなー……) 8月●日 インハイ3日目、今日は試合こそないが、再びホテルでテレビとにらめっこ まぁ今日は清澄の試合あるし、姫松も愛宕姉妹いるし、ということで観戦 清澄……和も咲も出る前に終わらせるとかどんだけだオイ つーかあのツモかっけぇ。ちょっと真似したら牌がどっかいって憧に怒られた 姫松も、愛宕(貧)が役満で和了ったのはびっくりした 散々いじったり飯テロしたりで忘れてたけど、あの人って名門校の主将だったんだよなー ちょっと今までのことを反省しようと思ったが、試合終了直後に『今日の試合見たか?見た?どやった?』というメールが来て、反省するのは止めた ドヤ顔が目に浮かぶので、飯テロ用に用意していた画像フォルダから、とっておきのたこ焼き、お好み焼き、焼きそばの画像を送ってやった それからは無視した 夕食後、ちょっと甘いものが欲しくなってコンビニに行くと、お菓子コーナーの前に一昨日見た人がいた またかよインハイチャンプ、つーか一昨日買ってた大量のお菓子はどこに行った ただ、今日は1人ではなく、隣にもう1人いた 白糸台の部長、弘世菫さんだった 照さんに声を掛けると、弘世さんが警戒するように「照のファンか?流石に今サインは…」と言ってきた 照さんが自分の昔の知り合いだと言うと心底驚いていた コンビニを出て、簡単に自己紹介をした後も「あの照に男の知り合いとは……」と弘世さんは半分信じていないような感じだった そんな弘世さんに不満そうな照さん。普段の行動のせいだろう そう言うと「え、分かるのか?」と弘世さんが言った なんとなく察した。この人、苦労してるんだなと この人とその妹のおかげで迷子を探すのが得意になりました、と言うと感極まったように俺の手を握り「分かってくれるか!分かってくれるのか……!」と言う弘世さん 僅かな時間で俺と弘世さんは分かり合い、連絡先を交換した 愚痴なら付き合います、そう言うと弘世さんはとても嬉しそうにしていた またいい出会いがあったな ちなみに照さんは横でずっとお菓子食ってた 出会いのきっかけということは感謝できるけど……感謝したくねぇなぁ 玄「宮永さんのイメージがどんどん崩れていく……」 憧「玄と打ったのは別人だったんじゃない?」 灼「流石にそれは無いとおも……」 穏乃「清澄の大将の咲さんもすれ違ったときすっごく怖かったけど、試合前は普通だったしなぁ」 宥「なんでだろうね」 晴絵「ま、そういう人もいるわよ。ある分野は優れてて、他全部駄目、とかね」 菫「……ふふっ」カチカチ 尭深「どうしたんですか?メールしながら笑って」 菫「あぁ、改めて良い奴だなと思っててな」 尭深(まさか彼氏……) 菫「互いに共感できる話題も多いし、愚痴っても分かってくれるしな……」 菫「しかし、一時期は姉妹両方を相手にしていたのか……そう思うと私は楽な方だったのか?」 尭深(……なんか違うというか、同じ苦労人?) 8月◇日 インハイ4日目、今日もホテルで試合観戦 といっても録画されていた明日の対戦相手の試合だ やっぱ千里山が明日は強敵になりそうだ 昼にホテルを抜け、ネト麻で知り合った2人と昼飯を食べることになっていた 待ち合わせ場所に行くと、世界ランカーと北部九州最強がいた リザベーションさん改め白水哩さん、風さん改め雀明華さん めっちゃ有名選手じゃん、なんて人達と知り合ってたんだよ俺 全員インハイ関係者ということに驚きつつ、適当な店に 最初はどうなるかと思ったが、哩さんの明太子の話に明華さんがすごく食いついたことですぐに打ち解けられた 時間も短かったのでほぼ魚卵談義で終わってしまった 俺も2人も名残惜しそうにしながらも、それぞれで連絡先を交換して別れた どこが勝っても恨みっこなし、という約束もした 夕方、そういえば清澄が勝ってから連絡してないと思い、咲に連絡してみた 携帯に電話してえらく時間かかってから出たと思ったら、寝ぼけてやがった…… あいついつまで寝てんだ 半分寝言で俺の名前呼んでばっかだったけど、どんな夢見てんだ? 晴絵「またすごいのと知り合ってるなぁ……」 灼「白水さん……試合でもすっごく強敵だったのに……」 玄「大丈夫ですのだ!まだおもちでアドバンテージが!」 憧「はったおされるわよ。ところでこの寝言ってなんなのかしら?」 穏乃「京太郎の夢見てたとか?」 宥「夢に出るほど、ってことかな?」 哩「うーん……高けりゃいいって訳じゃ……いや、でもなぁ……」 煌「さっきから明太子コーナーの前でどうしたんでしょう?」 姫子「なんか知り合いから『いくらかかってもいいから最高の明太子を!』って頼まれたらしか」 明華「♪~♪~」 ダヴァン「なんかすっごいご機嫌デスネ」 ネリー「どうしたんだろうねー」 8月▽日 インハイ5日目、そして今日は2回戦だった 結果としてみれば勝ち抜けた。けど、2位でギリギリだった 千里山は、全国2位は強かった 特に先鋒の園城寺さんは1人で4万近く稼ぐなんて……後、リー棒立てるのがちょっとかっこよかった アレどうやってんだろ、できねーわ。穏乃とこっそり挑戦したら憧に俺だけ叩かれた とにかく次の試合はこれに白糸台と新道寺、このままじゃ勝ち目が薄い そう思いながらも穏乃の提案でラーメンを食べにいった アイツ良くも悪くも空気読まねぇ……今回は暗くなりかけてたから助かったけどさ ラーメン屋からの帰り道、おもちの気配がした 玄さんもそれを感じ取っていた。が、見つからない 一体どこなんだ!と思っていると暗がりからいきなりおもちが現れた!! 幽霊……ではなかった。足もおもちもあったし そこで会ったのは、長野の清澄を応援に来ていた、鶴賀学園の人だった すばらなおもち!と思っていたが、穏乃達は何か思いついたのか、その人達に練習試合を申し込んでいた いきなりいいのかと思ったが、鶴賀学園の人達は快く引き受けてくれた それだけでなく、新たなすばらなおもち、もとい、長野の名門校、風越の人まで呼んでくれた そのまま練習試合は始まった 俺はどうするかと思ったが、試合に出ない俺まで打つことに まぁ、負けまくったけどなー ただ、鶴賀の加治木さんと風越の池田さんに、咲や龍門渕の人達と交流があることを言うと驚かれた さらに咲と昔初心者の頃から打っていたことを言うと2人とも何故かとんでもないものを見るような目で見てきた 「お前すげーな……アドレス交換しようぜ!」とのことで池田さんとアドレスを交換した その後しばらく打ったり、すばらなおもちを観察したりした 途中、何度も東横さんを見失いかけた。影が薄いとか言ってたけど、こんなに主張の激しいおもちがあって影が薄いとか納得できない おもちを見失う訳には!と最後には普通に見つけれるようになった もうあなたを見失わない、と東横さんに言うと、なんかえらく喜ばれ、アドレスを交換した かなり遅くなったが、かなり実のある練習になったと思う 帰りを車……車?まぁ、とにかく送ってもらって少し申し訳なかった。今度お礼でもしよう その直後、全員で集まった とにかく明日、片っ端から申し込んで練習試合だ!ということに 明日、忙しくなるかな 晴絵「ほー、またいい出会いがあったんだな」 穏乃「そりゃ、勝つためにも必死でしたから」 憧「あの人達にはお世話になったけど、ここでも京太郎がアドレス交換してるのがねー」 灼「一応、同郷の人だし?」 玄「しかしすばらなおもち……何度か見失うとは不覚……」 宥「あったかい人達だったね」 8月■日 インハイ6日目、今日は雨だった ちょっと長めの日記になりそうだ 昨日、知ってる人達に連絡を取りまくり、なんとか荒川憩さんだけはOKしてくれた 今度、個人的に何かお礼すると言ったら『ほほー……楽しみにしときますーぅ』とか言われたけど……まぁいい! ただ、女子ばかりの練習試合で無理を言ったようなものなので俺は不参加に まぁ、その分今日の試合でも見ておこうと思った どうせなので会場で見ようと思い、会場に向かっている途中、雨の中傘も差さずに駆け抜ける学ランの人がいた どんなワイルドなイケメンだと思い、信号で止まった時に隣に行ってみると、千里山の江口セーラさんだった。イケメンな女子だった 江口さんは俺に気付くと、サービスエリアでチームメイトと会っていたことを思い出したからか「すまん!ちょっとでええから入れてくれ!!」と言って傘に入ってきた 江口さんは会場近くへ向かう途中だったらしいのでそのまま一緒に会場に向かった なんで傘を差していなかったか聞くと、コンビニで色々買った後出ようとしたら、傘が壊れて泣いてる小さな女の子がいたのでその娘にあげたらしい 「雨ん中走るん気持ちええやろ?」と笑う姿はまさしくイケメン。なんだよ性格までイケメンだったよこの人 会場に着くと、待ち合わせていたのか千里山の制服を着た眼鏡の人がすぐに来た。俺にお礼を言って江口さんにすぐに着替えるように言ってセーラー服を渡していた。グッジョブ 江口さんはかなり嫌そうにしつつも受け取っていた。そのまま別れようとした時、なにかの縁ということで江口さんと連絡先を交換した 後でセーラー服を着て恥ずかしそうにするセーラさん(そう呼べと言われた)の写メが送られてきた。『お礼やでby船久保浩子 P.S.愛宕姉妹から話は聞いとる』ともあった あの眼鏡の人、愛宕姉妹の関係者か? 昼に、会場近くの店でネト麻で知り合った2人と昼飯を食べることになっていた そこに居たのは、1回戦の対戦相手と2回戦の対戦相手だった。オイ、どんな偶然だ 二刀流さん改め新免那岐さんと、でーちゃんさん改め森垣友香さん 俺も自己紹介し、正直に阿知賀の生徒だと言った 友香さんは対戦校だけど、直接俺と対戦した訳じゃないし、と全く気にしてない様子だった 那岐さんは、なんか玄さんへのリベンジに燃えていた。まぁ、悪い方向で気にされてても困るからいいけど そのまま打ち解け、話していると時間はすぐだった。昼の間だけ、ということだったので別れが早かった それぞれで連絡先を交換し、2人とも阿知賀負けるな、と残して別れた。いい人達だったな それからはまた試合観戦 中堅戦では春を応援していたが、結局は愛宕(貧)の一人勝ちに。今日は寝るまで1時間起きに画像送るか そして大将戦、ちょっとだけ面識もあり、かつ誰よりも大きいおもちの霞さんを全身全霊で応援していたが……咲……そんなにおもちが憎いか? 結果は清澄と姫松が準決勝に進んだ 試合終了後、春に連絡して永水の控室に 春以外のみんなともちょっとだけ面識はあるので、一応挨拶に行った 永水のみんなは負けはしたが、泣いたりとかそういう雰囲気ではなかった むしろもう、個人戦までどうしようか、となっていた。切り替えはええな とりあえずゆっくりして、暇があったら打たないかと言うと、それに乗ってくれたようだった 予定が合えば良子さんも来れるらしい。春達と打てるのは純粋に楽しみだ しばらく話した後、宮守の人達にサインを持っていくというので、そこで別れた 帰り道、雨は止んでいた みんなが帰ってくる前にホテルに戻ろうと思って歩いていると、ふとお茶の店が目についた 喫茶店とかじゃなく、茶葉とかそういうのだ。長野に居た頃にハギヨシさんに軽く教わった なんとなくその店に入ってみた 時間帯のせいもあるのか店内にお客はほとんどなく、俺と白いセーラー服の人しかいなかった どこかで見覚えがあるセーラー服だと思っていると、その人がちょうどこちらを向いて思い出した 白糸台の制服だった。そして、その白糸台の人は俺を見て「あっ」と声を上げた 知り合いかと思って声を掛けると、その人は白糸台のレギュラー、渋谷尭深さんだった なんでも、照さんと菫さんから俺のことを聞いて、写メまで見せてもらっていたらしい 何時の間に写メ撮ったんだと思ったが、そのおかげでこのなかなかのおもちな人とのきっかけになったと思えば許せる そのまま自己紹介から始まり、お茶についての話で軽く盛り上がった 俺は少し教わった程度だが、それでも渋谷さんはお茶の話ができたことが嬉しそうだった ポツリと、「白糸台にそういう人居なくて……」と呟いていた。まぁ、少なくとも他のレギュラー4人は無縁そうだな。内1人は消費する方専門だし そのまま連絡先を交換して別れた ホテルに戻ると、すでにみんなは揃っていた 何か話していたようだったが、もう大丈夫だと言っていた それより、明日、頑張ろう!と気合いを入れていた その通りだな 明日の準決勝、強敵や知り合いばっかりだけど阿知賀に勝って欲しい 俺も応援など、できることは全力でやろう 憧「ここまで読んでみると、準決勝で当たるどの高校とも知り合いがいたのねー」 穏乃「へー、すごいねー」 灼「対戦前に、って思わなくもないけど」 晴絵「ま、それこそ京太郎の人柄だろうね。アレはすごいよ」 宥「凄いですよね……」 玄「ですのだ!このまますばらなおもちの人達とも…」 憧「胸から離れろ!!」 8月◎日 インハイ7日目、まずは阿知賀、決勝進出おめでとう!! このとんでもない相手の中、1位通過とかやったぜ!! ただ、色々あった 先鋒戦、照さん容赦なさすぎるとか思ってたけど、先鋒戦終了後に怜さんが倒れてそれもふっとんだ 直接知り合いって訳じゃあないが、さすがに驚く 日記を書く前にセーラさんから連絡があり、特に問題はないらしいので安心した 怜さんが運ばれたのを見て、会場入り口から会場に戻ろうとした時、また驚いた 昔の憧のそっくりさんと、和がいた 穏乃に憧、玄さんも驚いていたし、和も驚いていた 「穏乃、憧、玄さん……京太郎くん?」そう名前を呼ぶ和。それもそーか、俺は1週間程度しかいなかったし、何より女子の大会の会場にいるわけだし そう呼ばれたので、俺も久しぶり、和と返した すると、隣の昔の憧のそっくりさんが「まさか……お前がのどちゃんのは、むがもご…」そう何かを言いかけ、和に口をふさがれていた 「もう!……ってなんでここに?阿知賀は女子校だったのに……」そう疑問が沢山な和に俺の現状を軽く説明をした 「……なんですかこのオカルトじみた偶然」ありえない、と言いたげな口調な和。まぁ分からんでもないが そうこうしている内に次鋒戦が始まりそうなので話も切り上げた 穏乃達は決勝で会おうと言い、和もそれに応えるように頷いた 俺はとりあえずまた話そうということで、和と連絡先を交換して別れた 試合終了後、赤土先生の勧めで決勝の会場を下見に行った すると、そこに小鍛治プロがいた 赤土先生は、阿知賀の優勝を見届けた後、またプロを目指すと宣言していた 先生も頑張ってるんだな 明後日の決勝、ここまで来たら目指せ優勝!! 穏乃「ほんっとにびっくりしたよね!和がいるんだもん!!」 玄「だよね!またおもちも成長してるし……そういえば憧ちゃんのそっくりさんもいたね」 宥「後でアルバム見てびっくりしたよ~」 灼「生き別れの妹?」 憧「他人のそら似だっつの。全く、京太郎は和と会えて嬉しそうにしちゃって。和も和だし……試合あんのに余裕だったのかしらね」 晴絵「ま、京太郎に関してはそういう性分でしょ。和は……実は京太郎に会いたかったとか」 穏乃「和にとっても大事な友達ですからね」 灼「アレはそういうのというより……」 閑話、8月◎日、某所 和「ふふ、そうですね。実は名前は思い出せなくて……」 和「えぇ、顔を見ると、結構分かって思い出すものなんですね」 和「でも、長野って知ってたらもっと早く会えたのに……」 和「はい、もしかしたら同じ清澄だったかも……なってあったかもしれませんね」 和「でもこうして話せてることも嬉しいですよ?」 和「それはそうと……胸への視線、気付いてますからね?」 和「もう!そんなところは玄さんも変わらないんですから……」 和「なっ……もうこれ以上大きくなんてなりません!!」 和「もう……はい、ではおやすみなさい、京太郎くん」 優希「のーどちゃーん?すっごくすっごく楽しそうだったじょー?」 まこ「ほうじゃなぁ。あの和が男子とここまで楽しそうに話すとは驚きじゃ」 久「ねぇ。まさか決勝前に幼馴染、そして初恋の人との再会。決勝では幼馴染との試合……これ、ドラマ化いけるんじゃない?」 優希「だなー。咲ちゃんもそう思うかー?」 咲「う、うん。だけどまさか相手が京ちゃんだったなんて……」 和「あんまり勝手なことばかり言わないでくださいっ!」 和「私だって、親しい人とは楽しく話しますよ。それに、彼自身もいい人ですし」 咲「京ちゃん誰とでも仲良くなれるからなぁ……」 和「ですねぇ……でも、胸ばっかり見てくるのはどうかと思いますが」 久「いいんじゃない?ほらほらその胸で彼を誘惑しちゃえば?」 まこ「とんでもない武器じゃからな。怖い怖い」 優希「のどちゃんのおっぱい!男はメロメロだじぇ!」 咲「いいなぁ……京ちゃん、和ちゃんのこと胸で覚えてたんだよ?」 和「それは知りたくなかったですね……でも、私は名前を忘れてましたし、おあいこですね」 優希「ん?でも会ってすぐ名前で呼んでたじょ?」 和「顔を見たら思い出せたんです。その、金髪なのは覚えていましたし」 久「へぇ。ちょっと私も会ってみたいわ」 和「意外と顔を見たら思い出せて……昔の面影もありましたし……その……」 まこ「どうしたんじゃ?歯切れが悪いぞ?」 和「ええっと……今思い返してみて……」 優希「うん?」 和「……かっこよくなってたなって」 咲「むっ」 久「あらあら……これは優希の言う通りになるかしら?」 優希「のどちゃん、初恋だな」 まこ「青春じゃのー」 和「ち、ちがっ……ただ客観的に見ても整っているというか……別に私の好みとかじゃなくて……」 咲「……負けないからね」ボソッ 久「へぇ……ま、今身内同士でどうこうっていうのは置いといて、現状一番の強敵は阿知賀じゃない?」 和「確かに……はっ、これは別にそういう訳じゃ……」 優希「向こうも幼馴染で、さらに一緒に居る時間が長いじょー」 咲「私の方が付き合い長いのに……」 まこ「お前さんも拗ねるなって。そんなお前さんを蔑ろにするような男か?」 咲「……今も気にかけてもらってます」 まこ「なら大丈夫じゃろうて」 久「それじゃ、まずは明日勝つこと!それで和と咲の大事な人に、私達の活躍を見せてやりましょうか!」 優希「さんせーい!」 まこ「阿知賀には悪いが面白そうじゃな」 和「そんなんじゃ……無いって訳でも……」 咲「……明日、明後日、みんな倒します!」ゴッ 閑話、カンッ!! 8月☆日 インハイ8日目、決勝前日 今日は準決勝を観戦しながら、明日のために打ったりした 決勝前にまたどこか他校と練習でもできたらいいのに、と憧が言ったので、ちょっと春に連絡をとってみた 春達永水も個人戦前に練習したかったとのことで、わざわざこっちに来てくれた 更に、2回戦後に知り合ったらしい、宮守の人達まで連れて来てくれた 決勝前にありがたかった。みんな驚きつつも喜んでくれた 永水のみんなとはほぼ顔見知りだ。久しぶりに会った霞さんや小蒔さんのおもちがすばらなことになっていた 思わず玄さんと固い握手を交わした ただ、春がいきなり抱き着いてきたのは驚いた 「良子さんに教わった挨拶」とかドヤ顔で言ってたけど、あの人はまた妙なこと吹き込んで…… 何故か憧は蹴られ、灼さんにはつねられた。穏乃と玄さんと宥さんも少し対応が冷たかった。解せぬ 宮守の人達とは初対面だが、みんないい人達ですぐに打ち解けることができた 特に、姉帯豊音さんがクールっぽいと思ったらかなり話しやすくてびっくりした なんか赤土先生にサインを頼み、それで気をよくしたのか赤土先生がかなり機嫌が良くなった 姉帯豊音さんとは特に仲良くなり、連絡先も交換した そうして全員で打った まぁみんなインハイ出場選手。俺は飛んだ 宮守の人達は少し申し訳なさそうだったが、永水のみんな、顔見知りだからって容赦ねーよ 途中、交代しながら休憩を取り、その都度準決勝をテレビで観戦した そんな感じで続けていると、準決勝が終わっていた 結果、勝ち上がったのは清澄と臨海。どっちにも、というか決勝の4校になにかしらの知り合いがいるのはどういうことだろう 準決勝が終わる頃、丁度いい時間になっていたので、そこで練習は終わった みんな、初めて会った人も明日は頑張れと言ってくれた 明日、決勝か……勝てるといいな 晴絵「決勝前日なのに2校も集まってくれたのはありがたかったね」 穏乃「はい。またいろんな人と打てて楽しかったですし!」 玄「特にインハイトップクラスのおもちの持ち主に会えたことが最高ですのだ!」 憧「玄はいいとして……あの永水の春って人……明らかに見せつけるように抱き着いてた気がするんだけど……」 灼「あぁ……なんかそんな感じはあった」 宥「親戚だって言ってたけど……向こうはそう思ってないっぽいよね」 憧「何よりあんなあっさり正面から抱き着いて……」 穏乃「京太郎、されるがままだったよね……」 晴絵「やってみたら?挨拶って」 灼「そ、そんなこと……恥ずかし」 8月★日 インハイ9日目、決勝だった ウチもすげー頑張ったと思う。でも、やっぱり白糸台はすごいわ 昨日1日で対策してきたのか、終始押されっぱなしだった 健闘はしたと思うが、結局最終結果は1位白糸台、2位が阿知賀、3位4位はほとんど差が無いという結果だった なんだろうな、準優勝でも充分頑張ったと思うしすごい結果だと思うけど、悔しがるみんなを見ると何も言えなかった 結局、年長者としての貫録か、赤土先生がなんとかみんなをまとめ、今日はみんなで飯を食べに行って終わった 咲や和、照さんからメールは来ていたが、ちょっと今日は返せなかった 明日からは個人戦、準優勝で終わったがそれでも充分な結果なので個人戦を見たり、観光したりしてから阿知賀に帰るらしい みんな落ち込んでいるだろうし、この数日で立ち直ってくれるといいんだがな 晴絵「あー……これはなー」 宥「うん……悔しかったなぁ……」 憧「みんな『準優勝とかすごい』って言うけど、やっぱどうせなら優勝したかったわよねー」 穏乃「うー、今だって悔しいー!!」 灼「うん……来年リベンジ」 玄「だね。諦めないよ!!」 8月▲日 今日から俺達阿知賀はフリーだが、個人戦1日目、知り合いの人達も何人か出ている みんなは和を応援すると言っていたが、俺は他にも知り合いがいたのでしばし別行動になった 別の会場に移動中、見覚えのあるショートヘアの人に声を掛けられた 千里山の園城寺怜さんだった。園城寺さんも俺を覚えていたらしい というか倒れたのは大丈夫かとも思ったが、本人曰く大丈夫だとか。それでセーラさんと清水谷さんの試合を見に来ていて、後輩とはぐれたらしい ちょうどセーラさんの試合を見に行くところだったので一緒に行った その試合はセーラさん、愛宕(貧)、清水谷さん、憩さんという大阪代表をまとめたような組み合わせだった というか分けてやれよ。途中でセーラさんと愛宕(貧)が色々言いながら打ってるからかなりやかましい試合になった 結果はトップが憩さん、あとはほぼ差が無いと言っていいくらいだった 試合が終わった後も愛宕(貧)さんがセーラさんと何か言い合っていたので、保存しておいた画像を送ろうとすると、隣にいた園城寺さんに止められた 「ちょーっと待ちや。おもろいことしてるやん。ウチも1枚噛ませてもらうで?」そう言って携帯を弄り、園城寺さんチョイスの画像を送った どうやら大阪で有名な店のたこ焼きやお好み焼きだったらしく、『誰や!?絶対大阪の奴が手ぇ貸したやろ!?』と今までで一番いい反応が返ってきた その反応をみて満足気な園城寺さん、今後もいい画像教えるということで連絡先を交換した ちょうど交換している時、セーラさんと清水谷さんが来た 愛宕(貧)への飯テロのことを教えると、清水谷さんも今回の仕返しをしたいとのことで、連絡先を交換して今後手伝ってくれることに おもち美女の連絡先ゲット!この感謝の気持ちはちゃんと愛宕(貧)にも伝えよう!画像多めで 昼にハンドルネーム打倒はやりんさんこと、真屋由暉子と会った ネト麻仲間全員と会えたことになったが、まさか全員インハイ出場者だったとは…… 向こうも俺が阿知賀の生徒と知って驚いていた。でも、元々ネト麻で打ち解けていたので、実際に会ってからもすぐに打ち解けれた なにより!穏乃と変わらない身長なのに和に負けないおもち!!これが素晴らしい!! 打倒はやりんってハンドルネームだったが、アイドルデビューしたら多いに応援するわ そのまま由暉子の先輩の試合を一緒に見て、連絡先を交換して別れた ちょうど阿知賀のみんなと合流しようと移動している時、和に会った 和も待ち合わせ場所は同じらしく、色々話しながら一緒に行った 俺が長野に居た頃の話になったが、本当にどこかで会っていてもおかしくないくらい近くに住んでいたと分かって驚いた たまたま学校が違っただけ、だ。それなのに会わず、インハイで再開なんて改めて考えてみてもすごいもんだ 和も「そういえば咲さんが小説みたいって言ってましたね……小説ならどちらかが優勝でしょうね」と少し悔しそうな顔で言った 事実は小説より奇なり、ってか。まぁその辺り抜きでも、今回は和と咲を他の人より応援してると言った 和は嬉しそうに「約束ですよ?」と言って笑っていた 和や咲も落ち込んでいるんだろうなー。他校の、しかも順位が上の学校の俺がどうこうできる話じゃないが、大丈夫かな せめて応援はしっかりやろう 玄「そーだよねー。和ちゃんだって落ち込んでるはずだし……」 晴絵「すぐに他人、しかも他校の生徒まで気遣えるのはいいところよねー」 穏乃「京太郎のいいとこですよね!」 灼「だからライバルも増える……」 憧「気付いたら増えてるって怖いわ」 宥「京太郎くんだってそんな節操なしな訳じゃ……う、うーん……」 8月◆日 個人戦2日目、今日も色々とすごかった 今日は永水の小蒔さんの試合があったので、みんなと別行動で見に行くと、霞さんに会った 春と巴さんは初美さんの試合に行っているらしい。ここで会ったのも何かの縁ということで、一緒に観戦することに 試合も見たし応援もしたけど、隣にトップクラスなおもちがあるのでテンション高くなったぜ しかしあのおもち……どうやったらあんな大きくなるんだろうか。同い年であろう人達を思い出し、人は平等じゃないと悟った その後霞さんと別れ、咲が出ている試合を見にいくと……対戦相手が照さん、愛宕(貧)、去年の個人戦3位という辻垣内さん、というとんでもないメンツだった なにこの頂上決戦的な組み合わせ。ちょっと愛宕(貧)が可哀想だった このメンツでボケたりしたらすごいが流石にそういう余裕も無かったようだった 咲も照さんも団体戦の時以上の様子だった 結果は照さんがトップ、しかし試合内容は凄かった 終わってから咲と照さんが何か話している様子だった。後で連絡しとくか そして愛宕(貧)が……燃え尽きてた。まぁあのメンツじゃなー 流石に放っておけなかったので、インハイ会場近くのからあげの出店を写メって送ると、すぐに出店まで来た メンタル強い人だな。からあげを幸せそうに頬張るのを見てそう思った。後、からあげを頬張った時の顔もしっかり写メっておいた 玄「あの霞さんと!!くぅ~、あのおもちは是非とも1回はこの手で!!」 憧「はい玄、危ない発言はやめときなさいね」 赤土「しっかし2日目のあの試合は凄かったな」 穏乃「なんか色々と他にも、想いとかそういうのも感じましたね」 宥「でも、終わった後、宮永さんどっちも笑ってたよね」 灼「うん、それは良かったと思う……でも人は平等じゃない……だよね」ペタペタ 玄「?どうしたの灼ちゃん?」 憧「黒糖なのかな……」 8月▼日 個人戦3日目、今日はみんなは午後から東京見物に出かけた 知り合いの試合は午前中に固まっていたからだった 俺はまだいくつか見たい試合があったので午後も会場にいた ある程度見終わった後、和に会った 和の試合も午前中で、午後は自由と言われていたらしい どこか行くかと話していると、赤土先生と良子さんに会った 和や赤土先生は俺が良子さんと知り合いということに驚いていた。そーいえば言ってなかったけど 2人も丁度暇だということで、4人で打つことに 結果は……うん、プロとプロ目指してる人とインターミドルチャンプ、飛ばなかった自分を褒めたい そのまま何故か3人による俺への麻雀指導になった からかっているからか、わざとらしく体を寄せてくる良子さんと、指導に熱が入っているからか、こちらは無意識に体を寄せる和 それを心底面白そうに見る赤土先生、教師なら止めようとか無かったのか 指導はかなり分かりやすく、ためになったから良かったけど 気付くと夕方になっていたので、和を清澄の宿泊施設に送った 帰り際、「今日はありがとうございました。明日の前にリラックスできました」と和がお礼を言ってきた これくらいお安い御用ってもんだ また打とうと言って俺はホテルに戻った 穏乃「自分だけ和と打ってたなんて京太郎ずるい!」 玄「何気に戒能プロとも……一体どれだけ知り合いがいるんだろうね」 憧「何気に良い目に合ってるし……というか晴絵?こんなことあったなんて聞いてないわよ?」 晴絵「いやぁ、美しい青春の1ページをペラペラ喋るのもアレじゃん?」 灼「ハルちゃん、なんか言い方が……」 宥「も、もうちょっと別の言い方じゃないと……なんというか」 憧「おばさんっぽいって言っちゃえば?」 晴絵「おば……憧、今度呼び出しね?」 憧「事実じゃない!」 8月×▼日 個人戦最終日 個人戦の優勝は照さんだった 終わってみれば白糸台と照さんの3連覇という結果、やっぱあの人すげーわ 咲や和もそれなりの結果だった。後でメールしよう 閉会式が終わった後、セーラさんが怜さんと竜華さんを連れて挨拶に来た セーラさんは憧にも打ってて楽しかった、大阪と奈良だし、そのうち合宿でもしてまた打とうと言っていた こっちとしてももちろんOKだし、憧もリベンジしたいとやる気だった 後、愛宕(貧)への飯テロも、今後続けていこうと3人と約束した。3人ともノリノリだった その後、奈良に帰るのは明日なので今日は打とう!という穏乃の提案の下、赤土先生も参加して全員で打つことに 個人戦見てやりたくなったんだろう、勿論俺も打った しばらく打った後、俺はちょっと抜けて、外に夜風に当たりに行った 1人になると改めて色々思い返すものだ 4月に阿知賀に来たこと、みんなと再開したこと、麻雀部に入部したこと 大会に出たこと、東京で色々な人と会ったり再会したこと、どれも大事なことだ ふと、背中を軽く叩かれ、振り返ると憧がいた 「1人でなにやってんの?」と言う憧、ちょっと色々考えていたと返す やっぱり、俺も勝ちたかった。勝って、個人戦だけどインハイに出たかった つい、ポツリと言ってしまった 憧は驚いた顔をしていたが、すぐに俺の背中を思いっきり叩き、「大丈夫。アンタも頑張ってるんだし、勝てるわよ」 そう笑って言ってくれる憧。やばかった。ちょっとテンション低めな状況であの笑顔、うっかり惚れるとこだった 俺も笑顔で憧にお礼を言った ありがとう。俺も、これから頑張っていく。そう言うと憧は少しぼーっとした後、すぐに後ろを向いてしまった それから早く戻るように言って、早足でホテルに戻っていった 俺、頑張ろう ここから頑張っていこう 晴絵「いやー、青春してるじゃない」 灼「ちゃっかり京太郎と2人きりだし」 穏乃「ですね。ところで憧、この時……アレ?なんでそんな顔真っ赤?」 憧「うー……実は……ちょっとこの時の京太郎が……なんていうか、すっごく良い笑顔で……」 玄「あぁ、この時に好きになったんだね」 憧「そ、そんなこと!…………ふきゅぅ……」 晴絵「それまでの積み重ねもあるけど、憧を笑顔で墜とすとは京太郎もやるわね」 宥「ど、どんな笑顔だったのかな」 8月○◆日 今日、阿知賀に帰ってきた 1日かけての移動だけどさー……また行きと同じようにサービスエリアで千里山に会うとかもう会った瞬間お互い笑うわ また同じようにみんなでパン食べて、記念にみんなで写真を撮った セーラさんの提案で『打倒愛宕の面白い方!!』というタイトルで愛宕(貧)に写メを送った それで千里山のみんなとは別れたが、またどこか思いもよらないところで会いそうだ 阿知賀に帰ると、大勢の人が出迎えてくれて驚いた 赤土先生が「私の時は無かったのに」とボソッと呟いたのは聞かなかったことにしよう 色んな人に「お疲れ様」「頑張ったよ!!」「充分すごいよ!!」と言われたり、俺だけ何故か野郎に叩かれたりしたが、帰ってきたんだな とりあえずは荷物等を学校に置いて今日は解散になった みんな、お疲れ様 穏乃「アレビックリしたよね。パン買いに行ったら園城寺さん達がいるんだから」 憧「ホント、偶然にしてもびっくりよね」 玄「みんなのお出迎えもすごかったよね」 宥「うん、また揉みくちゃにされた……」 灼「私なんて危うく胴上げされるとこだった……」 晴絵「良かったなー……なんで私の時とこうも差あるかなー……」 宥「き、気にしない方がいいですよ?」 8月△▲日 残り少ない夏休み 今日は松実館の臨時バイトに駆り出された やっぱりインハイの活躍からか、お客がかなり増えたらしい それに加え今日は団体客が入ったらしいので忙しかった 俺も色々やっていると、1人の女性客に声を掛けられた ちょっと外の店についてだったから俺でも分かる内容だった 紙に簡単な地図を書いたりして説明していたが、この女性客がどこかで見たことがある人だった 説明が終わって、少しじっと顔を見てみると、なんと瑞原はやりプロだった はやりん?と小声で呟くと、女性客、いや瑞原プロは驚いた顔をして 「バレちゃったかー。結構気付かれにくい恰好だったんだけどなー」そう笑う瑞原プロ 確かに髪型やメイクは大分変っていたようだが、そのおもちは見逃さないぜ 軽く話を聞くと、丁度オフで小旅行兼、赤土先生のスカウトで来ていたらしい 俺なんかにそこまで話していいのか聞くと 「君、阿知賀の生徒だよね?良子ちゃんから聞いてるよ☆」と言って、メモ帳の切れ端かなにかサインを書いてくれた そのままウィンクして部屋へと言った牌のお姉さん……テレビで見た時はちょっときついかもとか思ったけど、今日みたいな感じの方がいいかもなー 家に帰ってサインを見てみると、裏にアドレスと電話番号が書いてあった プロの連絡先をこんなあっさり教えていいのかと少し考えた 玄「お客さんが相当増えちゃって大変だったよねー」 宥「うん……それにしても瑞原プロが来てたなんてびっくりだね」 穏乃「お客さんの名簿とかで分からないんですか?」 憧「そこはプロなんだから、黙っていて欲しかったりするんでしょ」 灼「ところでスカウトって……」 晴絵「あぁ、あったあった。ま、スカウトってより遊びに来た感じだったよ。もうちょい頑張らないと駄目だしねー」 はやり「良子ちゃん良子ちゃん」 良子「なんですか?」 はやり「例の男の子、いい子だねー。メールとかしてて楽しいし、良い人柄が伝わってくるというかねー☆」 良子「イエス。自慢の弟分ですから」 はやり「弟、かー……ちょっと本気で狙っちゃおっかな……」 良子「ホワッツ!?」 はやり「ふふ、愛に年の差なんて関係ないよね☆」 良子「こ、これは……非常にバッドです……私も早く手を打たねば」 8月□★日 今日はみんなとプールに行った 前にも見たが水着姿は何度見てもすばらっ!! 未知のおもちを求めるのもいいが、改めて見ても阿知賀のみんなもレベル高いよなー 眼福眼福 途中、なかなかのおもちの女性客が何人も来た つい、俺と玄さんはそっちに目がいってしまった こっそりプールに入ってゆっくり観察しようと思ったが、そこで玄さんが足をつってしまった おもちに気を取られすぎていたからだろう、慌てて俺が助けた ちょっと溺れかけてかなり慌てていたので、無理矢理後ろから抱きかかえるようにしてプールから引き上げた 特に大事は無かったが、安静のため、ということで玄さんはプールから出ることに ただ、足をつって歩きづらそうにしていたので、更衣室近くまで抱えていった おもちのためにまだプールに居たいと言い張るのを、無理矢理抱き上げたからか、かなり大人しくしていた その後も反省したのか玄さんはやけに大人しかった 話しかけても、恥ずかしさからか赤くなって黙ってしまった まぁ、これでおもちを見ても冷静であってくれるならいいな 憧「あったわねー、玄が溺れかけたの」 宥「胸ばっかり見てちゃだめだよー?」 灼「でも、京太郎がすぐに玄を抱き上げたのもすごかった」 穏乃「ですよね。こう、ひょいっ、って玄さんをお姫様抱っこして運んで」 玄「あぅぅ……」 晴絵「玄ー?真っ赤だけど、まさかこの時に……」 憧「あー、水着でお姫様抱っこだもんねー」 灼「確かにあの時かっこよかったし……」 宥「玄ちゃん、落ちちゃったんだね」 玄「だって、京太郎くんがあんなに近くで……ちょっと強引だったし……」 憧「言い方言い方」 穏乃「憧に玄さん……次は誰だろうなー」
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前話 次話 1回戦終了後、夜 京太郎「ふう、頼まれたものはこれくらいか」 京太郎「それにしてもすごかったなー、部長で終わらせるなんて」 京太郎「この店で少し休憩したらなんか買って行くかな」 ガチャ 洋榎「おかん!そこを、そこをなんとか!!」 雅枝「駄目に決まっとるやろ!それよか明日の試合のためにミーティングせなあかんのや!はよ手ぇ離し!」 洋榎「浩子にまかしとけばええって!」 絹恵「お姉ちゃん、諦めや。おかんの言う通り忘れたんが悪いって」 洋榎「絹まで言うんか!ええんか?明日うちが調子が出んで負けてもええんか!?」 雅枝「あんたはなんだかんだで勝つわ」 絹恵「大会始まってからマイナスで終わってないし」 洋榎「いやーそれほどでも……ってちゃうわ!」 雅枝「ほななー。あんまめったなことは言えんけど次も頑張りーや」 絹恵「うん。浩子ちゃんによろしくなー」 洋榎「おかーん!……娘無視してタクシーで行くなんて酷いわ」 絹恵「お姉ちゃん騒ぎすぎやって。ほら、あそこの人なんてこっち見とる、し……」 洋榎「なんや?この愛宕洋榎になんか用で、も……」 京太郎「あー、えっとですね。も少し静かにした方がいいですよ?」 洋榎・絹恵「Kちゃん!?」 京太郎「……いい加減慣れてきたな」 説明中 京太郎「という訳で俺が清澄高校1年生の須賀京太郎です」 洋榎「うちは姫松高校3年で主将、エースで中堅の愛宕洋榎や!」 絹恵「その妹で2年の愛宕絹恵です」 京太郎「じゃあさっき話してた人は」 洋榎「うちらのおかん。で、千里山で監督やってる洋榎雅枝や」 絹恵「千里山は分かる?」 京太郎「たしかAブロックで、全国2位でしたよね」 洋榎「まーうちが優勝するんやけどな!」 京太郎「いやいや、清澄も負けませんよ?」 絹恵「まーまー、2人とも今は言いっこなしやで」 洋榎「しゃーないなー。それで、須賀くんはなんでここにおるん?」 京太郎「買い出しの帰りですよ。ちょっと休憩しようと思いまして」 絹恵「確か、清澄は部員少ないんやろ?率先してやってるん?」 京太郎「まあ、他が大会出てる5人ですし、俺初心者ですからねー」 洋榎「むう、Kちゃんにこんなことさせるなんて……面白い奴やったけど、明日は痛い目みせたらなアカンね」 京太郎「部長と知り合いなんですか?」 洋榎「抽選の時になー」 絹恵「ああ、話してたね」 京太郎「そういえば入ってくるときなんか言い合いしてましたけど、なんだったんですか?」 洋榎「ああ。アレなー、おかんのせいやねん」 絹恵「お姉ちゃんのせいやから」 洋榎「ちょーっと用事のためにこずかいの追加を頼んだら駄目の一点張り。挙句に娘無視してタクシーで帰ったわ」 京太郎「ほうほう。で、こずかい追加を頼んだ理由は?」 洋榎「大阪に忘れ物取りに行きたかった」 京太郎「いや駄目でしょう」 洋榎「なんでや!」 京太郎「いくらかかると思ってるんですか。それに大会始まってるのに主将が帰るって駄目ですよ」 絹恵「その通りやでー」 洋榎「ぐぬぬ」 京太郎「それにそんな大事なものなんですか?大会始まってから少し経ってますし、本当に必要なものじゃ無い限り無理ですよ」 洋榎「大事なものやで!それは…」 絹恵「ちょっとお姉ちゃん!」 洋榎「なんや?いきなり遮って」 絹恵「本人にKちゃん忘れて大阪まで取り帰り行きたいて言うん?恥ずかしない?」小声 洋榎「……そうやん。あっぶなー、めっちゃ恥ずかしいこと言うとこやったで」小声 京太郎「あのー?」 洋榎「あ、大丈夫や!作戦タイムな?」 京太郎「なんの作戦ですか?」 絹恵「とにかく忘れた云々は適当に流そ?」小声 洋榎「分かったわ」小声 洋榎「よし!」 京太郎「あ、もういいんですか?」 洋榎「大丈夫やで!」 京太郎「で、大事なものってなんですか?」 洋榎「Kちゃんや!」 絹恵「……お姉ちゃん」 洋榎「……あ」 洋榎「ちゃ、ちゃうんやで?これは、そのな?」 京太郎「……なるほど」 絹恵「あー、その、ね?お姉ちゃんは」 京太郎「大阪でも人気なんですね、ぬいぐるみ」 洋榎・絹恵「へ?」 京太郎「へ?」 絹恵「……それだけ?」 京太郎「何がですか?」 洋榎「何がって……女子高生が自分のぬいぐるみ持ってて大事にしてます言われてそれだけの反応なん!?」 京太郎「?いや、人気なだけでしょう?」 絹恵「……この人相当鈍いんと違う?」 洋榎「そうみたいやね……清澄はやっぱ油断ならんわ」 京太郎「でも大会に必要ですか?そりゃうちの和はぬいぐるみ抱いて打ってますけど」 絹恵「必要ってか、今日の試合でやってた人いたやん?やからやってみたいって感じやね」 洋榎「調子上がるかもしれんやん?」 京太郎「そんなことしなくても元々強いでしょう?」 洋榎「まー、そーなんやけど」 絹恵「さすがお姉ちゃん」 京太郎「次に当たるだろうから調べましたけど、ここまでマイナス無しってすごいじゃないですか。そんなことに頼らなくても大丈夫ですって」 洋榎「……言いすぎやない?」 京太郎「事実じゃないですか」 洋榎「……面と向かって言われるとさすがに照れるわ」 絹恵「いいなー。私もはよお姉ちゃんみたいになりたいわー」 京太郎「絹恵さんも副将任されてるんですから強いでしょう?」 絹恵「そんな、お姉ちゃんと比べたらまだまだやって」 京太郎「初心者の俺にとっては、大会出てるって時点ですごいですよ」 絹恵「……えへへ。そんなに言われると嬉しいわ」 洋榎「む……そんなに褒めても絹はやらへんで?」 京太郎「そんなつもりないですよ。俺なんかにはもったいないですって」 絹恵「……そんなことないけどね」 洋榎「……自分がどんなもんかっちゅうのを知らんの?」 京太郎「え?初心者ですよ?」 洋榎「……ええわ」 京太郎「おっと、もうこんな時間に。そろそろ帰りますね」 洋榎「せやね。うちらも帰るわ」 京太郎「ぬいぐるみはいいんですか?」 洋榎「本人に会っといて今さらぬいぐるみどうこう言うんがアホらしくなったわ」 絹恵「せやね。あ、アドレス教えてくれへん?次は敵やけど、これもなんかの縁やし」 京太郎「いいですよー。洋榎さんもどうですか?」 洋榎「当然やね……よし」 絹恵「メールしてなー」 洋榎「清澄の情報とかな」 京太郎「じゃあ洋榎さんの弱点教えてください」 洋榎「……負けへんことやな!」ドヤァ 京太郎「言い切ったよこの人すげえ」 絹恵「お姉ちゃん……」 洋榎「……冗談やで?」 京太郎「冗談になってない成績ですしね」 絹恵「多分結構な人が納得するで?」 洋榎「うちのボケが完全に殺されたやと!?」 京太郎「あ、それじゃまた」 絹恵「うん、気付けてなー」 洋榎「そして無視するん!?」 京太郎「洋榎さんもまた。うちは負けませんからね?」 洋榎「……それはうちもや。覚悟しときや」 絹恵「メール、楽しみにしとるでー」 洋榎「予想以上やったな、Kちゃん」 絹恵「うん。アレは見た目以外でも人気出るね」 洋榎「……本人が強いって言ってくれたんや。ぬいぐるみ無しでも勝つで」 絹恵「うん!私も負けへんよ!!」 朝 京太郎「東京は空気が悪いって聞くが、慣れればどうってことないな」 京太郎「朝のすっきりした感じは変わらないし」 京太郎「お、こんなとこにラーメン屋が」 ダヴァン「ここデス!朝食べるのにちょうどいいラーメンは!」 ネリー「またラーメン?ネリー飽きたよー」 明華「というかここ開いてませんよ」 ダヴァン「ワッツ!?なぜラーメン大国日本でラーメン屋が開いてないのです!?」 明華「またハオが微妙な顔しそうなことを……」 ネリー「諦めようよー。ネリーおなかすいたし別のとこで食べようよー」 ダヴァン「私の体がラーメンを欲している……」 明華「カップラーメンは?」 ダヴァン「昨日尽きました。ここいらじゃ安いとこすら無いデス」 ネリー「コンビニでいーじゃん」 ダヴァン「コンビニのラーメン1つでスーパーのラーメン2つ買えるんデスヨ!」 明華「諦めましょう」 ダヴァン「ラーメン……」 ネリー「スーパー開いて無いし、諦めよ?ほら、吉○屋とか開いてるし」 ダヴァン「ラーメン……」 明華「聞いてないですね」 京太郎「…………」 京太郎(なんだこの面白外人集団は) 京太郎(そんなにラーメン食べたいのか?) 京太郎「……仕方ない」 京太郎「あのー、すいません」 ダヴァン「なんですか?私は今ラーメンが食べられない悲しみに包まれていマス。遺憾の意デス」 京太郎「よかったら、カップ麺でよければ譲りますよ?」 ダヴァン「……Really!?」ズイッ 京太郎「……い、いえす」 ネリー「ダヴァン日本語忘れてるよー」 明華「……この人は」 公園 ダヴァン「…………」ソワソワ 京太郎「お待たせしました。カップ○ードルでいいんですよね」 ダヴァン「お、おおう……ありがとう、ありがとう!私、今日本人の優しさに感動していマス!!」 ネリー「大げさな……」 京太郎「あ、ラーメン待ってるついでにタコス作ったんでどうぞ」 明華「私達に?」 ネリー「いいの?ネリー達初対面だよ?」 京太郎「俺の分作ったついでですよ。それにご飯は誰かと食べた方がおいしいですし」 明華「それじゃあ、いただきます」 ネリー「あむ……なにこれおいしい」 明華「本当においしい……タコスなのにあっさり食べれます」 京太郎「朝なんであっさり風味にしてみました」 ネリー「これをラーメン待つついでに?……日本人すごい」 明華「ええ。でも、どうしてここまでしてくれるんです?」 ダヴァン「ラーメンだからデス!」 明華「ラーメン狂いは静かにラーメン啜っててください」 京太郎「どうしてって言われても……なんか困ってたみたいですし」 ネリー「……それだけで?」 京太郎「大したことやった訳でもありませんしね。買い置きのカップ麺と作り置きのタコスごちそうしただけですから」 明華「……充分大したことやってるじゃないですか」 京太郎「?」 ネリー「……やっぱり日本ってすごいねー」 明華「ええ……なんでアメリカに負けたんでしょうか。そこの見てるとつくづく考えてしまいます」 ダヴァン「なんデスカ?ラーメンはあげませんヨ?」 明華「いりませんから」 京太郎「皆さん別々の出身なんですか?」 明華「自己紹介がまだでしたね。臨海女子高校麻雀部で2年生の雀明華(チェー・ミョンファ)です。フランス出身です」 ネリー「同じく臨海女子高校麻雀部1年生のネリー・ヴィルサラーゼ。サカルトヴェロ出身だよ」 ダヴァン「……あ、私?3年生のメガン・ダヴァン。ラーメンを愛するアメリカ人デス」 京太郎「……臨海?まさかあの!?」 明華「そうですよ?Kちゃん?」 ネリー「え?似てると思ってたけど本人だったの!?」 ダヴァン「ん?Kちゃんラーメン?」 京太郎「ラーメンじゃないです。知ってたんなら言いますね。清澄高校1年生の須賀京太郎です。Kちゃんのモデルでもあります」 明華「実は最初に見た時から察してはいました」ドヤァ ネリー「すごいすごい!写真とかいい?」 京太郎「あ、はい」 ネリー「ダヴァン!ラーメン食べてないでシャッター押してよ!」 ダヴァン「ん、はい食べ終わりましたしいいデスヨ」 京太郎「……あのぬいぐるみ、まさか世界レベルで人気あるんですか?」 明華「日本でしか売ってませんし……世界進出でも考えてみます?」 京太郎「冗談でしょう」 ダヴァン「はいチーズ」パシャ ネリー「わーい」 ダヴァン「あ、京太郎くん。連絡先とか教えてもらえませんか?」 京太郎「いいですよ」 ダヴァン「どうも……このラーメンのお礼に今度とっておきのラーメンを紹介シマス」 ネリー「あ、ネリーもネリーも。タコスのお礼したい」 明華「じゃ、私もお願いしますね」 京太郎「はい、いいですよ。でも、本当に大したことじゃないんですからお礼なんて」 ダヴァン「ノーノー。私達本当に嬉しかった」 ネリー「だからお礼は絶対するよ」 明華「あなたがいらないって言っても、やりますよ。そうですね、大したことじゃないですし」 京太郎「……分かりました。楽しみにしておきます」 明華「よろしいです」 ダヴァン「でも清澄ですかー。順調にいけば準決勝デスネ」 ネリー「ネリー楽しみになってきたよ!」 ダヴァン「あの龍門渕に勝った高校ですしね。油断できない強敵デス」 明華「試合では本気でいきますからね?」 京太郎「もちろんですよ。むしろそうじゃなきゃ困ります」 明華「ふふふ。あなたはやっぱり素敵な人ですね」 ネリー「うんうん。ここまでの人は初めてだねー」 ダヴァン「ラーメンを恵んでくれるなんて過去トップレベルで良い人デス!」 京太郎「そんなことないですって」 ダヴァン「あ、そろそろ行かないと」 ネリー「もうそんな時間?残念ー」 明華「まあまあ。準決勝で会えるんでしょう?」 京太郎「ええ。俺自身は打てませんが、あいつらはやってくれます」 ダヴァン「では、また会いまショウ」 ネリー「まったねー」 明華「楽しみにしてますね」 明華「いい人でしたね……監督が引きぬいてきてくれませんかね」 ネリー「それだ!」 ダヴァン「うち、女子高デショ」 昼 京太郎「さて、みんな練習してるし邪魔しちゃいけないよな」 京太郎「……ここまでレベルが違うと、さすがにへこむな」 京太郎「……考え込むのは止めとこう。それより昼飯だ」 京太郎「どうすっかな……とりあえずタコス以外で、ん?」 「……うん……それでな」本片手に電話中 京太郎「本読みながら電話って、前見えてないんじゃ、っておい信号赤だ!」 「……いやいや……そうやでー」 京太郎「気付いてないのか……ちょっとごめんなさい!!」 「……え?」 キキーッ!! 憩「ホンマごめんなーぁ」 京太郎「いや、無事だったんならよかったですよ」 憩「君がとっさに来てくれんかったら、うちは今頃どうなっとったか分らんよ?だから、怪我の手当てぐらいさせてな」 京太郎「かすり傷ですって」 憩「ほほう。とっさにうちを押し倒し、腕の中に押し込めて転がって、車と接触しといてかすり傷?」 京太郎「…………」 憩「ほら、結構体打ったやろ。うちのホテルすぐそこやから」 京太郎「……分かりました」 憩「うちは荒川憩。三箇牧高校の2年生や」 京太郎「須賀京太郎です。清澄高校の1年生です」 憩「あ、ここや。ついてきてな」 ホテル 京太郎「とりあえず1人部屋に残されたが、個人部屋?応援、を1人でってことは無いだろうし…」 憩「おまたせー」 京太郎「何をしてたんです、か……」 憩「ん?何ーぃ?」 京太郎「なんでナース服なんですか!?」 憩「え、治療すんならナース服やろ?どっかおかしい?」 京太郎「おかし……くないですはい。ナース服ですね」 憩「せやろ?あ、上脱いでな」 京太郎「はい」 京太郎(ナース服……アリだな!!) 憩「おー、結構鍛えとるやん」 京太郎「そうですかねー」 憩「うんうん。でも、それなりに打っとるね。ちょっとしみるでー」 京太郎「あ、つつっ」 憩「ところで、清澄高校って長野代表やろ?」 京太郎「そうですよ。俺も一応部員ですけど」 憩「あそこの宮永咲って、宮永照の親戚かなんかなん?」 京太郎「実の姉妹ですよ」 憩「そうなん?宮永照もヒトじゃないような強さやったのに、その妹もいるんか。怖いわーぁ」 京太郎「打ったことあるんですか?宮永照さんと」 憩「去年の個人戦やけどね。ちなみに今年も個人戦で出場してるで」 京太郎「ああ、どうりでホテルが個人部屋なんですね。それで、去年の成績はどうだったんですか?」 憩「宮永照に負けてもうてね。2位やったわ」 京太郎「……はい?」 憩「はい、背中終わり!」バシッ 京太郎「いってぇ!!」 憩「じゃー次は」 ドンドンドン! 憩「ん?誰やろ」 ガチャ やえ「憩!!大丈夫か!?」 憩「やえさん?どないしたんですか?」 やえ「どうもこうも、電話中にいきなりブレーキ音やら何やらが聞こえた挙句、その後は連絡がとれないんだ!心配するだろう!!」 憩「あ……すんません、忘れてました」 やえ「忘れてたって……いや、無事だからいい」 憩「まあ、上がってください。今、ちょっと治療中ですけど」 やえ「治療って一体誰の……」 京太郎(上半身裸)「あ、どうも」 やえ「…………」 憩「大丈夫ですよね?奈良の王者はこんなことじゃ動じませんよね?」 やえ「と、とと当然だな!ニワカ共と違うんだよ王者は!!」顔真っ赤 京太郎(顔真っ赤でプルプルしてるけど我慢してるって感じだなぁ) やえ「私は晩成高校3年生の小走やえだ」 憩「奈良個人1位の王者やで。去年ちょっと知り合ってからの仲や」治療完了 京太郎「奈良、って言うと団体は阿知賀が」服着る 憩「へえ、知っとるん?」 京太郎「おもちしま……松実さん姉妹と部長の灼さんとはこの前会ったんです」 やえ「ああ、松実の妹の方か。あのドラ爆は初見の事前知識無しじゃどうしようもないからな」 憩「でもやえさん結構稼いでたやないですか。見ましたよ?ドラが来ないのを誰よりも早く理解して打ってたの」 やえ「王者ならできて当然だ。いつまでも呆けているニワカとは違う」 京太郎「やっぱりお二人ともすごいんですねー」 やえ「何、まだまだだよ。慢心していては足元を救われるし、上には上がいる」 憩「うちも全国2位なんて言うけど、宮永照にはやられたしなー」 やえ「満足せず自分を磨き続けることが大事だ。そこに初心者も王者も無いのだよ」 京太郎「……すげえ一番背低いのに先輩っぽい」 やえ「コラ!私は3年生だ!!」 憩「まあまあ」ナデナデ やえ「さりげなく頭撫でるな!続けていいがな!!」 京太郎「いやでもいい話聞きました。ありがとうございます小走さん!」 やえ「う、うむ。よしアドレスを教えてやろう。『王者』で登録するといい」 憩「ちなみに私は『ニワカ』で登録しとる」 やえ「憩ー!!」 京太郎「じゃ、荒川さんのも」 憩「はいはーい。でも『憩ちゃん』って呼んでもええんやで?」 やえ「お前最近阿知賀から『ナースの人』って呼ばれてたぞ」 京太郎「結構話し込んでしまいましたね」 憩「別にええでー。お昼も皆で食べれたし」 やえ「うむ。やはり大勢で食べるといいな。普段から私の周りには人は多いが」 京太郎「そろそろ時間ですから、俺行きますね」 憩「名残惜しいなー。遊び行ってええ?」 やえ「清澄にも個人出場の選手はいるんだぞ?むやみに行くのは避けた方がいいだろう」 京太郎「すいません、荒川さん」 憩「仕方ないなーぁ。ま、ええわ。京太郎くん、今日は助けてくれてホンマありがとな」 京太郎「アレくらいいいですよ」 憩「いや、君はうちの恩人や。またお礼はするからな」 やえ「うむ。受けた恩はしっかり返すべきだ。借りっぱなしはいかんからな」 京太郎「小走さん」 やえ「君も色々あるだろうが、困ったり悩んだりしたらいつでも連絡していいぞ。この王者が助けよう」 やえ「君が、私の大切な友人を助けてくれたようにな」 京太郎「……ありがとうございます。」 憩「ほな、またなー」 やえ「応援してるぞー」 憩「……やえさん。彼ってやっぱり」 やえ「Kちゃん本人、だな」 憩「外見だけでなく中身までイケメンって……すごいなーぁ」 やえ「ああ……しかし、本当にぬいぐるみより先に本人に会ってしまった……」 憩「残念ですか?」 やえ「むしろ良い」 夜 「いらっしゃいませー」 京太郎「東京のコンビニはすげーなー」 京太郎「なんでこんなに商品あるんだ。うちのとこなんて9時に閉まってたぞ」 京太郎「ん?珍しいものあるな……買っとくか」 「ありがとうございましたー」 京太郎「さて、帰ってアイスでも……ん?」 春「……もうダメ……大会も戦えない」 初美「しっかりするですよー。大丈夫ですー」 春「……鹿児島帰る」 初美「いや駄目ですから」 京太郎「……巫女さん?そういや開会式にもいたな」 春「今の私は北家でなにもできないはっちゃんか眼鏡がない巴さんか眠れない姫様か胸がない霞さん……」 初美「色々と酷いですー!!」 春「……ああ」フラッ 京太郎「なんなんだ……おっと」ガシッ 初美「あ!すいませんー、うちのはるるが」 京太郎「いや、いいですけど……大丈夫なんですか?」 春「ううっ……ん?あなた」 京太郎「え?はい」 春「その袋の中のそれは……」 京太郎「黒糖ですが……そこのコンビニで鹿児島直送限定商品ってあったんで」 春「……神よ」パァァァァ 京太郎「うおっ、なにこの笑顔!ものっそい笑顔!!」 春「……ちょっと行ってくる」ダッシュ 京太郎「……な、なんだ?」 初美「あー、とりあえずありがとうですー」 公園 春「…………」ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ 京太郎「なんでスゴイ勢いで黒糖食ってるんですか。そしてすごい良い笑顔で」 春「ん?」ニッコリ 初美「はるるは黒糖が無いと駄目なんですよー」 京太郎「なんかあやしい薬みたいになってますけど……まあうちにも似たようなのがいるか」 京太郎(あいつの場合タコスだがな) 初美「とにかく黒糖のことを教えてくれて感謝ですー」 春「ありがとう……これはお礼」 京太郎「黒糖3袋……いや、自分の分なくなるんじゃないんですか?」 春「大丈夫……あそこの店長と交渉して買占めから販売ルートの確保までやってきた」 京太郎「あの短時間で!?」 春「ふっ……東京の黒糖は私のもの」 初美「遅くなりましたけど私達は永水女子の者ですー」 春「私が1年生の滝見春」 京太郎「あ、俺は清澄高校1年の須賀京太郎です」 初美「私は薄墨初美ですー。3年生です」 京太郎「……え?」 春「残念ながら……事実」 初美「ちょっとなんですかそれ。あと残念な事実ってなんですかー」 京太郎「あー、いや、大丈夫です。似たような人知ってますから、はい」 春「もっとちっちゃいの?」 京太郎「んー、どうですかね。あ、でもその人は2年生です」 初美「それはいいですー。これから伸びるんですー」 春「…………」ポン 初美「な、なんで肩に手置くんですかー」 京太郎「…………」ナデナデ 初美「なんで頭撫でるですかー!年下のくせにー!」 春「それはそうと、清澄って、あの?」 京太郎「……あの?」 春「……次、私達と当たる」 京太郎「ああ、そうですね。でも、俺は出ませんし、いくら対戦相手だからってここでまでピリピリする必要はないですよ」 春「……それもそう。それと、同じ学年」 京太郎「?」 春「……春でいい。敬語もいらない」 京太郎「あー……分かった。俺も京太郎でいいぜ」 春「……ん」ニコッ 初美「……で、いつまで頭撫でてるですかー!」 京太郎「あ、すいません。つい小さいから」 初美「うがー!」 京太郎「そんなふうにしないでくださいよ。可愛いのに台無しですよ」 初美「む……そんなことじゃごまかされないですー」 春「すごい嬉しそうだけど」 初美「そんなことないですよー♪」 春「……喜ぶのはいいから色々としまって。霊的なのも出てきてる」 初美「はっ!」シュポンッ 京太郎「え、アレ本物!?」 初美「ふう……危ないとこでした」 春「もしあのままだったら……恐ろしい」 京太郎「うわー、すげー気になる!」 初美「知らない方がいいですよー」 春「こないだの人はうっかり人形に……」 京太郎「怖っ!」 初美「……いや、でも人形にして連れてっても怒られるですよねー」 春「一晩くらいなら……」 京太郎「怖い相談は止めて下さいよ」 初美「仕方ないですー。やめとくですー」 春「ん……京太郎がKちゃん?」 京太郎「唐突だな……そうだ、俺があのぬいぐるみのモデルだ」 初美「やっぱりでしたかー」 春「……一緒に写真いい?」 京太郎「へ?ああ、別にいいぞ」 初美「じゃ、私が撮るんで次お願いしますねー」 春「ん」ギュ 京太郎「……寄りすぎじゃね?」 春「……いい。それとも大きい胸は嫌い?」 京太郎「大好きだ」キリッ 初美「……はい撮るでーす」 パシャ 春「……じゃ、次」 初美「とーうっ」ピョン 京太郎「なんで背中乗ってるんですか」 初美「イエーイ、どうですー?」 春「…………」 パシャ 初美「いきなりは酷いですよー!?」 春「……計画通り」 京太郎「春……恐ろしい子!」 春「……まあ、Kちゃんと写真撮りたかっただけだからいいけど」 初美「いいんだ!?」 春「ぬいぐるみ、大事にしてる」 京太郎「ああ、ありがとうな。春みたいな子に大事にされてうれしいぜ」 春「……私だけじゃない、色んな人が大事にしてるから」 初美「私もですよー」 春「京太郎はそれに見合う人だった。それが嬉しい」ニコッ 京太郎「……そう言われると照れるな」 初美「おっと、そろそろ帰らないと心配されるですよー」 京太郎「じゃあ、途中まで送りますよ」 春「……すぐそばだけど」 京太郎「だからって女の子2人をそのまま返せないんだよ」 春「……お願いする」 初美「ですー」 春「やっぱり京太郎は良い人」 初美「ですねー」 初美「ただいまですー」 春「……ただいま」 巴「おかえりなさい」 霞「黒糖買えた?」 春「ばっちり」 小蒔「良かったです」 初美「あ、Kちゃんに会いましたー」 小蒔「え!?どこですか!?」 春「送ってもらった……もう帰ったけど」 霞「あらあら、次に会ったらお礼言わないと」 小蒔「そうです!次は私が会いますね!!」 春「……次も会いたい」 朝 実況「さあ、インターハイも2回戦!シード校も現れますます激しくなっていきます!」 解説「今日の試合ではシードの永水と強豪姫松も当たりますからね。どんな試合になることやら」 実況「今日の試合は上位2校が勝ち抜けとなっていますが、やはり永水と姫松でしょうか」 解説「分かりませんよ?もう2校の清澄と宮守は初出場校ですが、ここまで勝ち抜いてきた確かな実力があるでしょう」 解説「強豪だから、シードだからといっても何が起こるか分からないのがインターハイですからね」 解説「私的な意見ですが、この2校は他とはまた違う強さがあると思いますね。油断したら一気に持って行かれそうです」 実況「なるほど。目が離せない試合になりそうですね!」 放送「先鋒の選手は、速やかに…」 優希「……来たか!」ガタッ 京太郎「……そのマント、本当に着ていくのか?」 和「そうですね。あんまり恥ずかしい格好はどうかと思いますよ?」 5人「…………」 和「……なんで私を見るんですか?」 優希「だってなー?」 咲「えーっと……」 まこ「うーん、正論なんじゃがなー」 久「エトペン持ち込みの和が言うのはね……」 京太郎「恥ずかしくなるようなものがなぁ……」 和「い、いいじゃないですか!1回戦ではぬいぐるみ持ち込みの選手が他にいましたよ!」 和「それと、須賀君はどこを見ながら言ってるんですか!!」 優希「和ちゃんは私服も個性的だからな!」 和「アレは私の趣味です!!」 咲「あはは……で、京ちゃんはいつまで見てるの?」 京太郎「……はっ!目が勝手に!?」 まこ「お前という奴は……」 久「須賀君らしいじゃない」 京太郎「俺らしさ……つまり誇っていいんですね!?」 久「だからといって和の胸を凝視するのは止めなさい」 京太郎「はい……」 優希「そんなに落ち込むな。ほら、私のを見せてやろう」 京太郎「……?どこに胸が?」 優希「オラッ!!」飛び蹴り 京太郎「あだっ!!」 まこ「今のは擁護できんわ。素直に受けえ」 咲「京ちゃんサイテー」 和「全くです」 久「そうねー……事実だけど」 優希「……セイッ!!」蹴り 京太郎「いでっ!!今のは俺じゃねえだろ!?」 優希「乙女の怒り、黙って受け止めるのが男だじぇ」 京太郎「お前はタコスだろ」 優希「おお、そうだった」 まこ「漫才もそれくらいにしてさっさと行かんかい」 和「遅れますよ」 優希「分かったじぇ。では、稼いでくるじぇ!」 咲「頑張ってね」 久「優希、周りは気にせずあなたの麻雀をやってきなさい」 京太郎「頑張れよー。後半用のタコス用意して待っててるからな」 優希「おう!!清澄高校の先鋒!片岡優希!行ってくるじぇ!!」 白望「……ダルイから休んでていい?」 塞「今から出番でしょう!?」 胡桃「しゃんとする!!」 エイスリン「ン!!」旗振ってる絵 白望「……応援?」 豊音「おー、上手いよー!」 塞「ほら!立って立って!」 白望「……おぶって」 胡桃「そんなにダルイならKちゃん持っていく?1回戦でいたでしょ?」 豊音「それいいねー。私が持っていっていい?」 エイスリン「ワタシ!」 トシ「色々言ってるようだけどそろそろ時間だよ」 トシ「行っといで。あんたならいけるよ」 白望「……ダルイけど、少し頑張ってくる」 トシ「ぬいぐるみは置いていきなよ」 白望「……駄目?」 塞「シロがそんなこと言うなんて……」 胡桃「Kちゃんの効果!?」 豊音「ちょーすごいよー!」 エイスリン「ハイ!」ハートを射る矢の絵 白望「………行ってくる」 洋榎「えーか?こう、がーっときたらばーっといってがっっといくんやで?」 漫「すいません、なにひとつ分かりません」 洋榎「しゃーないなー。やからこう、がーっと…」 絹恵「お姉ちゃん、それで分かるんオカンぐらいやで?私だって分からへんもん」 洋榎「なんやて!?……やったらもっと分かりやすくいこか。……こう、ずばばっと」 恭子「主将はもうええですから。ええか漫ちゃん、まずは清澄や。アレは最初から仕掛けてくるから、気をつけるんやで?」 由子「それから永水の神代なのよー」 漫「なんか……改めてとんでもないとこにいるん実感しますわ」 恭子「大丈夫や。漫ちゃんなら、そこで上手くやれるで」 漫「末原先輩……」 郁乃「不安ならKちゃん持ってったらどう~?」 恭子「代行……」 郁乃「1回戦で持ち込んだ人おったんやろ~?反則にはならへんで~?」 洋榎「くぅ……うちが持ってきてないからてそういうやなんて……酷いわ!この鬼コーチ!!」 郁乃「あはは~。忘れたんが悪いんやで~」 洋榎「ぐぐぐ……やっぱオカンに金貸してもろうて取ってくれば……」 絹恵「今から行く気!?アカンよ!?」 洋榎「大丈夫や!試合ギリギリになってかっこよく戻ってくるんや!!」 由子「物理的に無理なのよー」 洋榎「むむむ……漫ちゃん!うちに構わず持っていくんや!!」 漫「うち!?そもそも持っていきませんよ!?」 洋榎「ここはまかせや!!」 恭子「……そろそろホンマに遅刻になるんではよ行きや」 漫「あ、はい」 郁乃「で、持っていくん?」 漫「……私は」 小蒔「いよいよですね」 霞「ええ」 初美「ですー」 春「…………」ポリポリ 巴「はい」 小蒔「ここからはどんな相手でも手は抜けません。気を引き締めて行って参ります!」 初美「姫様ファイトですー」 春「……頑張って」 巴「リラックスしていってくださいね」 霞「……うん、そうね。姫様の言う通りなんだけど」 霞「その手のKちゃんぬいぐるみは置いていきましょうか、小蒔ちゃん」 小蒔「……霞ちゃ~ん」 初美「いきなりびしっっと決めたと思ったらこれですかー」 春「……様になってた」 小蒔「本当ですか!?」 巴「ぬいぐるみさえなければ、ですけどね」 小蒔「……くすん」 霞「じゃ、ぬいぐるみは置いて行きましょうね」 小蒔「そ、そんな……」 霞「さすがに神様にぬいぐるみ持たせる訳にもいかないし、何より他の人達も真面目にやってるのにぬいぐるも持ち込むの?」 小蒔「だ、だけど持ち込んでる人いましたよ?」 霞「持ち込んでない人が勝ってたわよ?」 小蒔「ううっ……」 春「……代わりに私が持っていく」 初美「じゃ、私もいきますー」 巴「じゃあ私もいきます」 小蒔「じゃ、じゃあ私も!」 霞「…………」 4人「…………」 霞「それでも駄目よ?」 小蒔「あう……」 初美「乗ってきませんでしたかー」 春「……強敵」 巴「まー、普通は無理ですよね」 小蒔「そこをなんとかお願いします!」 霞「……そうね、じゃあ」 実況「さあ!選手が集まってまいりました!」 解説「まずは宮守の小瀬川選手に清澄の片岡選手……ん?アレは?」 実況「片岡選手は……なんと真っ赤なマントをなびかせての登場だー!!」 解説「はは、そういうの嫌いじゃないよ」 優希「ふっ」ドヤァ 白望「……ダル」 実況「続いて姫松の上重選手ですが、これはまさかー!?」 解説「ほう。強豪姫松、Kちゃんぬいぐるみを抱いての登場か」 漫「あー、ども」 優希「ぐぬぬ……負けないじぇ!」 白望「……なんで落書きされてんの?」 漫「え!?……あー、色々あったんで」 優希「物は大切にするんだじぇ!!」 漫「……ぐうの音も出ません」 洋榎「恭子ー、やっぱりぬいぐるみに落書きはやりすぎやったんちゃう?他校引いとるやん」 恭子「アレ?ちゃんと洗えば落ちるやつやったんですけどね」 郁乃「ちゃんと罰になるように油性に変えといたで~」 由子「代行のせいなのよー」 実況「さあ最後にシードの永水だー!」 解説「去年大暴れした神代選手、この先鋒戦のカギになるのは間違いないでしょうね」 実況「さあ、選手は出そろったー!!」 解説「ん?なんか神代選手の雰囲気が違うような……」 小蒔「……よろしくお願いします」 優希「おう!負けないじぇ!!」 漫(こん1年めっちゃ強気やなー) 白望「……ダル」 実況「さあ、インターハイ2回戦先鋒戦、開始ー!!」 前半戦東場 優希「この試合に次は来ないじぇ!この局だけで終わらせてやるじぇ!!」 白望(胡桃が怒りそうなこと言うなぁ……でも実際和了るな) 漫(わ、訳分からん!なんでこいつはここまで強気でいけるんや!?) 小蒔「…………」 優希「よっしゃツモ!」 実況「片岡選手、またまた和了ったー!」 解説「こりゃ冗談で終わらせるなんて言った訳じゃなく本気で終わらせる気だな」 実況「そ、そんながことできるんでしょうか?」 解説「理屈ではそうだが実際にやるならなぁ……何より、それを大人しく実行させるほどインターハイは甘くないだろう?」 白望(どーしよっかな……) 漫(全然和了れんやん……どないしよう、Kちゃん持ってってもなんも変わらんし)ギュッ 優希「……リーチ!」 白望・漫「!!」 優希「さて、まだまだ行くじぇ…」 小蒔「ロン」 優希「じょ?」 小蒔「16000」 優希「なぁっ!?」 小蒔「…………」 白望(……何が起きたの?) 漫(末原先輩話ちゃいますやん!なんでこんなにはよ神代がくるんですか!) 実況「神代選手が和了りましたー!」 解説「しばらくは片岡だと思ってたんですけどね……神代選手はこんな最初から飛ばす選手でしたっけ?」 優希(ま、まだ東場だじぇ!なんかあの巫女さんやばい雰囲気するけど、ここはガンガンいくじぇ!) 優希「ロン!」 優希(今のうちに取られた分取り返して、逃げ切れるくらいに稼ぐ!) 前半戦南場 白望「……ちょいタンマ」 漫「!」 漫(これは……末原先輩に聞いてたやつ!宮守も来るんか!?) 白望「……ん」タン 漫(やったらうちも……) 小蒔「ツモ」 漫「へ?」 小蒔「8000オール」 漫(なんなんここ!!) 実況「なんと言いますか、すごいことになってますね?」 解説「うーん、神代選手がいるとはいえ、ここまで荒れるとはなぁ……」 実況「そう言ってる中宮守の小瀬川選手が和了ったー!」 解説「ほう……なかなかのものだな」 白望(あー、ダルイけど……まだまだ和了らないとなぁ……) 漫(折れるな……先輩が言ってたこと思い出して、しっかりと打てば) 小蒔「ロン」 漫「は、はいっ!」 漫(もー、さっきからこん人怖い!なんなん!?うちなんかした!?……あ、Kちゃんは持ってきとったわ) 小蒔「…………」 巴「確か、まだ弱い神様のはずですよね?」 春「……それよりこの相手で最初から寝てた方が驚き」 霞「うーん、私のせいかしら?」 初美「そうですよー?『前半で20万点まで稼いだら後半はKちゃん持って行っていい』なんてこと言うからですー」 巴「ああ、姫様また和了った」 春「……今ので17万?」 初美「東場では清澄のが頑張ってましたからねー。一気にいくつもりでしょうねー」 霞「……大丈夫かしら」 巴「姫様がですか?相手がですか?」 霞「両方ね。特に姫松の人、Kちゃんぬいぐるみ持ち込んでるから隙があれば狙われてるわ」 初美「無事に前半戦が終わればいいですねー」 小蒔「……」タン 優希(うう……南場じゃどうしようもないじぇ) 白望(なーんか狙ってる感じするなぁ……もしかして特定の誰かを?だったら……) 漫「……」タン 白望(今までのを見る限り姫松?……シードから蹴落した相手をさらに?……ないかな) 優希「……じょ!」タン 白望(他の理由……他と違うとこ……ぬいぐるみ?) 小蒔「……」タン 白望(……考えすぎか) 漫「……ツモ!」 白望「!?」 恭子「よっしゃ!爆発きたで!」 洋榎「神代がなんかえらい暴れとるから差はまだあるけど、これはええでー」 絹恵「上重さんファイトやー!」 漫(な、なんとか大きめの和了れたでー!) 漫(でもまだ差はある、気引き締めていかんと!) 小蒔「リーチ」 漫「っ!?」 優希「じょ!?」 白望「……ツモ」 漫(あ……良かった、神代やなくて) 優希(これ以上はやばかったじぇ……後半こそ!!) 実況「前半戦終了ー!!」 解説「かなり荒れたな。東場では片岡選手が、そして全体的に神代選手が稼ぐが要所要所で小瀬川選手と上重選手が止めに来る」 実況「とんでもない試合でしたね!」 解説「大きくリードした永水だが、このまま大人しく他が引き下がるか……まだ試合は始まったばかりだ」 優希「タコスだ!ありったけ持ってくるんだじぇ!!」 京太郎「元々用意してた分しかねぇよ」 久「予想以上に永水が暴れてくれたわねー」 和「とんでもない偶然が連続してましたね」 まこ「偶然でもなんでも、今のトップは永水じゃ。このままじゃいかんな」 咲「優希ちゃん、大丈夫?」 優希「問題ないじぇ!巫女さんなんかにタコスは負けないし、ぬいぐるみ持ち込みにも負けない!後……とにかく負けないじぇ!!」 京太郎「用は誰にも負けねーってこったろ?」 優希「さすが京太郎!もっとタコス作ってきていいぞ!」 京太郎「無理だっての!」 優希「……このままじゃ、終わらせないじぇ」 白望「……ダルイ」 塞「すっごかったよ!モノクル割れるかと思った!」 トシ「私のはヒビはいったね……古いのだから予備を用意しておいて正解だったよ」 豊音「神代さんちょーすごいよー!」 胡桃「敵を褒めてどうするの」 エイスリン「シロ、ガンバッテ!!」 白望「あー……まぁ……ダルイけど負けるつもりはない」 漫「え、えらい持ってかれて申し訳ないです……」 恭子「由子、マジックある?」 漫「ひぃっ!」 恭子「と、点数的には言いたいんやけど」 漫「へ?」 恭子「さっきは爆発したんや。後半もまだチャンスある。しっかりやってくればええで」 漫「末原先輩……」 洋榎「やけど神代はえらいやっちゃなー。漫、大丈夫?」 由子「こっちから見てもかなりやばそうだったのよー」 絹恵「上重さん……」 漫「……大丈夫です!やってきます!!」 郁乃「さすがやね~。期待してるで~」 恭子「代行……」 漫「あはは……後半、取り返してきます」 小蒔「……くすん」 初美「仕方ないですよー。相手も強敵だったんですからー」 巴「そうですよ。姫様は充分すぎるくらいにやってましたよ」 春「……でも20万点は無理だったから」 霞「後半の持ち込みは無しね」 小蒔「うう……頑張りましたけど仕方ないです……」 巴「姫様……」 初美「どうしますー?」 春「……許してもいいと思う」 霞「……分かりました。この試合は駄目ですけど、次の試合からは持ち込んでいいとしましょう」 小蒔「霞ちゃん!!」 霞「ただし、今度こそ20万点稼いだらね」 初美「うわー、地味に酷いですー」 巴「でもだいぶ稼いでるし、さっきよりは楽じゃない?」 春「……他がこのまま黙ってない」 小蒔「はい。皆さん強い方でした」 霞「そうよね。それでもやる?」 小蒔「やります!Kちゃんのこともありますけど、それ以前に試合に勝つため、もっともっと稼いできます!」 実況「さあ、時間となりました。後半戦、開始です!」 解説「このまま永水が差を広めるかどうか。そこに注目ですね」 優希「ロン!」 実況「また片岡選手が和了りました!」 解説「地区大会でもそうだったが、やはりこの選手は東場では圧倒的だな」 実況「1回戦でも東場で勢いを作ってましたからね」 解説「だが、そう簡単には行かないだろうな」 小蒔「ツモ」 実況「ここで神代選手!やはりこの選手は凄い!!」 解説「かなりムラがあるが、調子がいい時は手がつけられないな」 漫(アカン、これはきついわ……神代とか去年の1番良い時並みやないか) 白望「……ツモ」 白望(簡単には、点はやらない) 優希(も、もう南場……まだまだ1位と差あるじぇ……) 小蒔(……差が、広げられない)タン 漫「それ、ロン!」 小蒔(それどころか、縮められてる!?) 漫(ま、また上がれた!これ、主将が言ってたKちゃん効果……ないか) 実況「先鋒戦終了!!1位は永水高校!!他3校と差をつけてトップに立ちました!」 実況「そして宮守、清澄、姫松となっています」 解説「だがこの3校の差はそれほどない。私は前半での永水との差を縮めた3校の選手を評価したいね」 実況「はい。前半では圧倒的だった神代選手でしたが後半では他3校が意地を見せましたね」 解説「永水は大きなリードを得たが、まだまだ分かりませんね」 まこ「よう」 優希「……染谷先輩」 まこ「ん、お疲れ」 優希「……稼げなかったじぇ」 まこ「神代が本気だった、事故じゃ事故。先輩にまかしとけ」 優希「お願いしますだじぇ」 白望「……ダルイ」 エイスリン「マカセテ!」 白望「ん……まかせた」 エイスリン「♪」 白望(どうせ、エイスリンが勝つしなぁ) 漫「すんません……取り返せませんでした」 由子「大丈夫なのよー」 洋榎「せやで!」 漫「主将!?」 洋榎「やっぱKちゃん持ってったんが効いたんかな……貸して」 漫「言われて持ってきましたけど……めっちゃ恥ずかしかったですよ?」 洋榎「む……よし、由子、持っていき」 漫「それ私のです!」 由子「遠慮しておくのよー」 小蒔「差、広げられませんでした……」 巴「いやいや、充分ですって」 小蒔「Kちゃん……」 巴「あー……試合が終わってから、また話してみましょう?」 小蒔「……はい!巴ちゃんも頑張ってください!」 巴「はい。姫様が作ったリード、守ります」 実況「インターハイ2回戦次鋒戦、開始ー!!」 実況「次鋒戦終了!清澄、姫松が永水との差をしっかりと縮めました!宮守は調子が出なかったのか差は縮めたが4位です!」 解説「永水は1位のままだが、この勢いだと追いつかれかねないな。次に来るのがあの愛宕洋榎選手だ」 実況「姫松のエースですね」 解説「さらに1回戦で相手をトビ終了させた清澄の竹井選手もいる。これは試合が動きそうだな」 実況「ところで試合時間が短かった気がするのですが」 解説「そう感じただけだろう?しっかり結果は残っているのだから、問題無いさ」 まこ「頼んだぞ、部長」 久「え、ええ」 まこ「……大丈夫か?」 久「あら?私が心配?大丈夫よ。しっかりやってくるわ」 まこ「……ま、いいわ。こっちでなんとかするか」 洋榎「っしゃあ!ついに来たで!!うちの出番や!!」 由子「落ち着くのよー……って言っても意味ないのよー」 洋榎「じゃ、行ってくるでー!!」 由子「……あれ?洋榎、何か持ってった?」 エイスリン「……ゴメンナサイ」涙目 胡桃「エイちゃん悪くないよ!あの眼鏡……2人いたか」 エイスリン「……こっち」ワカメの絵 胡桃「……とにかく、その人と相性が悪かっただけだって!私達がなんとかするよ!!」 トシ「……しかし相手の力を使わせないどころか何もさせない……いや、まさか……時間を消し去った?」 エイスリン「?」 トシ「ああ、いや、いいさ。胡桃達を信じよう」 エイスリン「…………」コク 巴「……ごめん、守り切れなかった」 春「……大丈夫、私が次に繋げればいい」 巴「ハッちゃんまで?でも、次の相手強敵だよ?」 春「……黒糖とKちゃんがあるから大丈夫」 巴「その判断基準は何?……でも、まかせるね」 春「……うん」 まこ「戻ったぞー」 京太郎「お疲れ様です」 まこ「おう。開始時間までまだあるな」 咲「……なんか、部長の様子がいつもと違う気がする?」 優希「あー……なんかくじ引きの時っぽくなってるじぇ」 和「抽選会ですよ。確かに緊張してるように見えなくもないですが、全国の舞台で緊張するというなら1回戦では?」 京太郎「有名な強豪校が相手で改めて自覚した、とかじゃないのか?」 まこ「いかんな……よし、聞いてくれんか」 久(あー……やっばいわ。今さら緊張してくるとかないわよ……) 胡桃「よろしくお願いします」 久「あ、ああ。よろしく」 胡桃「?」 洋榎「またせたな!姫松高校のエース、愛宕洋榎の登場や!!」 胡桃「…………」 洋榎「抽選会ぶりやな、竹井。負けへんで?」 久「……私だって、負けないわよ?」 洋榎「なんか勢いがないで?駄目やなー。こういう場はノリが大事や!そのためにこういうものまで持ってきたんや!!」 Kちゃんぬいぐるみ(落書きアリ) 久「あら?それって」 洋榎「ふっふっふ。流行りに乗ってみたんや」 胡桃「……それ、先鋒の人のじゃないの?」 洋榎「……細かいことはいいんや!縁起物みたいなもんやし」 胡桃「借り物の縁起物って……そもそも公式戦の場によけいな物持ち込むなんて…」 春「……遅れました」黒糖&Kちゃんぬいぐるみ持ち込み 胡桃「…………」 洋榎「よけいな物が、なんやって?」 胡桃「……いい」 洋榎「ふ……負けへんで。特に清澄!」 久「わ、私?」 洋榎「1回戦は飛ばして終わらせるとか派手なことやっとったけど、そうはいかんで!」 洋榎「今、持ち物ではKちゃん持ってきたうちが勝っとる。後は試合でも勝って……」 京太郎「部長ー!」 洋榎・胡桃・春「!?」 久「す、須賀くん!?どうしたのよ?」 京太郎「なんか、染谷先輩に頼まれまして」 久「まこから?」 京太郎「はい。これを渡すようにって」 久「手紙?」 『緊張してるようなので、京太郎を送った。まあ、これに意味はないわ。適当に楽しんでくるとええ』 久「……まこったら」 京太郎「あのー、大丈夫ですか?なんか、緊張してたみたいですけど」 久「……大丈夫よ。部長である私を信じられないの?須賀くんは帰ってお茶でも入れて待ってなさい」 久「それとも……心配で私に会いに来てくれた?可愛いわねー、このこの」頭ナデナデ 京太郎「ちょ、こんなとこでやめてくださいよ!」 久「そうねー。須賀君は頭撫でられるより胸撫でる方がいいもんねー」 京太郎「そうですけど……って何言わせるんですか!」 久「あら、嫌だった?残念ねー、撫でさせてあげようと思ったのに」 京太郎「マジですか!?」 久「ええ。マジよ……副会長のだけど」 京太郎「男じゃないですか!!」 久「あはははは……ありがと」 京太郎「はい?」 久「なんでもないわ。戻って待ってなさい。勝ってくるから」 京太郎「……はい。じゃ、戻りますね」 久「ふふふ……あ、待たせちゃったわね。ごめんなさい」 洋榎・胡桃・春「…………」 久「?」 洋榎「負けへんでー!!」 胡桃「つぶす……!!」 春「…………」ボリボリボリボリボリボリ 実況「インターハイ2回戦中堅戦、開始ー!!」 洋榎「リーチや!」 春「…………」タン 洋榎「ロン!!」 春「!!」 洋榎「神代が稼いだからて、安心しとるんか?そんなんすぐ持ってくでー?」 春「……次」 胡桃「はい。ふるよー」 洋榎「う……うちがひっくり返すからな!」 胡桃「うるさい!関係ないことなら静かに!!」 洋榎「あ……ハイ」 実況「まずは愛宕洋榎選手が滝見選手から和了りました!」 解説「さすがといったところですね」 洋榎「ロン!!そんなん通用せえへんで。格が違うわ!」 胡桃「そーゆーのいいから点数申告!」 洋榎「あ……ハイ。5200です」 実況「賑やかに打ちますね」 解説「わざとやって相手のペースを乱すやり方もあるが、あれは素だな。全力で楽しんでいる」 実況「楽しんで、その上で勝っているということですか?」 解説「いるんだよ……ああいう単純に"強い"のが」 春「……リーチ」 久「ごめんなさいね。それ、ロンよ」 春「…………」ポリポリ 胡桃(……何その待ち) 洋榎「ほう……やるなぁ」 実況「清澄も和了った!というかこんな待ちで本当に和了った!?」 解説「悪待ちか……こいつは面白いな。どう転がるか楽しみだよ」 実況「楽しむのもいいですけど解説して下さいよ?」 解説「お、前半戦終了だな」 胡桃「ただいまー。充電充電」 白望「……ダルイ」 豊音「どうー?大丈夫そうー?」 胡桃「……正直厳しいかな。うるさいけど強いし」 塞「まー仕方ないよ。胡桃は胡桃の麻雀をやるしか」 エイスリン「ファイト!」 春「……黒糖、補充」 小蒔「だ、大丈夫ですか?」 春「…………じゃ」 初美「あ、逃げたですー」 霞「これは終わったらお説教かしら」 巴「まだまだこれからですって」 洋榎「どや!?」 絹恵「戻ってくるなりそれー?」 洋榎「そりゃーなー?」 漫「何言ってるんか分かりませんて……後、ぬいぐるみ返して下さい」 洋榎「あ、ほい」 由子「どうだったのよー?」 洋榎「んー、やっぱ借り物じゃアカンかなー?何より本人来よったし」 恭子「いや、試合ですって」 洋榎「あー……ま、なんとか1位とったるわ」 絹恵「お姉ちゃんお姉ちゃん!」 洋榎「なんや?」 絹恵「またKちゃんが来とるよ!」 京太郎「部長、お疲れ様です」 久「ん、わざわざ来てくれてありがと」 京太郎「いやいや、俺はこれくらいしかできませんし」 久「やっぱり、長野に帰ったら胸撫でる?」 京太郎「……男はいいっす」 久「女の子よ?」 京太郎「本当ですか!?」 久「心は」 京太郎「アウト!!」 久「何よー、いい子よ?少女趣味で手先が器用で家事全般が得意で……後、マッチョ」 京太郎「最後!最後で台無しですよ!?」 久「私より胸あるし?」 京太郎「それはもはや別物でしょう!?」 春「……失礼」 久「あ、永水の」 京太郎「あ、さっきは言えなかったけど昨日の黒糖どうだった?」 春「問題ない」 久「知り合い?」 京太郎「ええ。昨日の夜たまたま会って」 春「……食べたら分かる。どうぞ」 久「あら、ありがとう」 京太郎「俺も?じゃ、ありがたく」 久「……風味があっていいわね」 京太郎「黒糖だけなのに食べやすい……こないだのもっと買っとけばよかったか」 春「後で分ける?」 京太郎「いいのか?」 春「うん……住所教えてくれれば本物を送れるけど」 京太郎「本物?まさか、これ以上のものが!?」 久「……黒糖でどんだけ盛り上がってるのよ。そろそろ時間よ」 京太郎「あ、はい。じゃ、部長頑張って下さい」 久「まかせなさい」 京太郎「春も、敵だけど頑張れよ」 春「!!……うん」ニコッ 久「……天然タラシだったかしら?」 洋榎「待たせたな!!」 春「姫松の人」 久「待ってないし、あなたも待たないといけないわよ?」 洋榎「……それよか、京太郎は?おったん見て来たんやけど」 春「もう帰った」 洋榎「…………」 胡桃「お待たせー。どうかしたの?」 洋榎「……あんたんせいや!!」 胡桃「いきなり何!?」 実況「さあ、後半戦です」 解説「だいぶ削られた永水と追いつこうとする姫松と清澄。そして守りが固い宮守」 実況「宮守はこの状況で守りは厳しいんではないでしょうか?」 解説「下手に振り込むよりいいが、さてどうなることやら」 胡桃(別に、これが私の打ち方だからいいし) 胡桃(何より相手がこうも強いんじゃ慣れてない打ち方したら逆に火傷しそうだし) 胡桃(ここは後の塞と豊音を信じて) 胡桃「ツモ!」 胡桃(私の打ち方で打つ!) 春「…………」 春(厳しい……相手が強すぎる……素直にここは負けて) 春「ロン」 春(信じよう) 実況「後半戦終了!!永水は1位は守りましたが、点差をかなり詰められました!」 解説「後半、相手が格上だと分かった上で失点を少なくする方向に変えたのが良かったな。前半のままなら1位じゃなかった」 実況「そして2位は姫松!愛宕洋榎選手がかなり稼ぎました!」 実況「3位は清澄!プラスで終わらせましたが愛宕洋榎選手に追いつけませんでした!」 解説「この2校の選手は相当のものだよ」 実況「4位は宮守!点数自体はあまり変動していません!」 解説「一見地味に見えるがこの状況で点数が変わらないというのはなかなかできるものじゃない。この選手も上手いね」 実況「後半の宮守に攻める様子があまり見られませんでしたが、どうなんでしょう」 解説「それは団体戦だからだな。仲間を信じたんだろう」 久「はー……疲れたわ」 洋榎「ふっ、うちはまだまだいけるで?」 春「……強がり?」 洋榎「ちゃ、ちゃうわ!」 胡桃「終わってからもうるさい……」 和「何やっているんですか部長」 久「早いわねー。やっぱりエトペン持ってきたの。Kちゃんじゃなくて」 和「か、からかわないでください」 初美「はーるーるー?」ズイッ 和「きゃあああああ!!な、なななんですかこれ!?」 久「永水の副将よ。知らない?」 和「……本当に人ですか?」 初美「失礼ですー」ズズイッ 和「ちょ、怖い……あ」ポトッ、コロコロ 絹恵「……?」目の前にエトペン 和「あ、エトペン……」 絹恵「……ボール」 和「え?」 絹恵「……!!」ドカッ!! 和「!?エトペーーーーン!!!」 久「……大丈夫よ和、エトペンは無事よ」 和「本当ですか!?」 絹恵「ホンマにすいません!丸いもんがあったんで、つい」 洋榎「すまんなぁ清澄。お詫びっちゅう訳やないけど、絹の胸を…」 和「?」ドドーン 洋榎「…………」ぺターン 絹恵「お姉ちゃん!?もう、また人の胸勝手に触らそうとして!」ドーン 洋榎「……絹……負けたわ」 絹恵「は?何言うてんの?」 洋榎「せやけどなぁ!絹は他の副将の奴と比べたら…」 塞「胡桃、お疲れー」バーン 胡桃「塞、後よろしく」 洋榎「…………」チラッ 初美「?」ぺターン 洋榎「この場で味方は永水だけか……」 絹恵「いやだから何言うてんの!?」 和「何なんでしょうね?」 久「あー……和には分からないことよ」 初美「……胸なんて飾りですよー」 胡桃「そこは同感。ていうか、早く私達は帰った方がいいんじゃないの?もう始まるよ?」 実況「さあ、副将戦です!遂に、インターミドルチャンピオン、原村和選手がインターハイデビューです!!」 解説「インターミドルの強さがインターハイで通じるかどうか、だな」 実況「また、個人戦出場も決め、さらに県予選では大将に回すことなく終わらせた薄墨初美選手」 実況「1回戦で沖縄代表を完封した臼沢塞選手、愛宕洋榎選手の実の妹、愛宕絹恵選手など、注目の選手が揃っています!」 解説「また面白い試合になりそうだ」 実況「インターハイ2回戦、副将戦開始ー!!」 絹恵(お姉ちゃんから引き継いだ点数、なるべく守って…) 和「ロン」 絹恵「は、はい!」 絹恵(っていきなり!?……やっぱぬいぐるみ蹴ったん怒ってるんかなー) 実況「まずは原村和選手だー!!」 解説「まだまだ序盤だよ……お、薄墨選手が北家か」 実況「はい?何かあるんですか?」 解説「県予選で大暴れしていたが、北家の時によく和了ってるんだよ」 実況「つまり今回も?」 解説「可能性はある。さて、分かってて止められるようなものかな」 絹恵(永水が北家……字牌を切らんようにしとけばええって末原先輩が言ってたし……)タン 和「……」タン 北 絹恵「!」 塞「!」 初美「ポン!」 絹恵(え……何しとるん清澄!?永水の薄墨やったら普通に分かるやろ!?なんでなん!?) 塞(ちょ……やばいって!!何なの!?) 和「…………」 和(部長……四喜和に気をつけろ、っていうのはさすがにオカルト過ぎです。私は私の打ち方を貫きます) 初美(チャンスですー……インターミドルチャンピオン、潰れちゃえ!) 初美(さーて、いくですよー。1位とはいえ追いつかれかねない点差ですからねー) 初美(一気に引き離しますよー) 初美(ここで鳴いて……アレ?鳴けない?) 絹恵「ツモ!」 初美(な、なんでですか!?私がこんな……) 塞「…………」じーっ 初美(まさか……宮守!?) 霞「封じられちゃった?……これはちょっと大変かもね」 巴「ハッちゃん、大丈夫でしょうか」 春「……分かんない」 小蒔「だ、大丈夫ですよ!まだリードしてます!」 霞「でもねぇ……初美ちゃん、素直に引き下がらないからね」 塞(きっついなー……1回戦よりきつい。でも、上手くいってる。そして) 塞「ロン!」 初美「っ!!」 塞(永水から和了れる。このままリード縮めて豊音に繋ぐ!) 実況「薄墨選手、和了りませんでしたね?」 解説「うーん、大沼プロも言ってたんだがな……やっぱり宮守の臼沢選手か?」 実況「臼沢選手ですか?特に目立ったことはしていないように見えますが」 解説「周りから見えなくても、本人達にしか分からないものもあるからな」 初美(わ、私が北家で和了れない?……ないない!!) 塞(さて、全員分かっててくれたら少し楽できるんだけど) 和「…………」タン 塞(これだよ。なんなの?ネト麻でCPUの設定最強にして打ってるみたい。やっぱ、やらないといけないよね) 塞「…………」じーっ 初美「……うーっ」タン 塞「ロン!」 初美「うううっ……点棒ですー」 塞「……どーも」 実況「前半戦終了ー!!まさかの永水の薄墨選手が大失点で永水はついに1位陥落です!」 解説「これまでの試合でも稼いでいる薄墨が封じられていた、ということは大きいな」 実況「現在の1位は清澄高校!2位は僅差で姫松!そして3位に永水、4位に宮守です!」 解説「だが、宮守はその差をじわじわ削っている。ここに来て大幅な差はなくなった。こりゃ結果が分からなくなってきたな」 塞(あー……しんどいなー、もつかなこれ)座りこむ 塞(ていうか清澄なんなんだよ……空気読めてないにも程があるでしょ) 白望「……大丈夫?」 塞「……シロ!?」 白望「……立てる?」 塞「……大丈夫だって、それよりシロがわざわざ来たことが驚きだね」 白望「……トイレこっちだし」 塞「ついで!?……まあ、いいけどっと」立ち上がる 塞「まぁ、らくしょーってことで」 白望「……持ってって」Kちゃんぬいぐるみ 塞「え?」 白望「次は豊音に渡して……じゃ」 塞「ん、いっちょやってきますか!」 絹恵「……ふう」 恭子「お疲れ絹ちゃん」 洋榎「お疲れさん」 絹恵「お疲れ様です……はあ、清澄に1位もってかれてすんません」 由子「いいのよー」 漫「充分やってるって」 洋榎「せやで。絹、自信持ってやりや。うちの妹なんやから、絹もいける!!」 絹恵「お姉ちゃん……うん!私、後半で1位になってくるわ!」 初美「ひっく……ぐすっ」 霞「うーん、正直どうしようもないわね」 巴「ハッちゃんがどうこうできるものじゃないですしね」 春「……黒糖、いる?」 初美「いただくですー……ぐすっ」 小蒔「初美ちゃん……」 初美「姫様、持ってかれた点は必ず取り返してくるですー」 小蒔「……はい。頑張ってください」 初美「……このまま終わるなんて、させないですよー」 咲「お疲れ様和ちゃん!」 久「見事にアドバイス無視してたわね。あそこまでされたら逆に清々しいわ」 和「そんなオカルトありえませんよ。実際に四喜和なんてありませんでした」 まこ「まーな。やけに宮守のが疲れとるように見えたが、なんだったんじゃろな」 優希「タコス不足だじぇ!」 京太郎「お前だけだっての……3人とも大丈夫かな」 久「あら、あの3人もひっかけてたの?」 咲「京ちゃん……」 和「須賀くん……」 優希「京太郎……」 まこ「もうなんも言わんわ……」 京太郎「違いますって。たまたま会って仲良くなっただけですって」 咲「……こっち来てから多すぎるよ」 優希「発情したか」 京太郎「タコス作らねーぞ」 まこ「でも、各校にいる気がするんじゃが」 京太郎「たまたまですよ。困ってたから手を貸した、とかそんなんですって」 久「まあ、須賀くんのタラシ疑惑は置いといて」 京太郎「違いますって!」 久「この後もまかせるわよ和。幸い永水は県予選ほど暴れられないみたいだしね」 和「はい。相手がどうこようと、私は私の麻雀をするだけです」 咲「和ちゃん、頑張って!」 優希「のどちゃんファイトだじぇ!」 まこ「しっかりやってきんさい」 京太郎「和、頑張れよ!」 和「はい……行ってきます」 実況「後半戦、開始ー!!」 和「…………」タン 絹恵「…………」タン 塞「…………」タン 初美「…………」タン 絹恵(永水、動かんな。それならそれでええんやけど、このままじゃ2位。ここは) 絹恵「ツモ!」 絹恵(攻める!) 塞(別に、豊音がやってくれるだろうからそこまで無理して攻める気は無いけど) 和「…………」タン 東 塞(これがな……塞いでなけりゃえらいことになってるよ) 初美「うー……」 塞(親だけど永水が北家だし、このままやりすごして……) 初美「…………」タン 塞(え?) 塞「ろ、ロン!」 初美「はい」 塞(何今の明らかな差し込み!?) 初美「…………」タン 塞(ま、まさか……自分が上がれるまで親の私に振り込む気!?リードもないんだからボロボロになるよ!?) 初美(姫様達には悪いですけど、このまま素直に引き下がれないです) 絹恵「…………」タン 初美(絶対、絶対和了ってやるですー!) 塞「ロン!」 塞(うわー、和了れるのはいいけど、このままじゃ持たないって!なんとかしないと……) 和「ツモ」 塞(よっしゃ!空気読めないけどナイス!) 実況「後半戦も南場です。ここまで永水の薄墨選手がまさかの大量失点で清澄と姫松にリードを許しています」 解説「薄墨選手が北家で和了れないのが気になるな……このまま終わることはないと思うが」 実況「それはなぜ?」 解説「勘だな。そんなに素直に終わるほどここは甘くないんだよ」 塞(はぁ、永水が北家か。どうしよっかな。どうせ親の清澄に振り込むんだろうし) 塞(親が清澄?……だったらいっそこのまま塞がないで親被り狙うのもありかな) 塞(あの調子でやられたら体力もたないし……清澄には振り込んでもらおう) 初美(これは……いけます!今度こそいけるですよー!!) 和「…………」タン 南 初美「ロン!!」 実況「決薄墨選手の役満小四喜炸裂ー!!」 解説「県予選と同じものがやっと来たか」 実況「これはまた薄墨選手が和了りますか?」 解説「こっからか……とか言ってる間に終わってるぞ」 実況「え!?本当だ!最後は愛宕絹恵選手が和了って副将戦終了しました!」 実況「最終的な順位は、1位姫松、2位清澄、3位永水、4位宮守となっています!」 解説「清澄は永水の役満が痛かったな」 実況「ですが永水は点を取り戻すことはできませんでしたね。ここからどうなるでしょうか」 解説「さてな。永水の大将はこれまで攻めているところが無かった。個人的にここがどうくるかが気になる」 絹恵「後は、お願いします」 恭子「まかしとき。しっかり守りきったるわ」 洋榎「恭子ー!いったれー!」 由子「ファイトなのよー」 漫「先輩!」 恭子「何や?」 漫「持っていきませんか?」Kちゃんぬいぐるみ(落書きアリ) 恭子「気持ちだけもろうとくわ。さすがに人の持ってく訳にもいかんし…」 郁乃「やったら、末原ちゃんの持っていきや~。はい」 恭子「あ、ども……ってなんで代行が私の持ってるんですか!?」 郁乃「はっはっは~企業秘密や~」 由子「もう気にしたら負けだと思うのよー」 洋榎「せやな。とにかく恭子!いってきや!!」 恭子「……はい!」 恭子(実は持っていきたかったしな) 郁乃「昨日も抱いて寝とったもんね~」 恭子「やからなんで代行が知ってるんですか!?」 4人(……否定はしないんやね) 塞「あー……疲れた」 豊音「お疲れ様ー。ちょーすごかったよー」 塞「もう勘弁して欲しいけどね。はい、これ」Kちゃんぬいぐるみ 豊音「え?持ってっていいの?」 塞「珍しくシロが自分から持ってきたんだよ。頼むよ、トヨネ」 豊音「うん!ちょーがんばるよー!!」 豊音「みんなのお祭り、ここで終わらせないから!!」 初美「ひっく、すみません姫様―。ぐすっ。わ、私のせいでー」 小蒔「初美ちゃんは頑張ってましたよ!!」 初美「姫様~」 春「……1位から3位」ボソッ 初美「うわあああああああん」 巴「こら、ハッちゃんいじめない」 霞「そうよ。でも、2回戦でここまで追い詰められるなんて思いもしなかったわ」 小蒔「霞ちゃん」 初美「ううっ、ひっく。どうするですか?」 霞「久しぶりに、攻めるわ」 霞「初美ちゃんの分、たっぷり返してあげましょう」 春「……なんか怖い」 霞「え!?」 初美「ぐすっ……胸もあって威圧感倍増ですー」 霞「そ、そんなことないわよね!?」 巴「えっと……」 小蒔「ぬ、ぬいぐるみとか持っていけば、少しは和らぐんじゃないでしょうか?」 春(否定してない……) 巴(むしろ追い打ちかけてる……) 霞「……まあ、持っていきましょう。でも、終わったらお話があるからね?」 初美「……事実だから仕方ないですー」 霞「初美ちゃんは戻ってくるまで正座ね」 初美「私だけ!?」 和「すいません……あんな大きいものが来るなんて」 まこ「最後のすごかったな」 優希「ああ。でも、のどちゃんはしっかりやってたじぇ!」 久「そうね。結果オーライよ、和」 京太郎「ああ。後は頼んだぜ、咲」 咲「ひゃ、ひゃい!」 京太郎「……大丈夫かー?トイレ行ったか?あ、道迷ったのか」 咲「だ、大丈夫だよ!」 京太郎「今まで何回迷子になったら言ってみろ」 咲「……道が悪い」 京太郎「目逸らしながら照さんみたいな真似すんな」 咲「お姉ちゃんの真似……こう?」ギュルルルルルル 京太郎「なんでできるんだよ!?」 久「咲、大丈夫そうね」 まこ「うむ。緊張とかしてたらどうしようかと思ったがな」 優希「こういう時こそ京太郎の出番だな。のどちゃんはいらなかったが」 和「私はいつも通り打っただけですし」 久「ほら、咲。いつまでもイチャついてないで行ってきなさい」 咲「い、イチャついてなんかないですよ!京ちゃんの馬鹿!」タタタタタ 京太郎「おい咲ー!そっち反対だー!!」 まこ「……和、連れてってやりんさい」 和「……はい」 優希「……しまらないじぇ」 実況「泣いても笑っても最後!大将戦です!」 実況「まずは姫松高校末原恭子選手!」 解説「今までは逃げ切りが多かったが、この相手でこの点差だから逃げ切りは難しいか。なんだ?この選手もぬいぐるみ持ち込みか」 実況「次は宮守高校姉帯豊音選手!」 解説「現状4位でそれなりの点差があるなか、逆転できるかね。おや、またぬいぐるみか」 実況「そしてシードの永水高校岩戸霞選手!」 解説「これまで守ってばかりだったこの選手がどう攻めにでるか、それがどうなるかな。……この選手もか」 実況「最後は清澄高校宮永咲選手!」 解説「全国初登場の選手か。宮永照と同じ名字ということが少し気になるな。親戚かなにかだろうか。お、この選手は手ぶらか」 実況「大将戦4人中3人がぬいぐるみ持ち込みですか。何か持っていると有利になることでもあるんでしょうか」 解説「まあ選手のモチベーションを維持するためや、リラックスさせるためだろうな。ここまで来たら打てる手は打っておきたいだろうし」 実況「では、唯一持って来ていない宮永選手は不利、ということなんでしょうか?」 解説「さてな。単純に持っていないか、持ってなくても大丈夫という自信か、それ以外の何かか」 実況「さあ、インターハイ2回戦大将戦、開始ー!!」 霞「よろしくお願いします」 恭子「……よろしくお願いします」 恭子(なんやこのおっぱいオバケ……絹ちゃんが小さく見えるわ) 豊音「よろしくお願いします」 豊音(わー、すごそうな選手ばっかだよー。楽しみー) 咲「……よろしくお願いします」 豊音「ポン」 恭子(来るか宮守。気付けなあかんな) 豊音「ポン」 豊音「チー」 豊音「ぼっちじゃないよ~」 霞(裸単騎……ここから?) 豊音「お友達が来たよー、ツモ!」 恭子(やっぱりかー……やっかいな相手や) 実況「最初の和了は姉帯選手ー!」 解説「裸単騎から和了るか……この選手もとんでもない選手みたいだな」 恭子(確かにすごそうやけど……うちかて負けへんで!) 恭子「リーチ!」 豊音「じゃ、とおらばリーチ!」 恭子(おっかけリーチ……やって来るか) 恭子「……」タン 豊音「ロン!」 恭子(これ以上はやれんな……やけどもっと稼がんと) 霞「リーチ」 恭子(永水!?やけどこれは) 豊音「……おかっけるどー、とおらばリーチ!」 恭子(やっぱりか……宮守の、予想以上や) 霞(ふんふむ……やっぱり早めに行かなきゃ追いつけなくなるかしらね) 霞(まだ前半戦だけど、苦手分野、いかせてもらおうかしら) 豊音(うわ、これ) 恭子(絶一門か……) 霞「ツモ」 恭子(しかもなんやこれ……ピンズがうちに来んだけやなくて他の捨牌にも無いやん) 恭子(ここは怪物しかおらんのかい……メゲるわ) 咲「……カン」 3人「!」 霞(清澄……やけに大人しかったわね) 豊音(なんか、ちょー怖いよー) 恭子(前半戦ももう少しで終わるっちゅうとこやで?なんで今まで大人しかったんや?) 恭子(まさか……嵐の前の静けさ、とかやないよな?点差、今全員があんま変わらへんのに、でかいの来たら) 咲「……もいっこカン」 霞(まさか、予選でよくやってた) 咲「ツモ、嶺上開花」 豊音(……ちょーすごいよー) 恭子(……メゲるわ) 実況「前半戦終了!遂に姫松が1位から2位に!!」 解説「なんというか、大将戦はとんでもないのばっかりだな。またどこが勝つか分からなくなってきた」 実況「最後まで目が離せませんね!」 解説「全く、何が起きても不思議じゃないな」 実況「さて、後半戦開始です!」 豊音(先生もみんなもいつも通りにって言ってくれた……いつも通りにやって、勝つ。まだ、終わらせないよー)ギュッ 霞(このまま一気に攻めて、押しきろうかしら。……小蒔ちゃんじゃないけど、ぬいぐるみがあって落ち着くわね)ギュッ 恭子(おいおい……永水のKちゃん、おっぱいに埋もれてるやん。冗談みたいな光景や) 恭子(宮守も結構……こっちで負けても、麻雀は負けへん!) 咲「…………」 塞「え?モノクルが……」カタカタ トシ「これは……」 優希「うお……京太郎がおっぱいに埋まってるじぇ」 京太郎「ぬいぐるみの方な。代わって欲しいが」 和「咲さん、どうしたんでしょう?」 まこ「うーん、なんかやりそうな雰囲気じゃな」 久「そうね……なんか、怒ってる?」 照「…………」 菫「照、ここにいたか。ん?妹の試合か?」 淡「あー、噂のテルーの妹じゃん。どんな感じ?」 照「……少し、荒れてる」 菫「は?まだ後半戦が始まったばかりだろう?」 照「……咲が」 淡「……何これ、なんかやっばい感じがする」 照「……うん、気持ちは分かるよ咲」 咲(京ちゃんのぬいぐるみは確かにいい。だけど、やっぱり他の人と京ちゃんが一緒にいるみたいで嫌だよ) 咲(そもそも京ちゃんも京ちゃんだよ!なんであんなにあっさりぬいぐるみの許可とか出してるの!) 咲(で、他の人が持ってると嬉しそうにしてるし!胸が大きな人だとさらに嬉しそうだし!) 咲(鹿児島の人も岩手の人も私より大きいし……なんか見せつけるようにしてるし!!……絶対に負けない!!) 咲(そういえば……昔お父さんが他の人の胸に見惚れてた時、お母さんもやってたな、こういうの) 咲「…………」ゴゴゴゴゴゴ 咲「…………」ギュルルルル 霞(え?宮永照?じゃないわよね?) 豊音(な、なんかチャンピオンっぽく見えるよー?) 恭子(…………メゲるわ)カタカタカタカタ 咲「……カン」ゴッ 咲「もいっこカン」ゴゴッ 咲「さらにカン!」ギュルルルル 咲「カン!!」ギュルルルルルルル パリィン!! 塞「も、モノクルが割れて……」 トシ「いや、あまりに強く割れて…」 塞「レンズ部分が砂状に!?」 胡桃「嘘!?」 エイスリン「トヨネ……」 白望「…………」 小蒔「!!」ガタッ 初美「……霞」 春「……お祓いの準備」 巴「うん……ちょっと普段よりしっかりやろうか」 漫「末原先輩……」 洋榎「恭子……大丈夫やろか」 郁乃「うーーーん……これはアカンね」 咲「……ツモッ」 実況「し、試合終了ー!!1位は清澄高校です!!」 解説「後半の清澄、すごかったな……まさかあれだけカンするとは」 実況「はい!そしてその清澄のスキを付くように和了った姫松が2位です!」 実況「これにより、清澄高校と姫松高校が準決勝進出です!」 前話 次話 前話のリンクが三話じゃなくて四話に繋がってるで~ -- 名無しさん (2013-07-30 09 08 33) こづかい -- 名無しさん (2016-07-09 21 56 06) 名前 コメント
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発売日 2005年9月2日 ブランド ArkShell タグ 2005年9月ゲーム 2005年ゲーム ArkShell キャスト 安堂りゅう(沢田まみ),南見ちはる(三崎絵理),伊藤瞳子(藤崎若菜),千羽輪子(水谷千晴),如月さわ(沢田麻衣),東かりん(女子2),夏木ツナ(バニーB,店員,委員A) スタッフ 原画:志水なおたか シナリオ:長谷川藍 プログラム:HIGH SIDE スクリプト:霞桜 彩色、デザイン:SeraficArts 原画アシスト:CG MONKEY HILL 音声収録:(有)ドリームジャパン 営業:東遊,萌萌香 スペシャルサンクス:第六天魔王,咲等,inugoya,yagi,武龍 デバッグ:ALL unicorn-a STAFF プロデュース:身から出た鯖 制作・著作:unicorn-a,ArkShell 主題歌 「恋風」 作詞、ボーカル:maiko 作曲:音魔人 エンディング 「歌おうハーレム!」 ボーカル:南見ちはる 作詞:TSUKASA 作・編曲:シェフ内田
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458 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 22 47 04.32 ID YwAFkbSIO [3/3] 和 71 京太郎「電話するか」 なんと久しぶりに前週キャラあり 安価下5 464 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 12 56.59 ID nAMz4uYZO [1/9] 健夜 max 0~50 留守番電話サービス 51~99 もしもし 466 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 17 51.43 ID nAMz4uYZO [2/9] 健夜「……」 着信が一件。 健夜「留守番電話……」 ピー 「あ、もしもし」 健夜「!」ビクッ 「なんか着信があったんですけど……」 健夜「ふふっ」ニヤッ まだ見放されていない。 風向きは自分に来ている。 健夜「また……会おうね」 一日が終わりました 467 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 18 19.15 ID nAMz4uYZO [3/9] 京太郎「朝だ」 1. 学校行く 2.サボる 安価下2 470 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 25 16.55 ID nAMz4uYZO [4/9] 行動フェイズ朝 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 484 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 50 00.43 ID nAMz4uYZO [8/9] 理沙「……」プンスコ 京太郎「うわっ……」 京太郎(有名人だ) 京太郎「そして……」 理沙「……」プンスコ 京太郎(すげえ睨まれてるー!?)ガーン 理沙「……」プンスコ 理沙「好きっ!」 京太郎「?」 理沙 好感度上昇安価下 488 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/02(土) 23 59 53.22 ID nAMz4uYZO [9/9] どんどん行くよー 昼 行動フェイズ昼 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 491 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 00 04 26.15 ID Q6SxQYCzO [1/7] 理沙 100 京太郎「電話するか」 安価下3 495 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 00 14 49.65 ID Q6SxQYCzO [2/7] 豊音「もしもしー?」 京太郎「あ……豊音さん」 豊音「体大丈夫ー?」 京太郎「ま、まぁ……それなりに良くなって暇してます」 豊音「放課後から麻雀部においでよー」 京太郎「今日はちょっと休ませてください……」 京太郎(豊音さんの声を聞きたかったんだよな、なんとなく) 豊音「うん。分かったよー皆に伝えとくねー」 豊音 好感度上昇安価下 497 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 00 18 00.78 ID Q6SxQYCzO [3/7] 豊音 99 行動フェイズ夕がた 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 500 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 00 24 17.96 ID Q6SxQYCzO [4/7] どんどん安価踏んでください 京太郎「雀荘行くか」 0~30 お好きぷろ 31~60 お好きなみやもり 61~99 お好きなアナウンサー 512 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 13 44 22.97 ID T7N+TbgQO [1/5] 恒子 125 恒子「むむっ!」 京太郎「!」 京太郎(アナウンサーだ……) 京太郎「綺麗だなぁ……」 恒子「かっこいいなぁ……」 京太郎・恒子「え?」 恒子「あはは……」 京太郎「あはははー」 恒子「……」グッ 恒子「ねぇ……お姉さんと一緒に遊ばない?」 京太郎「えぇ!?」 安価下3 1.断る 2.喜んで 516 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 13 54 31.21 ID T7N+TbgQO [2/5] 京太郎「喜んで」 恒子「本当!?」パァァァ 京太郎「はい、勿論ですよ」デレデレ 恒子「よし!じゃあ行こう行こう!」ギュッ 京太郎(胸が当たってるんですけどー!?) 恒子「当ててるんだよ?」ボソッ 京太郎「」 恒子「よーし行こう行こう!」グイグイ --- 胡桃「……へぇ」 エイズリン「ーーfuck」 --- 1.ホテル 2.恒子の別荘 3.恒子の車 安価下3 524 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 16 15 53.93 ID YJMycq0ZO [2/11] 車内 京太郎「……」 京太郎(緊張する……) 恒子「ねぇねぇ」 京太郎「はい、なんでしょう?」 恒子「同棲しない?」 京太郎「!?」ブーッ 恒子「大丈夫!?」ナデナデ 京太郎「はぁ……はぁ……」ゴホゴホ 恒子「決定ね」 京太郎「早っ!?」 恒子「よろしくね、京太郎君」ニコッ 京太郎「ぐ……ぐぅ……」 --- ロールスロイス 健夜「残念だよこーこちゃん……」 健夜「許せない」ギリッ 526 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 16 17 17.14 ID YJMycq0ZO [3/11] 恒子が彼女になりました 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 恒子「何するの?」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.こーこちゃん! 安価下2 529 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 16 24 41.73 ID YJMycq0ZO [4/11] 恒子「ふふふっ」キランッ☆ 京太郎「わーすごーい」パチパチ 恒子「始まりました!!こーこちゃんタイムッ!」 京太郎「わーわー」パチパチ 恒子「何しよっか」 京太郎「そこから!?」 恒子「んー……」ムムムッ 自由安価 何をする!? 安価下3 533 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 17 26 46.89 ID YJMycq0ZO [5/11] 恒子「DVDでも見ようっ!」 京太郎「え?」 恒子「P○3発見!」 恒子「うりゃっ!」ポチッ 京太郎「あれ……?」 京太郎「はっ!」 京太郎(しまっ……) アンアンハァハァアンアンアンアン 京太郎「」 恒子「そうだよねぇ……年頃の男の子だもんね」ドキドキ 恒子「わっ……凄い……」ドキドキ 京太郎「もうやめてぇ!」 恒子「あはは……おっぱい大きい人が好きなんだね」 1.私じゃ足りないかな? 2.私の方が大きいよ? 3.もっと一緒に見ようよ 安価下3 537 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 17 49 16.21 ID YJMycq0ZO [6/11] 恒子「ふふっ」ピコーン ギュッ 京太郎「なっ……!ちょっと……!」 恒子「もっと見ようよ」ニヤニヤ 京太郎の事を後ろから羽交い締めにして抱きしめるする恒子、実にいやらしい。 恒子「ほらほらーどうかなー?」 京太郎「ぐぬぬ……!」ドキドキ 恒子「……」ドキドキドキドキ 0~30 耐える 31~60 寝る 61~99 我慢出来ず 540 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 17 55 22.77 ID YJMycq0ZO [7/11] 京太郎「」プツンッ ガバッ 恒子「あっ///」 --- 数時間後 京太郎「……出会った当日に」 恒子「///」 恒子「あははーごめんね……」ナデナデ 京太郎「……」ズーンッ 一日が終わりました 541 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 17 56 02.64 ID YJMycq0ZO [8/11] 京太郎「朝だ」 1. 学校行く 2.サボる 安価下2 555 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 21 43 19.01 ID SdYiU0fhO [1/10] 嫌な予感がした。 「hay」 京太郎「ん?」 京太郎はーー? 0~70 ガッゴッゴッゴッ 71~99 そのまま走り出した 559 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 21 46 26.68 ID SdYiU0fhO [2/10] 京太郎「っ!!」ダダダッ 「Aa……」 --- 京太郎「やばいっやばいっやばいっ!!!」ダダダッ 京太郎(あれは間違いなくエイスリンさん……!) 京太郎「……!」 0~50 コラッ! 51~99 恒子 562 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 21 50 34.47 ID SdYiU0fhO [3/10] おいおい…… 恒子「あれー?どうしたのー?」 京太郎「こいっ!」ガシッ 恒子「こらこらー車があるから大丈夫だよ」 京太郎「よしっ!」 --- 車内 恒子「どうしたの、もう」 京太郎「……」 京太郎(胡桃さんも確実に居た……) 0~70 アラフォーアラフォー 71~99 エンディングへ 577 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 22 02 53.28 ID SdYiU0fhO [5/10] 1レス目からいつもすこやん推しがあるのに申し訳ない(ニッコリ) 京太郎「恒子」 恒子「え?」 京太郎「大好きだよ」 恒子「う……うん」 京太郎「ごめんな」ニコッ 恒子「え……?」 京太郎「また……会おうな」 バンッ 車内から京太郎は飛び出した。 恒子「ちょっと……!?」 少年は覚悟を決めていた。 このまま悲劇を待つよりも…… ーー自分でその種を潰してしまおうと。 581 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 22 07 45.92 ID SdYiU0fhO [6/10] ザザッ 『岩手の女性三人の殺害事件の犯人が自首をしました』 えり「とても残酷な事件で残念です」 えり「中でも殺害されたうちの一人には小鍛治健夜さんが居るとか」 えり「よく一緒に実況されていましたね、福与アナ」 恒子「はい、とてもとても悲しいです」ポロッ えり「福与アナ?」 オイスウジガトレルゾ 恒子「とても、とても、悲しいです」ポロポロ カンッ 584 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 22 16 00.52 ID /7ySl5RqO たった一回のゾロ目でハッピーエンド? そりゃ無いですって ギャルゲー的な京太郎安価SSも作りたくなって来ました。 京太郎「壊れ行く世界で君と」 とか 京太郎「神代家に対する復讐だ」 とか 京太郎「お前……俺が見えるのか!?」 とか 京太郎「ーーこれは女に対する聖戦だ」 とか 見て見たいものはあるカナ!? 592 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/08/03(日) 22 25 23.70 ID T7N+TbgQO [3/5] 585-590も含めて多数決をとってみましょう 1京太郎「壊れ行く世界で君と」 2京太郎「神代家に対する復讐だ」 3京太郎「お前……俺が見えるのか!?」 4京太郎「ーーこれは女に対する聖戦だ」 見て見たいものをお願いします 609 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 05 24.37 ID Ux1ZFhuwO それでは行きますね 京太郎「ーー認識されなくなってから随分と経ったな」 須賀京太郎高校一年生の夏。 この世の人間から無視をされてから数ヶ月が経っていた。 誰からも話しかけられず、話しかけても相手をされない。 純粋な孤独、永遠に孤独だろう。 が……少年に奇跡が起ころうとしていた。 京太郎が見えるのは!? 安価下23 15分まで 自由安価 619 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 17 04.52 ID SdYiU0fhO [7/10] シロとアコチャーで決戦投票 安価下5 多数決 好きな方の名前をどうぞ 629 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 27 27.77 ID SdYiU0fhO [8/10] アコチャーとすこやんは負ける事が宿命づけられているのか 白望「……」 京太郎「あれ?道に迷ったな」 白望「見つけた」 京太郎「ん?」 白望「ねぇ、名前教えて」 京太郎「はーー?」 白望「ダルッ……名前教えて」 京太郎「いや、どうして……だ?」 白望「……?」 630 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 27 54.70 ID SdYiU0fhO [9/10] 「お前、俺が見えるのか?」 631 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 29 01.54 ID SdYiU0fhO [10/10] さぁここで安価さ 1.実はヤンデレ 2.実は京太郎が好き 安価下5多数決 638 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 42 05.55 ID H48Cs3WCO [1/3] 白望「……」 京太郎「奇跡だ……奇跡」 白望「ん……」 京太郎「どうして俺が見えるんだ!?」 白望「好き……だから」 京太郎「」 白望「……」ペシペシ 京太郎「ど、どうして……」 白望「深く考えたら負け」 639 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 46 47.28 ID H48Cs3WCO [2/3] そして二人は幸せになりました。 ずっと二人です。 家族もできるでしょう。 誰からも見向きもされなかった少年は、かけがえのない物を手に入れる事が出来ました。 彼はそれを命がけで守るでしょう。 京太郎「シロ」 白望「ん……」 京太郎「ありがとう」 カンッ 640 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/03(日) 23 48 34.09 ID H48Cs3WCO [3/3] 1京太郎「壊れ行く世界で君と」 2京太郎「神代家に対する復讐だ」 3京太郎「ーーこれは女に対する聖戦だ」 4 1がもうひとつやってるSSをカミングアウッ! 見て見たいものをお願いします 652 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/08/04(月) 00 12 18.79 ID toukzsNcO [1/11] そろそろ忠告が大きくなってきたので ーー -- どっちがハイフンなんでしょう?9gエディターを使っていたので全く分からないです。恐らく下だと思いますが それでは2を採用します 復讐編一旦再開 654 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/08/04(月) 00 20 49.67 ID toukzsNcO [2/11] ―― 過去にはこれを使っていましたね、懐かしいのでこれを使っていきましょう。 218から再開 セーラmax セーラ「あかん……それは言うたらあかん」 怜「まだまだあるでー?」 セーラ「こ……殺すしか」 京太郎「あんたも短絡的だなオイ」 怜「怖いわぁ……」 0~30 セーラのこうげき! 31~99 怜のこうげき! 656 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 00 34 08.96 ID toukzsNcO [3/11] 京太郎「あ、トドメ刺すのねどうぞ」 怜「ほら、セーラの前行くで」 京太郎「どうやっ……」 ピシイッ 怜「時止めたから」 京太郎「もう俺必要ないじゃん……」 怜「ほら、手に入れた力……どれ使うん?」 1.最高状態 2.ミニ怜ちゃん 3.クレイジーサイコ 京太郎「うーん……意味あるのか?」 安価下3 661 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 00 51 17.34 ID toukzsNcO [4/11] ゾロ目ボーナス! 怜「セーラは犠牲になったんや……」 京太郎「可哀想に」 ミニ怜「準備完了!」 セーラの体中にミニ怜ちゃんがびっしり。 京太郎「おれがこれやられたら発狂するわ」 怜「これでセーラの黒歴史をミニ怜ちゃんが沢山言うって奴なんやけど……見る」 京太郎「やめてくれ」 セーラ撃破! ゾロ目ボーナス! 本気のセーラ 爆発力 トラウマ を手に入れました! セーラが仲間になりました 662 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 00 59 30.52 ID toukzsNcO [5/11] 朝 行動フェイズ 京太郎「……」 京太郎(結局寝ちまったな) 怜「きょーたろ……むにゃ……」ギューッ 1.学校に行く 2.サボる 安価下2 665 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 01 04 02.45 ID toukzsNcO [6/11] 京太郎「……登校するか」 京太郎(さて、次は誰を落とすか……それとも県外に行くか) 0~20 怜 21~40 泉 41~60 セーラ 61~80 浩子 81~99 竜華 668 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 01 09 57.39 ID toukzsNcO [7/11] 泉「あ、おはようさん」 京太郎「おはよう」 泉「うちってあんまり見向きもされてないんやな」 京太郎「まぁ、うん」 泉「酷い……」 泉 好感度上昇安価下 670 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 01 13 42.80 ID toukzsNcO [8/11] 泉 158 放課後 1.顔を出す 2.帰る 3.街をうろうろする 安価下3 679 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/08/04(月) 01 44 39.79 ID toukzsNcO [9/11] 全ゾロ……123ってなんやねんな…… 雅枝、泉 max 雅枝「」 泉「」 京太郎「……」 京太郎「ちっ……」 京太郎「二人を相手するのか」 京太郎「どうする……」 雅枝「ほれ……わたしに身体を――」 怜「愛宕雅枝、未亡人 趣味は自慰、最近気になっているのは須賀京太郎とかいう自分の娘より年下の男。 キモいから死ねや。 PCの検索履歴は若作りで埋め尽くされてる。 娘の若さに嫉妬するあまり、娘の化粧品を内緒で使う。 須賀京太郎のアルバムが先日完成した。 後日ウチが全部燃やしたるわ。 まだ自分は若いと思っている。 一日に一回は京太郎に胸の谷間をチラ見せしている。 残念やったな京太郎は貧乳派なんや、おどれのような贅肉興味ないわ。 そして、先日はめでたくも他の人よりも早い更年期障害になった。 京太郎にどんどん◯◯◯◯してもらいたいと思っている。 ホンマにさっさとくたばれや糞ババア」 雅枝「」 681 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 01 59 47.35 ID toukzsNcO [10/11] 泉「ちょっ……!」 怜「今の私は日本の高1で最強のつもりや 2回戦までやインターミドルと全然ちゃう……この人たちから和了れる気がしーひん……!! 全力で前傾やのに!テンパイすらできひん…!! やべーす!」 泉「」 京太郎「ああ、これ勝利確定イベントって奴だな」 怜「あのババアもう伸びてもうからアカンわ」 京太郎「色々恨み溜まってたんだなぁ」 戦犯 高1最強 悲しみのインターミドル 愛宕の母 若返り 未亡人 を手に入れました! 雅枝と泉が仲間になりました! 687 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 15 34 07.96 ID T6O3JFJxO 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするかな」 怜「ええなー」 京太郎「単位大丈夫?」 怜「フル単何回かやってるから大丈夫やで」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 8.他県に行く 安価下2 690 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 15 47 25.60 ID iimLrk4JO 京太郎「もしもし」 良子『はい』 怜「ん?なんやなんや?」 京太郎「今日、車用意出来ますか?」 良子『イエス』 怜「なんや、遠出なんか……荷物用意しとくで」ソソクサ 怜「なんかお嫁さんみたいやなぁ」ニヘラ 良子「何処へ行きますか?」 お好きな県をどうぞ(鹿児島はNO) 安価下4 697 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 17 51 39.54 ID 24KCJT5DO [1/3] 劔谷 佳子「ここです」 京太郎「今回は役に立つ能力ですか?」 良子「そうですね、癒しを手に入れる事が出来ます」 京太郎「癒し……?」 怜「そ・ん・な・こ・と・よ・り・も」 怜「なんで竜華が着いてくんねん」ジトーッ 竜華「ほら、うち仲間やし」ニコニコ 京太郎「俺が呼んだ」 怜「ならしゃあないわ。竜華膝枕してーな」 竜華「はいはい」ポンポンッ 京太郎(なんだかんだて仲がいいな……) 怜「兵庫には園城寺家と親しい家があったなぁ……まさか」ダラダラ 良子「はい、そのまさかです」 竜華「うちも知ってるわ……」 怜「去年の全国以来やな……」 竜華「うちは先月会ったで」 美幸 好感度判定安価下 699 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/04(月) 18 02 56.84 ID 24KCJT5DO [2/3] 京太郎「好感度たったの23か……」 怜「ゴミめ……」 良子「フュージョンしそうなほど息が合っていますね」 良子「それでは今日中に彼女を落としてください」ボソッ 京太郎「え?マジで?」 怜「最萌チャンピオンのうちほどでは無いけどかわええからな、浮気したらあかんで」 京太郎「あれ以来盛り上がらなくなったよな」 怜「やめてっ!それを言うなら2011からや!」 良子「怒りますよ?」 竜華「うちと怜も協力するから頑張ってや~」 京太郎「はぁ……」 702 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 00 24 42.65 ID e6/gEAGLO [1/13] 美幸家 美幸「今日はようこそだよもー」 京太郎(なんだこのアホみたいな豪邸) 怜(うちの方がでかいで) 京太郎(養ってくれ) 怜(考えとくわ) 竜華(仲良過ぎやろ……) 京太郎「よろしくお願いします」 怜「久しぶりやなー」 竜華「お世話になるでー」 怜(はよ、メロメロにしてやってぇな) 京太郎(任せろ) 良子(……) 京太郎「……さて」キュピーン 1.本人をジッと見る 2.褒める 3.仮病を使う 安価下2 705 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 00 30 34.48 ID e6/gEAGLO [2/13] 怜(京太郎が見つめてたらイチコロやろ) 竜華(そうやな、この世界の女は京太郎に対してチョロいし) 京太郎(竜華さん俺の本名知ってたんだ) 竜華(怜から聞いたで) 美幸「?」 京太郎(見つめるって恥ずかしいな……) 怜・竜華(はよしてや) 京太郎(はい) 良子(全てがテレパシーですのであしからず) 京太郎「……」ジッ 京太郎「美幸……さん」ジーッ 美幸「えっ!?」 美幸「恥ずかしいよもー!」 高感度上昇安価 0~30 50 31~60 70 61~99 90 709 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 00 39 21.05 ID e6/gEAGLO [3/13] 怜(223) 竜華(ちょろいどころちゃうわ) 美幸「あは……あはは!」 美幸「ちょっとクラクラしてきたのよもー」 ベターッ 怜(なにこれみよがしに京太郎に倒れこんどんねん、いてまうぞ) 竜華(我慢やで、我慢) 良子(この部屋は私達だけ……チャンスです) 0~70 怜 71~99 美幸がキスをねだる 720 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 01 11 28.75 ID e6/gEAGLO [5/13] 竜華「あれ……怜?」 良子「……ほぅ」 美幸「もー……養ってあげる」 京太郎「あはは……」 美幸「ほら……わたしにキスをしてよも」 「おねーちゃん何してるん?」チョコンッ 美幸「もー……?」 京太郎「天使だ……天使が居る」 竜華「あれ子供の頃の怜やで」 京太郎「はぁ!?」 怜「クンクン……おねーちゃん……うちドン引きやで……趣味がイケメンの画像収集なんて……」 美幸「もっ!?」 怜「茶道を始めた理由はモテるから」 美幸「」 怜「若い頃の自分の写真を見る度に取り戻せない時間を後悔するのは若さに対して嫉妬しすぎやろ」 美幸「わ……若さは誰だって……」 怜「語尾のもーは目立つ為なんやなぁ……うちこんな大人になりたくないわ」 美幸「」 京太郎「やばい可愛い、キスさせて怜ちゃん」 怜「えっ……ええよー///」モジモジ チュッ 竜華(ロリコンやったんか……) 良子「怜さんだからこそな気がしますね」 美幸「こ……子供に負けた」ガクッ 怜「負けるも何もあんたは産まれた瞬間から敗者やろ」 美幸「」 721 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 01 13 21.52 ID e6/gEAGLO [6/13] 癒しの波動 和の心 優しさ を手に入れました 美幸が仲間になりました 一日が終わりました 722 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 01 14 38.29 ID e6/gEAGLO [7/13] 朝 行動フェイズ 京太郎「……」 怜「うち、今でも自信あるんやけどなぁ……」 1.学校に行く 2.サボる 安価下2 726 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 01 19 32.27 ID e6/gEAGLO [8/13] 行動フェイズ朝 京太郎「さて、何をするかな」 怜「サボるのは関心せんわー」 京太郎「全部終わったら……真面目にやるよ」 怜「約束やで?」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 8.他県に行く 安価下2 729 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 01 27 42.19 ID e6/gEAGLO [9/13] 怜「待ちぃ!」 京太郎「え?」 怜「それ、ほんまにやってええんか?」 京太郎「……はっ!」 怜「あんたアホやろ……」 京太郎「でもなぁ……」 1.それでも登録 2.やめとく 安価下2 732 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[sage] 投稿日:2014/08/05(火) 01 30 15.55 ID e6/gEAGLO [10/13] 行動フェイズ朝 怜「神代にケンカ売るときだけやな、登録するのは」 京太郎「そうだな」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 7.情報収集をしよう 8.他県に行く 安価下2 736 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/08/05(火) 07 17 02.28 ID e6/gEAGLO [12/13] 訂正 ピラッ 京太郎「ん?」 怜「手紙やで」 京太郎「どれどれ?」 怜「……」スリスリ ――― 神代家の刺客が接近。 至急倒すべし。 居住地悟られるべからず。 ――― 京太郎「……もうバレたのか」 怜「どうすんねん」 ピンチ。 かなりの物だ。 京太郎を探しに大阪へやって来ている神代家の刺客。 京太郎「殺す」 怜「……」 怜(嫌……やなぁ……) 刺客は誰!? 1.おもちでかい 2.おもちない 3.おもち普通 安価下2 749 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 16 33 44.72 ID +J0EKqs/O どこか prrrr 「もしもし?」 『仕事が入った』 「あら?私に?」 『そうだ』 「へぇ……ターゲットは?」 『大阪』 「遠いわね、ギャラが弾むわよ」 『海外の仕事よりはマシだろう』タクッ 「で……名前は?」 『須賀京太郎』 「聞いたことあるようなないような……」ウーン 『中学までは長野に住んでいたらしい』 「へぇ……」 (咲に聞いてみるのがベストね) 『顔のデータは腐る程あるから送る』 『健闘を祈る』 「はいはい……ってそれだけ!?」 750 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 16 42 52.31 ID NpDK7Q7oO [1/3] 「これが須賀京太郎の顔……」 「へぇ……」 ---- ∧ . " ` . ' i / / \ i | / / /' { .\ \ | / j| ' / O/ / i ハ {从 \ . Y {' / へ / / 、 \ \) .ヽ \ . ∧ イ(_ ノ // 从 \ (  ̄/八 ハ O 〇. | / 人,} / /_{ i )  ̄ ,, ― i . /'| ノ ) / / ̄ ̄ \ / __ i l i ) / V , x=≠ミ ィァ;';';';Y Y | | | | / ヘ i .\ .)i /i 〃ん;';';'ハ fへ';';'リ 犾 / / . |. / / ノ_ Ⅵ ∨. 从 乂_);,ソ ` ー / / / . .|i { / // 、__ { 〃 ' 〃 / / / . 从 、 { { i }V \ 、ム , / / / ) | | | |' }イ i フ _,,ノ ./ , /. ) | Lj | ノ ⌒ヽ込  ̄_ ̄ { { { / ’ ; i i { } V ` イ、 { | / i |ノ=)\ 〕 __,,.. ' \ / 〉 ___ | i l |イ/ .\ |__ /从{ ̄ ̄ゞ_/ \ \ 、 八、 \ \ 、=ミ、 { \  ̄ ̄ \ \\ / ̄ \ \ i /\}xi\ \ \ \ハ ,'\\\ ̄ ̄\ |__{/ |xixix\ \(\ i i iヽ \\\ixixix从 | \,|xixixixi \ ヽ | /i| | ∧ 、\\xixixi) .ノ 〕xixixixixi/'\ )! /xixi| | /∧ 、\\-=彡、 ,xixixixixi,/| i \ ノ ノxixixi/| v / ∧ 〕 . \\xixi\ 'xixixix/ . !\!/ ヽ /xixixixi | V }i \ . .\ =---\ixixi/ . . / ヽ /xixixixixixi| i ', /∧ \ . .≧=--/\_彡' ', i ixixixixixixix| | ', /'∧  ̄ ̄ ̄ {////} ∧ | / ̄ ̄ 7' | ', / ∧ -=〈 i / ', ' V| ',ヽ/ ∧ / . | . .\ ', i | V_ノ_ / . . | . . . \ / ― ', V、 ',/xixi/-=二 _/ \ | .i\ . . .i / \i ix} ixixi/ /xi/ =--------------- \ \ |xl |xix xi/ \ヽ ', 、 \ ∧ix| |ixi \ ', \ \ , _|_|__| } `¨¨¨¨¨´ 乂______ / \ __ / 「捕縛……もしくは発見……楽な仕事ね」 「――可愛がってあげるわ」ニヤッ 久 好感度判定安価下 754 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 16 55 36.96 ID NpDK7Q7oO [2/3] 久 85 翌日 久「さて……大阪に着いたはいいものの……どうするか……」 久「……」 久「もしもし」 prrrr 『どうした』 久「最近になって大阪へ引っ越して来た人間の住所は洗い出せるかしら?」 『それは難しいな』 久「それなら転校生は?」 『それなら可能だな、今送る』 久「助かるわ♪」 ――― 久「へぇ……姫松に一人千里山に一人だけ……」 『性別までは流石に不可能だった』 久「それで十分よ」 『学校に通っているわけないと思うが……』 久「ええ、通っているわけないわね」 久「普通は完璧に身を隠すものね」 プツッ 久(手柄は私だけの物よ) 久「さて、千里山に行こうかしら」 「?」 0~20 りゅーか 21~30 セーラ 31~40 泉 41~50 雅枝 51~70 浩子 71~99 姫松 759 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/05(火) 17 52 18.03 ID nBKglSAJO [1/2] 久「ねぇあなた」 絹恵「って……あんたは」 久「あらっ……久しぶりね愛宕絹恵ちゃん」 絹恵「何の用ですか?お姉ちゃんは大学やで」 久「……」ピラッ 絹恵「……?」 久「須賀京太郎って言うらしいけど……知ってる?」 絹恵「ーー」 0~50 顔がそっくりな奴は知っとるで、てかまんま一緒や 51~99(オカンから恭平君について聞かれても変な事言うなって言われとったな……)知らないです 764 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 00 22 51.97 ID lopG31mUO [1/2] 絹恵「知ってます……名前以外は全部一緒や」 久「そう、ありがとね」 久「どこに住んでいるのかしら?」 絹恵「知らんけど……千里山の学生ですよ」 久「それだけで十分ね」 絹恵「……?」 0~30 「ねぇ、今暇?」 31~60 一旦引く 61~99 千里山直行 775 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[saga] 投稿日:2014/08/06(水) 02 13 39.04 ID 824fac6fO [1/8] 路地裏。 京太郎「……」 京太郎「……血の匂い」 ゴロンッ 絹恵、間違いなく愛宕絹恵だった。 彼女は首だけとなっていた。 京太郎「っつ……!」 京太郎「絹恵……さん」 「やっほ~」 「やっぱり殺しは楽しいわね、最高」 / / ヽ / / ' / / ', ./ / // イ 小 ヽ. l l / / // / / 丶 l l | / / {{ // / ヽ l l | / // ./" | l l | l // ,, ≠-- i l| | l / `ヾ、 / __ l l l | | /.Y´{ `ヾ、 ィ´ }`ヾ.l l l l .l |/A.ヾ O、 ノ O-″ノ Al l / rー-、 l lヾ 小 ` .,'ノl // ヽr ヽ ,, -─ -、 l ', . .ハ 丶 / l / }ー"ヽ ヽ 、 ヽ . . ハ ___ / / / `ヽ. 丶ヽ \ > . `ー-- ´ / / / 丶 } l \彡ノ `丶、 . ィ ´{´|  ̄ヾ_ _ _ / /_,, - ´/ / l |ヾ \ ` ヾl \ / / ゝ、/ l、 ,, '" | ヾ \ |ヾ \ / _ ,,ノ / ./ 丶ヽ ,, " ヾ \ \r -‐ |ヽ ヾ ヽ ノ /´ / r- ''"ヽ ./ / ', } 久「ウォーミングアップで殺しちゃった♪」 京太郎「すいません……俺と関わったばかりに」 久「無視なんて酷いわね……もう」 京太郎「……」ギロッ 0~50 京太郎優勢 51~99 久優勢 777 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 02 21 14.09 ID 824fac6fO [2/8] 久「あら……口程にも無いわね」 京太郎「……!」 久「私の邪手が避けられないのは致命的と思うんだけど?」 久「咲の幼馴染さんっ♪」 京太郎(テンポが独特……) 京太郎(ダサいネーミングセンスはおいといて……まぁでも) 京太郎(力さえ使えば余裕か……) 1.最高状態 2.ミニ怜ちゃん 3.クレイジーサイコ 4.本気のセーラ 5.爆発力 6.トラウマ 7.戦犯 8.高1最強 9.悲しみのインターミドル 10.愛宕の母 11.若返り 12.未亡人 13.癒しの波動 14.和の心 15.優しさ 安価下3 781 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 02 28 47.92 ID 824fac6fO [3/8] 最高状態の京太郎 京太郎「……」 京太郎(俗に言うゾーンって奴か) 久「はやく捕まってね」ヒュッ 京太郎「手刀」パシッ 久「!?」 京太郎「遅い、遅過ぎるぜ」 京太郎「……」ググググッ 久「痛っ……」 0~70 京太郎優勢 71~99 久優勢 786 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 02 44 19.70 ID 824fac6fO [5/8] ブシュー 久「あ……か……あ」ピューピュー 京太郎「そっくりそのままお返しだ」 京太郎「首だけになってしまえ」 ――― 怜「……どうすんねん」 京太郎「追手は確実に来るだろうな」 怜「……」ギュッ 京太郎「俺は何処かへ飛ぶよ」 怜「うちも行くで」 京太郎「怜……」 怜「死ぬ時は一緒や」ニコッ ――― 京太郎「良子さん」 良子「分かっています。さぁ……何処へ?」 逃亡地を選んでね(キャラが固まってるのが多い県にしてや!) 安価下3 790 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 03 02 42.19 ID 824fac6fO [7/8] サン○ス 良子「あって良かったコンビニ来て良かったサン○ス便利な世の中で良かった」 怜「こら」 京太郎「……」 良子「すいませんでした」 京太郎「よろしい」 逃亡地を選んでね(キャラが固まってるのが多い県にしてや!) 安価下 793 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 03 19 12.54 ID 824fac6fO [8/8] 奈良 良子「着きました」 キキッ 良子「私はまた移動します。御用があったらコールをお願いします」 京太郎「ありがとうございます」 竜華「玄ちゃん元気やとええな~」 セーラ「憧も元気でやっとるやろなー」 怜「どうして着いて来てるんや」 セーラ「細かい事は気にするなって!」 竜華「そうやで、ほんまや」 怜「腹立つわ」 京太郎「さっ……松実館へ行くか」 怜「おー!」 803 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 12 47 12.33 ID IUq0OGfxO [1/3] 玄 34 宥 54 憧 9 灼 17 穏乃 95 晴絵 188 怜「またババア……」 京太郎「そろそろ怒られるぞ」 ――― 松実館 玄・宥「ようこそ!」 京太郎「男1人、女三人の部屋で」 怜「男二人、女二人の部屋でよろしゅう」ニッコリ 玄「は……ハヒ!お久しぶりです……」 怜「そうやな、久しぶりや」 竜華「玄ちゃん久しぶりやなー!」ダキッ セーラ(……監督は娘が死んだのにそこまで取り乱しておらんかったなぁ) セーラ(俺達はこんな感じでええんかな?) 玄・宥 好感度上昇安価下 807 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 12 57 45.35 ID IUq0OGfxO [3/3] 復讐編は一旦中断です。もし再開をしたかったら、復讐編再開と打ってください 意識が混濁としている。 酷い夢を見ているようだ。 何回も何回も酷い目にーー 咲……? 京太郎「はっっ……!」ガバッ 京太郎「夢か……」 京太郎「嫌な夢を見てしまった」 京太郎「そんな事よりも今日は入学式だ!」 京太郎「楽しみだな」 可愛い女の子と……うへへ。 京太郎が通う高校は?(まだキャラが固まっていない高校はナシだヨ!) (プロ編解禁!プロ編が良かったらプロ編と打ってください) 安価下10 841 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 23 39 47.40 ID zbywE2wmO [3/8] 方言にしとったらいかんとよ 入学してからそれなりにたっています。 姫子「あー京太郎」フリフリ 京太郎「姫子さん」 姫子「今日もがんばっと」 京太郎「はい!勿論!」 姫子「うんうん、よかよか」ウンウン 京太郎(あー可愛い) 姫子「さっ!学校いこっ!」 姫子 好感度上昇安価下 845 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 23 42 47.72 ID zbywE2wmO [4/8] 姫子 86 放課後 京太郎「どうしようかな」 1.部活行く 2.帰る 3.街をうろうろ 安価下2 851 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 23 49 09.15 ID zbywE2wmO [6/8] 煌「お、京太郎君」 京太郎「煌さん、こんにちは」 煌「さ、練習ですね!」スバラッ 京太郎「おー」 煌「ふふんっ」 煌 好感度上昇安価下 853 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/06(水) 23 55 11.97 ID zbywE2wmO [7/8] 煌 58 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 863 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 07 05.08 ID FTmUhXPUO [2/10] 哩 108 哩「お、京太郎」 京太郎「あ、哩さん」 哩「今日は遊ぶと」 京太郎「え」 哩「私は京太郎と遊びたか」 京太郎「は……はひ!」 哩「よしよし」 哩 好感度上昇安価下 866 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 10 30.69 ID FTmUhXPUO [3/10] 哩 148 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 872 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 30 44.65 ID FTmUhXPUO [5/10] ――― 京太郎 あ、はい 京太郎って なんでしょう? 姫子さん? 好きな人……いる? ――― 京太郎「え……」 1.居ない 2.居る 安価下2 875 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 41 22.92 ID FTmUhXPUO [6/10] ――― 居ないですね よか よかですか 高校生が浮つくのは良くないと そうですかーうーん ――― 姫子「チャンス……?」 姫子「ふふっ♪」ギューッ 姫子「大好き……」 姫子 好感度上昇安価下 879 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 44 49.82 ID FTmUhXPUO [8/10] 朝 行動フェイズ 京太郎「……」 1.学校に行く 2.サボる 安価下2 888 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/07(木) 00 54 09.41 ID FTmUhXPUO [10/10] 京太郎「……」 京太郎「姫子さん?」 玄関の前には姫子。 姫子「30分待ってた」 京太郎「え……」 姫子「ずっと待ってた」 京太郎「姫子さん?」 姫子「好きです」カァァ 姫子「ずっと……ずっと好きでした……!」 1.OK 2.断る 安価下3 900 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 22 56 40.54 ID wP8gQbmGO [2/16] 京太郎「喜んで!」 姫子「きょーたろー!」ダキッ 姫子「大好きばい大好きばい」スリスリ 姫子「ぬっかぬっか~」スリスリ 京太郎「ちょ……ちょ……///」 ――― 哩「……」 哩「姫子……裏切ったか」 哩「もうよか」 パキィンッ _ _ 〃 / / / . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ', {/〃7 {{ / / / /. /. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .′ __) 人_ ∨/ イ {/\\. . . . . . . . . . . . . . .、 . . . . . . . . ′ `ー< / ⌒≫x、 }iレ'′. \ 〃. . / У. /j. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .! 乂_ ≫'′ . . . . ;/ . //. . /...|. . . . . . . . . . . . .}. . . . . . . . | >. '′. . . . . . ./{. ./ _\ {/......|. . . . . . . . . . . . i|. . . . . . . . | / . . . . /. . . /⌒ Ⅳir庁冬、....|. |. . . . . . . . . .八 . . . . . . | /. . ./. . /. . . / } 乂ソ ...|. |. ./. . . /. /. ハ . . . . . } ″ /⌒/. . イ 〃 、 八 ,, ..{/|. . ./|/γ⌒) . . . ノ__ { / / }/ \ 、 ′ ...,,j/........._,. くヒマく、 / {′ ′ ヽ / _へ ` =ヽ....... イ´ 〉 \}. ∨ 〉 / 介ー= ≦ / 、 . 〉 .′ ⌒〔 ⌒ハ / 〉ーx { 人 ≫|_,/ / | / '′ / 901 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 22 57 48.08 ID wP8gQbmGO [3/16] 「――そんな鎖必要なか」 903 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 22 59 43.97 ID wP8gQbmGO [4/16] 好感度リンクが解けました 哩の依存度が50上がりました 哩 156 放課後 京太郎「どうしようかな」 1.部活行く 2.帰る 3.街をうろうろ 安価下2 915 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 14 56.93 ID wP8gQbmGO [8/16] はやり 68 はやり「へー」 はやり「君、麻雀が上手くなりそうだねっ☆」 京太郎「おもち……おもち……」 はやり「今度教えてあげるよっ☆」 京太郎「ダメダオレニハヒメコガ……」 はやり「?」ハヤヤッ はやり 好感度上昇安価下 918 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 22 56.20 ID wP8gQbmGO [9/16] はやり 88 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 921 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 30 54.63 ID wP8gQbmGO [10/16] 京太郎「電話するか」 安価下2 924 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 34 55.88 ID wP8gQbmGO [11/16] 煌 68 煌「もしもし?」 京太郎「煌さん」 煌「どうしましたか?」 京太郎「俺、姫子さんと付き合う事になって……」テヘヘ 煌「おめでとうございます!」 煌「とってもお似合いですよ!」スバラッ 京太郎「あはは……」デレデレ 煌「とっても……」 925 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 35 22.82 ID wP8gQbmGO [12/16] 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 929 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 40 15.37 ID wP8gQbmGO [13/16] 京太郎「メールするか」 安価下2 934 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 46 52.83 ID wP8gQbmGO [14/16] 京太郎「……」メルメル 京太郎「ふむふむ」メルメル 京太郎「今度デートする事になった……」 一日が終わりました 935 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/09(土) 23 47 26.17 ID wP8gQbmGO [15/16] 朝 行動フェイズ 京太郎「……」 1.学校に行く 2.サボる 安価下2 942 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 00 05 43.89 ID 4ClDvyrRO [1/5] 美子「おはよう」 京太郎「おはようございます」 美子「今日は部活に出る?」 京太郎「うーん……」 美子「一応今日は部活あっけんちゃ 」 京太郎「教えてくれてありがとうございます」 美子「気にせんでちゃ」 美子 好感度上昇安価下 946 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 00 11 40.23 ID 4ClDvyrRO [2/5] 美子 130 放課後 京太郎「どうしようかな」 1.部活行く 2.帰る 3.街をうろうろ 安価下2 955 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 00 50 00.56 ID 4ClDvyrRO [4/5] 姫子「見て…….」 京太郎「姫子さん……」 姫子「呼び捨てがよか……」 京太郎「姫子……」 哩「……」イライラ 哩「京太郎……」ボソッ 哩「……」 956 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 00 50 43.08 ID 4ClDvyrRO [5/5] 行動フェイズ夕方 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2 966 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 13 19 46.31 ID eyM2VKleO [3/4] 哩「好きばい」 京太郎「部長……?」 哩「そいけん付き合ってほしか」 京太郎「ごめんなさい……俺には姫子さんが……」 哩「そぎゃんの知ってる」 哩「姫子よりも……ウチば選んで欲しか」 京太郎「部長……」 哩「……」ススッ 京太郎に身を擦り寄せて上目遣いで甘えた声を出す。 甘ったるくて頭がどうにかしそうなくらいに。 哩「京太郎ぉぉ……」スリスリ 京太郎「ご……ごめんなさい」 哩 好感度上昇安価下 969 名前: ◆3tY9LUZmV5E6[] 投稿日:2014/08/10(日) 13 23 43.01 ID eyM2VKleO [4/4] 哩 206 行動フェイズ夜 京太郎「さて、何をするか」 1 「雀荘に行ってみようかな」 2「街をうろうろするかな」 3「メールしようかな」 4「電話しよう」 5「LINEしよう」 6.TwitterとFacebookに登録 安価下2
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1 名前: ◆r05KxLrr0E[saga] 投稿日:2013/07/13(土) 01 24 01.18 ID opIPghBGo [1/27] このスレは本格美少女麻雀物語、咲-Saki-の不遇な男の子、須賀京太郎くんを主人公とした安価スレです 京太郎くんは原作同様空気です、なお現在は順調に友だちを増やしつつある模様(女の子限定) 三箇牧を舞台として、京太郎くんと住人の女の子たちで学園生活を満喫しつつ、麻雀も楽しみます 三尋木咏(15)や赤阪郁乃(17)など原作設定無視のキャラもいます 何番煎じ?そんなの知らんですよ ご年配の方から小さなお子様まで取り扱うのが当スレの基本理念です
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1362666103/ 新人戦当日。 私は暗い顔で清澄高校の控室にいた。 女子日程は無事に終わり、これから男子日程が始まる。 私は睡眠不足と昨日の「あれ」からか体調は最悪だった。 そして須賀君の出番が近づくにつれて私の心の動揺は強くなっていった。 「久、顔色が悪いぞ。大丈夫か?」 こうやってまこに心配されるぐらい、私の体調の悪さは傍目に見てもよくわかるらしい。 「大丈夫、ちょっと寝不足なだけ。昨日眠れなくてね……」 「なんじゃ、緊張でもししたんか?」 「そうみたい……。まぁ、教え子の晴れ舞台だからね」 嘘はついていない。 彼が新人戦でどの程度やれるのかというのは非常に心配していることだ。 だが、それ以上に私が落ち着かないのは昨日の一件からだ。 ちらりと須賀君に目をやる。 「きょ、京太郎。あー腹とか減ってないか? ほら、タコスとかどうだじぇ?」 「ゆーき、落ち着きましょう。まずは落ち着いて落ち着けば落ち着けるはずです」 「いや、お前らが落ち着けよ」 優希と和はひどく落ち着かない様子で須賀君に話しかけている。 肝心の須賀君はそんな二人を呆れながら見ていた。 「あーここまで来たらなるようにしかならん。とにかくおとなしくしとれ」 まこにそう窘められ和と優希は渋々といった感じに椅子に座った。 まぁ、気持ちはわかる。 やるべきことはやった。教えるべきことはすべて教えた。 後は、全て須賀君次第だ。 聞きたいことは、ある。それでも今は須賀君の勝利を祈ろう。 「あれ? 咲ちゃんは?」 「そういえば、先ほどトイレに行ったきり帰ってきませんね」 優希と和がきょろきょろと辺りを見回すが咲の姿が見当たらない。 「まさか……」 まこが呻くような声を出す。 控え室に妙な空気が流れた。 「いや……まさか、この会場が初めてってわけでもないですし」 和がフォローを入れるが声に力が全くなかった。 「咲ちゃん、携帯置いてっちゃってるじぇ……」 そんな優希の言葉が引き金だった。 須賀君が立ち上がる。 「俺、ちょっと咲を探してきます。多分また迷子に……」 「待って」 私は、反射的に声を上げた。 殆ど無意識に。 「須賀君はすぐに試合なんだから、ここでおとなしくしていなさい。私が行くわ」 もっともらしい理由だったけど、それ以上に須賀君の口から咲という言葉を聞きたくなかった。 「そうですよ須賀君。じゃあ、私と優希と染谷先輩で探しに行きますか」 「仕方ない咲ちゃんだじぇー」 「むぅ、すまんが頼んだぞ。何かあったら連絡するけぇ」 他の3人が私の言葉を支援してくれる。 須賀君は渋々といった感じで座ってお願いします、と言って頭を下げた。 やはり、私は悪運が強い。 こういう時ばかり、どんなに低い確率でもその結果を掴み取る。 「た、竹井せんぱいー。よかったー」 私と優希と和でそれぞれ別のところを探しているというのに、私が一番に見つけてしまった。 咲が、私のところに近寄ってくる。 「お、おトイレ見つけたのはいいんですけど、帰り道が分からなくなっちゃって。け、携帯も置いていっちゃって」 咲は涙目になりながらも私に合流できたことに安堵しているようだ。 私はそんな咲を見ながら、私の心に芽生える嫉妬心を抑えることに必死だった。 なんで なんで、こんな子に 麻雀意外にろくに取り柄がないような、こんな子に 私の方が 私の方がずっと…… そんなことを考えてはいけないと必死に抑え込む。 一緒に歩んできた仲間。 大切な仲間なのだ。 こんなこと、考えてはいけないのだ。 「……竹井先輩?」 返事を返さない私に不思議がったのか、咲が再び声をかけてくる。 私は思考を切り替え、無理矢理笑った。 「咲の方向音痴も筋金入りね。戻る前に皆に連絡するからちょっと待ってね」 私はメンバーにメールを送りながら咲をちらりと見る。 いつものように、気が抜けるような柔らかな顔をしている。 思わず、心の中で舌打ちをした。 「さて、行きましょうか?」 メールを送り終り、控え室に向けて歩き出す。 咲も返事をして私の横に並んだ。 横に並んで歩く咲を見る。 こうなって初めて分かった。 私にも女としてのプライドがあるようだ。 私と比べると大分背が小さい。 顔つきもまだまだ子供っぽい。 体型だって中学生、下手すれば小学生でも通じるかもしれない。 そんな子に、須賀君が……。 そう考えるだけで言いようのない感情が爆発しそうになる。 「ねぇ……」 そんな精神状態だからだろうか。 思わず、私は咲に問いかけた。 「須賀君と付き合ってるの?」 「えぇ!?」 突然の話に咲は素っ頓狂な声を上げて驚いた。 「この前、休みの日に2人で寄り添って歩いているのを見ちゃってね。ずいぶん仲よさそうだったわよ」 そういうと咲は心当たりがあるのか顔を赤くした。 そして、何かを考え込んでいるのか、迷っているのか、落ち着かない態度を取っている。 「えっと」 ――否定しろ 「その」 ――違うと言え 「……」 ――違うと、言ってほしい 「はい……」 「ふぅん、いつから?」 意外と冷静にその言葉を発することができた。 叫びさなかったこと、泣き出さなかったことに驚いた。 いや、違う。 その咲の嬉しそうに、恥ずかしそうにする肯定する姿を見て私の心は凍りついたのだ。 「えっと、あの、長野予選の後ぐらいから。京ちゃんちょっと落ち込んでる時期があって」 咲は何かを懐かしむように、目を細めた。 「それで、一緒に居て励ましてるうちに……その、京ちゃんのこと、すごくすごく大切に思えて」 咲は頬をますます染める。 自分で言ってることが相当恥かしいようだ。 「その、それで、私が京ちゃんに好きって言って……それから」 あぁ、なるほど。 須賀君が負けたあの時から。 つまり私はそもそも出る幕がなかったということか。 余りにも、滑稽すぎる。 「ご、ごめんなさい黙っていて! その、新人戦が終わって落ち着いてから言おうって京ちゃんと……」 「別に怒ってないわよ」 笑って言った。 笑った、つもりだった。 ちゃんと笑えているかはわからなかった。 「仲良くやっているみたいね。それで、どこまで行ってるのかしら?」 私は心の中の嵐を抑えながら、いつもの人をからかう時の表情を顔に浮かべた。 咲はそれを聞いて慌て始める。 「ど、どこまでってっ!?」 「そりゃあ、ねぇ。年頃の男と女じゃない? そういったことも……」 「してません!」 咲が私の言葉を慌てて遮る。 「きょ、京ちゃん優しいから、べ、別に焦らなくていいって」 「あら? そこまで聞いてないわよ?」 くすり、と笑ってみせる。 内心、咲に対する嘲りの感情もあったが。 咲は恥ずかしさが限界まで来たのか顔を伏せた。 私は、それを聞いて芽生えた感情に無理矢理蓋をして控え室までの道を急いだ。 その後、控え室に戻って須賀君の新人戦を見守った。 メンバー的にはとくに有名選手がそろっているわけではないので、須賀君にも勝ち目がないわけではなかった。 だが、この日彼は運に恵まれなかった。 とにかく手が入らない。 仕掛けを入れるのも難しかったり、そもそも他家の手が早く太刀打ちができないなど、悲惨な状況だ。 『ツモ。1,000-2,000』 そして今、南3局。須賀君の最後の親が流された。 モニタを見つめる全員の瞳は暗かった。 「厳しいのぅ。この親で何とかアガりたかったが」 まこが苦しげに呻く。 私は和が描いているメモを横から覗き込んだ。 『オーラス開始時点』 上田 18,200 松本 34,300 京太郎 17,400 須坂 30,100(親) 「満ガンツモでは届かないというのが厳しいですね……直撃なら満ガンでもいいんですが」 「でも2着でいいこの個人戦、オーラスどこまで前に出てきてくれるかわからないじぇ」 「……何とか、逆転の手が入ってくれることを祈りましょう」 私はそう言って手を組みあわせた。 そう、いろいろ悩みはある。でも今は彼に、彼に勝利を。 控え室の全員がモニタを見つめた。 そして、配牌が配られた。 『京太郎配牌』 1125699m3s28p西西白 ドラ7s 「混一色……か」 その配牌を見てまこがポツリと呟いた。 「やむなし、ですね。この手で跳満を作るにはそれぐらいしか見えません」 「苦しい形だけど……頑張って、京ちゃん」 だが、これまでの不幸の反動を受けるように須賀君の手は目覚ましい伸びを見せていった。 【1順目】 1125699m3s28p西西白 ツモ3m 打3s 【3順目】 11235699m28p西西白 ツモ西 打2p 【6順目】 11235699m8p西西西白 ツモ7m 打8p 【7順目】 112356799m西西西白 ツモ8m 打白 そして、9順目。 そのツモを見た控室は歓声に包まれた。 【9順目】 1123567899m西西西 ツモ9m 「引きおった! よく引いたぞ京太郎!」 望外の聴牌。ここまで順調に引けるとは予想外だった。 だが、優希が嬉しさ半分といった表情で告げた。 「でも、4萬がすべて切れてちゃったじぇ。跳満の種が……」 「いえ、この引きならまだ未来があります」 和が断言する。思わず、そちらに視線が集まる。 「須賀君が九萬を暗刻にしてくれたので符が高くなりました。黙聴で構えて、1-4萬か5-8萬で直撃が取れれば……」 「あっ、逆転! 混一色のみだけど、6,400点直撃なら100点差で逆転できるよ!」 メモを見ながら咲が嬉しそうな声を上げていた。 「えぇ、とは言え簡単に取れるものでもありませんから……リーチをかけてツモ裏狙いで跳満を狙うというのも選択肢の一つです」 モニタの中の須賀君は必死に何かを考えているようだった。 場況を必死に見て考え、決断を下そうとしている。 そして、ゆっくりと1萬を切り出した。 4578萬待ち。 だが、4萬はさっき優希が言ったように枯れているし、5-8萬でなければ符が足りないため実質そこだけの待ちだ。 直撃狙い。 須賀君はそれを選択したようだ。 「8萬切りで1-4萬受けなら、2萬3萬を引いてきた時にリーチしてツモればぴったり跳満! ってできそうだじぇ?」 「悪くないとは思うんですが、1萬が1枚場に切られてて4萬は全枯れ。 2萬も2枚場に切られてますからちょっと厳しいって判断したんでしょうね」 「京太郎……こういう微妙な計算もできるようになったんじゃな」 まだ勝負が終わったわけではないが、まこは嬉しそうにそういった。 なぜか、自分か褒められた気がして私も嬉しかった。 場は進む。 次巡は何も起こらず、2着目も当たり牌を切らずに終わった。 そして、その次の順目だった。 【11順目】 1235678999m西西西 ツモ東 ドラ7s 場に1枚切れの東。 私だったら思わずそれでリーチを打ってしまいそうなツモだった。 まぁ、さすがにツモ切るだろう。 控え室にいる人間は全員そう思っていただろう。 だが、須賀君は長考に入った。 「手を変える気ですか? まぁ、確かに6,400点確定でまだ直撃がとりやすいかもしれませんが……」 「だが、残り2枚。少し、苦しいじゃろうな」 いつかのインターハイでの出来事が思い出される。 あの時の彼は私の真似をして悪い待ちを選び、それで敗北した。 どこか似た状況に私の心は高鳴った。 小さな期待があった。 散々そんなことはしてはいけないといったけれども。 なぜかどこか私はそれに期待をしていた。 あんなことがあったからだろうか、私はそんなことを想っていた。 そして、長い長考の後、須賀君はついに決断した。 「リーチっ!」 1235678999m西西西 ツモ東 打8m ドラ7s ――あぁ 私は、その打牌を見た瞬間に言いようのない幸福感に包まれていた。 それとは対照的にそれを見た和はいつかのように叫び声をあげた。 「な、何でリーチを!? 直撃狙いなのに何故!?」 「て、点数が足りてないからリーチしなくちゃとか思ったのか?」 「いや、そうじゃったら聴牌の時点でリーチを打っとるじゃろう」 優希もまこも慌てている。 直撃狙いなのに、わざわざ聴牌を告げるリーチ宣言。 わざわざ自分で悪い方へ打っている。 だが、それが私。 私の打ち方なのだ。 彼の心の中に、まだ私があるのだ。 この数か月彼と接し続けて、彼の中に私が残したものが、残っているのだ。 まだ、私に憧れてくれているのだ。 私があれほどやめろ言ったのに、それでも捨てきれずにこうして打ってくれたのだ。 そして、咲に対する優越感があった。 須賀君はあなたじゃない、私を選んだ。 貴方の大好きな須賀君に、貴方の大好きな麻雀の中では、貴方はないのだ。 麻雀という人生の中に占めるにはほんの少しの部分かもしれないけど。 咲じゃない、私があるのだ。 ざまぁみろと、言ってやりたかった。 「須賀君、あれほどしないと言ったのに……。なぜわざわざ悪い待ちを」 和が何か呻いているが、耳に入らない。 ――本当に、いい子。 ――私の大切な子。 ――大好きよ。須賀君 ――私の…… 「違うよ」 はっきりとした咲の声が、控室に響いた。 慌てていた3人も、幸福の中に落ちていた私もその声に反射的に顔を向ける。 私は何か水が差されたかのように不機嫌を隠せずに咲を見た。 「咲さん。違う、とは?」 和が訪ねる。 そうだ、何が違うというのだ。 あれは、私の麻雀。 私が残し、彼が選んでくれたもの。 それの、何が違うというのだ。 そんな私の思考を断ち切るように、咲は微笑み、愛しげにモニタを見て呟いた。 「悪い待ちなんかじゃないよ」 咲はすっと、軽くモニタを撫でた。 その言い方が、ひどく腹が立った。 私の残したものなのだ。 咲にそのように言われる筋合いは…… 「悪い待ちじゃなくて……」 「カンできる待ちを、選んだんだよ」 それは、いつか私が言った言葉。 冷や水をかけられたように私の心が冷たくなっていく。 違う。 そんなはずが、ない。 彼は私の打ち方を、私を選んでくれたのだ。 そこに、咲の姿があるわけがない。 あっては、いけない。 そんなことが、あるはずがない。 歯がガチガチと鳴る。 動揺が隠せない。 それに対して咲は落ち着き払って、慈愛に満ちた目でモニタを見つめていた。 倒れこみそうになりながらも、私もモニタを見つめた。 1発目は空振りで、今からその次の牌をツモるところだった。 酷く、悪い予感があった。 私の足元から全て崩れていくような。 全て終わってしまうような。 そんな予感があった。 モニタの中の須賀君が、ツモを手に取る。 ――やめて。 ――引かないで。 ――そんな、そんなこと、あるわけがない。 ――だから、引かないで。 「カンっ!」 123567999m東西西西 ツモ9m ドラ7s 「嘘……」 和が口をぽかんと開けていた。 優希もまこも呆然としていた。 咲は、それを当たり前かのように微笑みながら見守っていた。 須賀君は震えながらも新ドラをめくった。乗っていない。 そして、須賀君は嶺上牌に手を伸ばしていく。 頭がまた痛くなってくる。 体が震える。 思わず吐きそうになる。 逃げ出したくなる。 ――ありえない。 ――なぜ、なぜ? ――私を選んでくれたんじゃ、ない、の? ――お願い ――私が残したもの、私が残そうとしたもの ――そこまで、そこまでは咲に渡したくない ――そこだけは、私のものなの ――だから、お願い ――お願いだから ――引かないで、須賀君! その時、私は確かに須賀君の『敗北』を願った。 「ツモ。立直、ツモ、混一色。……それと、嶺上開花で3,000-6,000!」 123567m東西西西 カン9999 ツモ東 『終局』 上田 15,200 松本 31,300 京太郎 29,400 須坂 24,100 控え室が歓声に包まれる。 咲が涙を流しながら飛び跳ねている。 優希が近くにいたまこに飛びついて喜んでいる。 まこがそれを受け止めて同じように喜んでいる。 和が何か言いたげだけどそれでも、嬉しそうに笑っている。 そんな4人を私は遠い世界のものを見るように眺めていた。 須賀君は、咲を選んだ。 咲は、私が残そうとしたそれまで奪い去っていった。 不条理な理屈だとは思う。 自分でも混乱していると、どこか冷静な自分もいた。 それでも、その感情は止められなかった。 「嫉妬」という、暗い感情を。 許せない 全て、咲に持ってかれてしまう そんなのは嫌だ あんな、あんな子に あんな子にすべて持って行かれてしまうなんて そんなのは絶対に嫌だ ――してません! ――きょ、京ちゃん優しいから、べ、別に焦らなくていいって ふと、先ほどの咲の言葉を思い出した。 あぁ、まだ まだ、間に合うかもしれない 私の欲しいもの まだ手に入るかもしれない そう、あの子はもともと もともと私の「おもちゃ」だったのだ 咲のじゃない 私のだ 私のものなのだ だから 「渡さない」 ぼそりと言った、私の呟きは控室の喧騒にかき消され、誰の耳にも入ることはなかった。 須賀京太郎は、対局室から全力で控室に戻る道を走っていった。 皆に今すぐにでも伝えたかった。 特に、受験や進路のことで多忙を極めるのに自分のために時間を使い丁寧に指導してくれた久に、一番に報告したかった。 貴方の弟子は何とか勝てたと報告したかった。 「はぁ、はぁ……」 息が切れるが、それすらも幸せだった。 控え室前にたどり着き、扉を勢いよく開けた。 「勝ちました! やりました!」 そう勢いよく叫ぶ。 そんな彼を麻雀部のメンバーが取り囲んだ。 「京ちゃん! すごいよ!」 「やってくれたじぇ京太郎!」 「まったく、また非効率なことを……。まぁ、裏ドラは乗ってなかったですし、あのアガリじゃなければ跳満は届かなかったですし、その、えっと」 「全く、和は素直じゃないのう」 和やかな空間。 喜びを分かち合えることに京太郎はさらなる幸福感を味わっていた。 そして、視界の端に久の姿を捉えた。 「竹井先輩! 勝ちました!」 その声を聴いて、うつむいていた久はゆっくりと顔を上げた。 無表情だった。 その姿に京太郎はどきりとする。 だが、そんな京太郎を気にせず、久は口を開いた。 「おめでとう、須賀君」 にぃ、と今まで見たことのないような笑みを見て、京太郎は何か、ぞくりとする何かを感じた。 だが、その笑みも気が付けばいつもの悪戯を思いついた子供の笑みに変わっており、再度確かめることはできなかった。 「あーあ、残念だったじぇー」 新人戦を終え私たち清澄高校麻雀部一同は帰途についていた。 歩きながら、全国進出を決めたはずの優希がそんな声を漏らす。 「あぁ。ほんの1枚ツモがずれてたら俺が700-1,300アガって逆転だったんだけど」 あの後、須賀君は2回戦に進出し、そこではそこそこ手に恵まれ、危なげなく3回戦に駒を進めた。 3回戦では軽い手をアガった後に1人が飛んである種棚ボタな2着通過。 だが、次の4回戦ではオーラスで2着まで2,000点差状況まで漕ぎ着けたのだが、2着目とのめくり合いに競り負け、そこで敗退が決まった。 「もうちょっとで決勝卓だったのにね。そうすれば京ちゃんも全国にいけたかもしれないのに……」 咲は須賀君以上に残念そうな顔をしている。 それを見た須賀君は苦笑しながら咲の頭を軽くぽん、と叩いた。 「もちろん全国には行きたかったけどな。でも、やれるだけのことはやった。悔いはないさ」 「えぇ。高校で初めて麻雀を覚えてここまで勝ちあがれたんです。立派だと思います」 「総合18位かー。確かに中々のもんだじぇ。あの人数の中ではかなり上のほうだし」 普段厳しい和やよくからかってくる優希の言葉に須賀君は照れたようにそっぽを向いた。 そして何かをごまかすように少し言葉に詰まりながら喋りだす。 「ま、まぁ、せっかくだったら、11位ぐらいにはなりたかったな」 「なんでだじぇ?」 「ほら、今日11月11日だろ? 11位だったらなんか得した感じじゃん?」 「なにそれ」 少し暗い顔をしていた咲だったが、須賀君の言葉にようやく笑みを見せた。 それを見て何かを安心したかのように須賀君は笑った後、ふと真剣な顔を見せた。 「まぁ、皆に比べれば吹けば飛ぶような実績だけどさ。それでも勝てたことが、結構嬉しいんだ」 「うむ。この調子でこれからもっと力をつけていけば、もっといい成績を残せるじゃろう。全国だって、見えてくるかも知れん」 「全国……」 須賀君は何か酷く尊いものを見たかのような口振りでそう呟いた。 「頑張ってね、須賀君」 私はそんな姿の須賀君を見ていたら気がついたら口を開いていた。 「来年になれば、男子部員だって増えてくるかもしれない。そしたら、男子も団体戦に出られるわ」 「そうなると京太郎は男子団体戦の大将じゃな」 私の発言にまこがニヤニヤと笑いながら続いた。 「ちょ、やめてくださいよ」 「何を照れておるんじゃ。男子ではおんしが最上級生になるんじゃぞ? あながちありえない話でもあるまい」 「そうよ、須賀君。それに」 その光景を想像すると、私の心は高鳴った。 「私も見てみたいわ。須賀君が男子を率いて団体戦に挑むところ」 そうなったら応援に行くわよ、と付け足すと須賀君は何か真剣な表情をして、ポツリと呟いた。 「……団体戦かぁ」 須賀君がどこか遠い目をしている。 その気持ちは私にも痛いほど分かった。 私だってずっと同じ思いだったからだ。 「大将じゃなくてもいいから、出てみたいですね」 「そうだね。来年は、男子も女子も一緒に団体戦、出たいね」 そう話しながら、当たり前のように須賀君の隣を歩く咲に軽く苛立つ。 まぁ、今はいい。 今は。 だがその場所を私のものにしてみせる。 そんなことを考えていると秋の冷たい風が強く吹いた。 優希が体をすくませながらコートのポケットに手を入れた。 「うー、寒いじぇ……」 「もう11月ですからね。最近朝も寒くて寒くて」 「あー、わかるわかる。布団から出るの辛いよな」 「京ちゃんのそれはいつもことでしょ」 楽しそうに話している1年生を見ていたまこが何かを思いついたように口を開いた。 「そうじゃな。暖まりがてら、茶でも飲んでいくか?」 まこが指差す先には喫茶店があった。 時間的にはまだ夕方だし、お茶を飲む時間ぐらいはあるだろう。 1年生全員は乗り気なようでまこの言葉に賛成していた。 「ごめんなさい、私はちょっと先に帰らなくちゃいけないから。皆で行ってきて」 だが、私はその誘いを断った。 いろいろ考えたいことも多いし、早く一人になりたかった。 「む、そうか。残念じゃな」 「えぇ。それじゃあ、私は先に失礼するわね」 そう言って一同に手を振る。 それぞれ残念そうに私を見送ってくれる。 そして私は去り際に須賀君のほうをチラリと見た。 須賀君も何か言いたげに名残惜しそうに私を見ている。 本当に、かわいい子だ。 「それじゃあ、また、ね」 私はそう言ってその場を立ち去った。 心の暗い感情を、押し隠したまま。 私はその日の夜、私はベットに横になっていた。 そして、これからどうするかと言うことに思考を巡らせる。 須賀君を、咲から引き離す。 そうするにはどうすればいいか? 話を聞く限り、いわゆる「そういうこと」はまだしていないらしい。 ちょっと意外。 あのエッチな須賀君が手を出していないとは。 確かに咲は奥手だろうが男の子と言うのは「そういうこと」をしたいものではないのか? 私とてそこまで色恋沙汰の経験があるわけではないが、そう言ったものだと聞く。 咲に対して見栄を張っているのか、はたまた男の意地と言うやつなのか。 ともかく2人はまだいわゆる「清いお付き合い」と言う奴なのだろう。 2人の間に決定的な何かは、きっとまだ無い筈だ。 その上で考えられる手段。 「やれる、かしらね。私に」 その手段を考えたとき、思わず口に出た。 ふらりと立ち上がり、クローゼットの扉を開いた。 扉の内側には大きめの鏡が付いており、私の体を映していた。 鏡の中の自分と目が会う。 疲れきった顔だった。 ふと、咲の朗らかな笑顔が思い出された。 それと同時に黒い感情が、私の心を支配していく。 無意識に、私は着ていたシャツのボタンに手をかけた。 「負けて」 呟きながらボタンをはずし、シャツを脱いだ。 それと同じように、履いていたスカートにも手をかける。 「負けてない」 ぱさりと音を立てて床にスカートが落ちた。 鏡に下着姿の自分が映された。 その姿をじっと見つめる。 こうやって自分の姿を見つめ続けた経験など殆どなかった。 ましてや下着姿だ。 どこか、滑稽な感じもした。 それでも、私はその姿を見て、自分に暗示をかけるかのように呟いた。 「私は、負けてない」 和と比べてしまうと霞むだろうけど、胸はそこそこに膨らんでいる。 腰だってくびれている。 お尻もまぁ、いい形をしていると思う。 そんなことを考えて若干優越感を抱いた。 そしてすぐに、自分の惨めさに涙が出そうだった。 でも、仕方ないのだ。 咲になくて、私にあるものはもう、これしかない。 その現実に心が痛くなる。 この数ヶ月、私が彼に残したと思っていたものは、結局咲には勝てなった。 須賀君は、あの状況で咲を選んだ。 そして勝った。 私の打ち方をしたときは勝てなかったのに。 その現実が、咲と私の差を見せ付けられているようで。 私の滑稽さを、惨めさを突きつけられているようで。 それらが 「咲には、渡さない」 私に暗い決意をさせた。 ―――――――――――――――――――― それと同じころ、須賀京太郎は自室で牌譜を眺めていた。 「本当に引けたんだな、俺」 その牌譜は新人戦1回戦の牌譜だった。 和の綺麗な字で書かれたそれは京太郎がオーラスで跳満をツモり逆転2位になったことを表していた。 「……俺、勝てたんだ」 大会が終わって時間が経った今でも、京太郎は喜びに包まれていた。 この数ヶ月ひたすら麻雀に打ち込み、ひたすらに努力を重ねてきた。 無論、あの新人戦に参加した殆どの人間が京太郎と同じように努力してきただろう。 京太郎より長く麻雀に打ち込んできた人間もいただろう。 そんな中でも、京太郎は小さいとは言え勝利を掴むことができた。 京太郎にはコンプレックスがあった。 自分のやっていることなど無駄なのではないか? 自分は皆と同じように勝つことが出来る人間なのだろうか? いつか、麻雀部の皆から弱さを指差され、嘲笑われてしまうのではないか? そんな不安を抱えていた。 でも、勝つことは出来た。 本当に小さいものではあったが、勝つことが出来た。 その事実が嬉しくてたまらなかった。 そして、心の中で決意を固めた。 (うっし、また来週から頑張るか) (大会後だから来週の練習日少なめだけど、自主練だ自主練) (んで、これからも必死に練習して、来年のインターハイは全国を目指して……) そこまで考えたとき、ふと蘇った言葉があった。 ――それでも申し訳ないと思うんだったら、新人戦で勝ってちょうだい―― ――そうすれば、私も報われるわ―― 「そっか、竹井先輩……」 京太郎はインターハイ後、新人戦までの教育は久が受け持つとまこから言われていた。 事実、夏からこの新人戦までマンツーマンといっていいほど、ひたすらに指導を受けてきた。 だが、それは新人戦が終わった今、もう終わりと言うことを理解した。 「馬鹿。これから忙しくなるんだから、無茶言うな」 久は将来に向けて大事な時期でありこれ以上時間を割かせるわけにはいかない。 そう考え心によぎった気持ちを振り払い、頭を振った。 (でも……ちゃんとお礼ぐらいは、言いたいなぁ) 京太郎は大会後、ドタバタしており、久とあまり話ができていなかった。 帰り道でも久は先に帰ってしまい話すチャンスがなかった。 「どうすっかなぁ」 そう、呟いたときだった。 机に置かれた京太郎の携帯が震え始め、ガタガタと音を立てた。 京太郎は携帯を手に取り、液晶画面に目にやった。 「竹井先輩?」 そこには『部長』と表示されていた。 毎回毎回直そうと思うのだが忘れてしまうその登録名を見て首を傾げつつ、電話を取った。 『須賀君? 遅くにごめんなさいね』 「いえ、大丈夫っすよ。まだ起きてますし」 『ありがとう。とりあえず、今日はお疲れ様』 「いえ、こちらこそ応援に来てくれてありがとうございます」 『いいのよ、後輩の晴れ舞台なんだからね』 そこで久は電話の向こうで一呼吸を置き、言った 『本当に、よく頑張ったわね。立派だったわ』 「……あ、ありがとうございます」 久のその言葉、電話越しでも伝わってくるその優しさに満ちた言葉に京太郎は心を弾ませた。 これまでの礼を言うつもりだったのだが、それ以上言葉が出なかった。 『で、私は残念ながら受験に集中しなくちゃいけないから、これからはあまり部に顔を出せなくなるわ』 「はい……」 京太郎自身わかっていたことだが、本人の口からそう言われるとやはり心に来るものがあった。 『あら? 寂しい?』 からかうような口振り。 京太郎は電話の向こうで久がいつもの笑みを浮かべているのを思い浮かべた。 いつものように、軽く返そうとした。 だが、それができなかった。 これまでのことが蘇り、思わずポツリと本音が出た。 「……寂しいです」 『えっ?』 「竹井先輩にはいろいろ教えてもらいました。練習は厳しかったですけど、それでも」 京太郎はこの数か月のことを思い出していた。 毎日毎日麻雀ばかりやっていてろくに遊んでいなかった。 久に振り回されることもしょっちゅうだった。 からかわれることもしょっちゅうだった。 それでも、とても充実した数か月だった。 尊敬する先輩の元、日ごとに自分が強くなるのを感じられるのが楽しかった。 久にたまに褒められるのが嬉しかった。 これほど幸せな時間というものは、そうそうあるものではなかった。 だから、京太郎は素直にこう思った。 「この数ヶ月すごく楽しかったです。だから、それがなくなっちゃうのは、やっぱり寂しいです」 ―――――――――――――――――――― 『先輩?』 電話の向こうで返事を返さない私を心配した須賀君が声をかけてくる。 でも、私は言葉が出なかった。 どうして、どうしてこの子はこうなのだ。 そんなことを言われると期待をしてしまう。 本当は私のことが好きなのではないかと期待をしてしまう。 そこにあるのは私に対する敬意だけだというのに、なぜそんなに夢を見させようとするのだろう。 諦められない。 この子を諦められない。 須賀君は酷い子だ。 でも、そんな子だから私は好きになったのだろう。 だから、渡したくない。 咲には渡したくない。 「なんでもないわ。ちょっとびっくりしちゃっただけ。須賀君がそんな可愛いことを言うなんて」 軽く、笑ってみせる。 電話の向こうで照れているのかちょっとうめき声が聞こえてきた。 「それでなんだけど、最後にひとつだけお願いがあるの」 『お願い、ですか?』 心臓が高鳴り始める。もう引き返せない。 だが、それでも、進むしかない。 自分が欲しいものを手に入れるために。 「えぇ、大したことじゃないんだけどね。須賀君の教育のために私、本やら牌譜やらいろいろ持ち込んだでしょ?」 『あぁ、はい。そうですね』 「それで、部室に置きっぱなしになっている私物を後片付けも兼ねて回収しに行こうと思って。悪いんだけど、手伝ってくれない?」 嘘はついて居ないが、これは当然彼を呼び出す口実だ。 なるべく不自然でないものを考えた。 『いいですよ、それぐらいでしたら。手伝わせてください。』 乗ってきた。 彼の性格上、断られることはまずないだろうと踏んでいたが、安心した。 「ありがとう。早速なんだけど明日、月曜日って大丈夫? 来週は活動日って水曜日だけらしいし、そこを避けて行きたいのよ」 『月曜日ですか? はい、だいじょ……』 そこまで言って須賀君の言葉が止まった。 その時まるで悪戯が見つかりかけている子供のように、心臓が跳ねるのを感じた。 『……あー』 なにやら間抜けな声が聞こえる。 何を悩んでいるのだろう? 『すみません、月曜日には用事がありました。火曜日じゃ駄目ですか?』 ほっと胸をなでおろす。 それと同時に小さな疑念が沸いた。 「月曜日はバイト?」 『いや、その、ちょっと家の用事で早く帰らなくちゃいけなくて』 言葉を濁したその言い方。明らかに何かを隠している。 咲とデートだろうか? 思わず拳を握った。本当のことを問い詰めたくなる。 落ち着け。仮にデートだとしてもあの2人だ。 昨日の今日でどうこうなるものじゃない。 だから、落ち着こう。 「わかったわ。じゃあ、火曜日の放課後に」 『はい。その日は皆用事で居ないはずなんで丁度いいですね。全部済ませちゃいましょう』 「そう、ね」 確かに、丁度いい。 この後まこに電話してその日は他のメンバーを部室に近寄らせないように頼むつもりだったのだ。 大方まこには私の気持ちなんて悟られている。 彼と2人で話がしたいと頼めばきっと協力してくれただろう。 まぁ、ここまでのことを考えているとは想像してないだろうけど。 だが、その必要はなくなった。 本当に、丁度いい。 『うぃっす。じゃあ、火曜日に』 「えぇ、よろしくね。ちゃんと手伝ってくれたご褒美あげるから」 『マジですか!? なんだろ、楽しみだー』 口元に笑みが浮かぶ。 そう、私も楽しみだ。 「ふふ、それじゃあ、おやすみなさい」 『はい、おやすみなさい』 電話を切り、大きく息を吐いた。 もう賽は投げられた。 後は私は私の全てを使ってでも、彼を振り向かせて見せる。 不安はある。 拒絶されないか。 軽蔑されないか。 体に触れられることに対する僅かな怯えもある。 惨めさもある。 だが、不思議な胸の高鳴りもあった。 私が彼の体に触れること。 彼が私の体に触れること。 そのことを想像すると、大きく心臓が鼓動する。 その感情が、心地よかった。 あぁ、やっぱりそうなんだ。 醜い嫉妬もある。 酷く歪んでいるかもしれない。 あまりにも愚かかもしれない。 それでも、彼のことを想うと胸が高鳴って、とても幸せなのだ。 だから、間違いなく―― 私は彼に恋をしているんだ。 それから火曜日までの時間は熱に浮かされたようだった。 学校にも行っているし、議会室にも顔を出したはずなのだが、ほとんど記憶がない。 副会長から何か心配された気もするが、おぼろげだ。 気が付けば、火曜日になっていた。。 帰りのSHRの時間になると、こんな日に限ってダラダラと話す担任を酷くじれったく感じた。 ようやく話が終わり、挨拶が済んで放課後となった。 やってきたのだ。彼との時間が。 胸が高鳴る。 まるで初めてのデートに行く気分だった。 これから私がしようとしていることはそんな綺麗な物ではないのだけれど。 それでも、この胸の高鳴りは本物だ。 あぁ、楽しみだ。 まずは何を話そう。 まずは何をしてみよう。 須賀君の喜ぶことなら何でもしてあげよう。 須賀君の望むことなら何でもしてあげよう。 きっと、そうすれば……。 「ふふっ」 思わず笑みが漏れた。 カバンを片手に立ち上がり旧校舎に向けて歩き出す。 思わずスキップの1つでもしたくなる気分だった。 軽い足取りのまま、歩みを進めた。 385 : ◆CwzTH05pAY [saga]:2013/03/24(日) 04 16 33.55 ID AOdJqAWXo 旧校舎に近づくと、見知った姿があった。 「あっ……」 旧校舎前に須賀君がいた。 携帯を触りながら入り口前に立っている。 私はわずかな緊張感を胸に軽く息を吸った」 「須賀くーん」 手を振ってみる。 その声に気づいた須賀君は顔を上げながらわずかに携帯を操作した後にこちらに手を振り返してくる。 それを見て慌てて駆け寄った。 「どうしたの? 先に行ってればよかったじゃない?」 「いや、先輩もうすぐ来るかなぁ、って思って待ってたんですよ。一緒に行こうと思って」 可愛い子だ。 まこも言っていたように本当に犬みたい。 「ふふ、ありがとう。じゃあ、行きましょっか?」 「はい」 あまり人気のない旧校舎の中を2人並んで歩く。 たったそれだけなのに胸の中が温かくなってくる。 恋とは偉大だ。 その熱に浮かされたまま須賀君に声ををかけてみる。 「手伝ってもらっちゃってごめんね? 部室に元々あったものとごちゃごちゃになってるから整理が大変そうでね」 「あー、なるほど。確かにそれは仕訳がめんどくさそうですね」 そういうと須賀君は何か楽しそうににっこりと笑った。 「でも手伝うぐらいは全然かまいませんよ。それに、ご褒美も貰えるみたいですし」 「あら? しっかり覚えているのね?」 「もちろん! で、なんですかご褒美って?」 「ふふ、いいものよ。楽しみにしてて」 私はそう言って笑った。 そう、私にあげられる最後のものだ。 だから、愛してほしい。 「部長?」 須賀君に声をかけられて我に返る。 気が付けばもう部室の前まで歩いていたようだ。 須賀君が部室の扉を半分開けた状態できょとんとしていた。 「あ、大丈夫よ。行きましょ」 「はい」 そう言って須賀君は先に部室に入った。 まずは、後ろ手に鍵を閉めないとね。 熱に浮かされたような頭のまま、私はそう考えながら須賀君に続いた。 「先輩、お誕生日おめでとうございます!」 部室に入った途端そんな声が聞こえた。 それと同時にパン、と何かがはじけるような音が聞こえる。 そこには須賀君だけじゃない。 まこも、咲も、優希も、和も。麻雀部の全員がいた。 須賀君を除いた全員、手にはクラッカーを持っている。 「……えっ?」 状況が、理解できない。 何が、起こっているんだろう? 何故みんないるのだろう? なに? なんなの? 「どうした久、驚きすぎて言葉もでんか?」 まこが笑いながら話しかけてくる。 思わずきょとんとした顔を向けてしまった。 私の顔を見たまこはどこか訝しげな顔をした。 「……まさかとは思うが、自分の誕生日忘れとったんか?」 「あっ……」 11月13日。 確かに私の誕生日だ。 この数日あまりにもいろいろ考えていたせいだろうか? なぜかその意識がすっぽりと抜けていた。 「えっ? 竹井先輩気づいてなかったんですか? 絶対バレてると思ったんだけどなぁ」 須賀君がちょっと驚いた顔をしている。 つまり、あの時1日引き伸ばしたのは……。 「後から聞いてあきれたじぇ。そんな露骨に自分の誕生日に会う日を合わせればバレるのが当たり前だじぇ」 「い、いや、俺だって電話中にギリギリで思い出して咄嗟だったんだからしょうがないだろ」 「てっきり気づいて乗ってくれてるものだと思ったじょ。意外意外」 優希が須賀君のことをからかいながらつついている。 和がくすくすと笑いながら私に近づいてきた。 「須賀君の企画なんですよ。で、月曜日にみんなで集まっていろいろ考えて」 「この部室も今日の朝早くにみんなで集まってやりました!」 和と咲の言葉に周りを見回すと部室がまるでパーティ会場のように折り紙やらビニール紐やらで飾りつけされている。 ホワイトボードには「お誕生日おめでとうございます」と大きく書かれており、その周りにはいろいろイラストが描かれている。 いつもの麻雀卓は脇によけられており、代わりにテーブルが置かれている。 そしてそのテーブルにはケーキとお菓子が並んでいた。 「さっ、先輩座って座って!」 咲がいまだに混乱している私の手を引いた。 そしてテーブルに備え付けられた椅子に座らされる。 私はそれにされるがままだった。 頭が混乱している。 この状況は一体なんだろう? 何故、こういう状況になっているのだろう。 部室に入る前までの高揚感がどこかに行ってしまった。 その分、抜け殻のようになった私の心はいまだに現状が正しく理解できないでいる。 「ふーむ、こりゃ驚きすぎてネジが飛んでおるな」 まこが私の顔をまじまじと見てから須賀君に向き直った。 「京太郎。いっちょ目の覚めるような挨拶をしたれ」 「えぇ、いきなりですか!?」 「何を言う。もともとおんしが久に礼を言いたいと言い出して始めた会じゃろう。ほれ、さっさと言わんかい」 「マジっすか……」 そういいながら須賀君は私の座る椅子の対面に立った。 そしてポケットから何やら紙を広げた。 私はどうしていいかわからず、それを呆然と見つめていた。 「……あー、なんか改めていうのも恥ずかしいんですけど」 須賀君がそんなことを言うと1年生3人娘からからかいの声やら応援の声が飛ぶ。 須賀君は、大きく息を吸い込んでから、口を開いた。 「竹井先輩。お誕生日おめでとうございます」 「その、誕生日のあいさつとはあまり関係ないかもしれないんですけど、この場を借りてお礼を言わせてください」 「竹井先輩、本当に、今までありがとうございました」 須賀君はそこまで言って頭を下げた。 そして再び顔を起こして、言葉を続けた。 「最初は初心者の男一人で正直不安でした。やってけるかって」 「けど、先輩は皆との練習の合間を縫って、ネト麻しながらいろいろ教えてくれました」 「俺、それがすごくうれしかったです。先輩に見捨てられてないんだって。ちゃんと、見てもらえるんだって」 その言葉に心がずきりと痛んだ。 違う。 本当は、本当はあなたを利用しようとしていただけ。 辞められると困るから適当に折を見て声をかけていただけ。 貴方にうまくなってほしいとかはその時は考えてなかった。 「だから、練習でも雑用でも、頑張れました」 「先輩が勝ってくれるなら、って思えば辛くなかったです」 やめて。 私はその気持ちを利用することしか考えていなかった。 その気持ちに報いるとか、そんなことその時は全然考えていなかった。 「本当にそれが嬉しくて……。だから、夏の大会の時、俺がポカしたとき見捨てられるんじゃないかって、不安でした」 「先輩に呆れられて、見込みがないとか思われたらどうしようかと思うと、不安でした」 私はその時ようやく自分の愚かさに気づいたころだった。 貴方がそんな不安を抱えていた何で思いもしなかった。 「でも……」 「でも、先輩は俺みたいなやつのためにいろいろ考えていてくれました」 違う。 それも、違う。 福路さんに言われてようやくたどり着いたこと。 きっと彼女に言われなきゃ有耶無耶にしてあなたのことを忘れようとしていた。 「練習プランとか、バイトとか、テストとか、本当に」 須賀君の眼が、潤んでいる。 心がざわざわと騒ぎ出した。 「本当にいろいろ考えててくれて、受験とかいろいろあるのに、俺の、俺のため、ために」 ぐすっと鼻をすする音が須賀君から聞こえる。 心が痛い。 酷く痛い。 「俺のためにたくさんたくさん時間割いてくれて。申し訳ないって思ったんですけど、それ以上に嬉しくて」 「それに、先輩、俺が勝ってくれればそれが嬉しいって、言ってくれて」 違う。 それは須賀君が私に言ってくれたこと。 私はそれを、そのまま返しただけ。 それに、私は、私はあなたが負けることを、祈って……。 「だから、一生懸命、頑張りました。全国には行けなかったけど……」 「勝てました。先輩の、おかげです。先輩の指導を無駄にせずに済みました」 「俺が、ここまでやってこれたのは先輩のおかげです」 ふと須賀君を見ると、ぽろりと涙が一筋零れていた。 胸が締め付けられる。 何かが、私の心を蝕んでいくのを感じていた。 私は、今日この日彼に何をしてでも奪い取る気でいた。 その決意を固めてきたはずだった。 だが、その決意に何かがジワリとしみこんでくるのを感じた。 須賀君は目元の涙を拭っている。 後ろでほかのメンバーと並んで聞いている咲が小さく頑張って、と声をかけている。 優希もそれに乗って小さくしっかりしろ、と言っている。 須賀君はそれを受けて大きく息を吸った。 「先輩は、酷い人です」 その言葉に心臓が激しく跳ねた。 「悪戯好きで」 「人のことをからかうし」 「悪巧みばっかりするし」 「突拍子もないこと言って人を驚かせるし」 須賀君はそこで、涙を拭うのを諦めたようだ。 ぽろぽろと、次から次へと零れ落ちている。 「でも」 鼻を大きくすすって、須賀君は必死に言葉を紡いでいく 「それ以上に部のために一生懸命だし」 違う。私の目的のためだ。 「皆のためにも一生懸命だし」 違う。それも結局は私の目的のためなのだ。 「何だかんだでフォローも忘れないし」 違う。ただ、部の空気を壊さないように取り繕っていただけだ。 「俺みたいなやつの面倒を見てくれる後輩思いだし」 違う、違うの。 だかから、それは……。 「だから、だから、俺……俺……」 聞きたくない。 それ以上、聞きたくない。 お願い、言わないで。 「俺、先輩の後輩でよかった」 「先輩の下で麻雀がやれて、本当に楽しかったです」 「先輩の後輩でいれて本当に、よかったです」 「尊敬する人に教えてもらって、幸せでした」 「特にこの数か月、つきっきりでいろいろ教えてもらって」 「本当に、本当に嬉しかったです」 須賀君の顔はひどいことになっている。 涙で目が真っ赤だ。 鼻水だって垂れている。 それでも、その顔から目を逸らせない。 「これからも、頑張ります」 「もっともっと頑張って、来年は全国を目指します」 「先輩みたいにかっこいい打ち方はできないかもしれないですけど」 「先輩みたいに強く打てるかどうかはわからないけど」 「先輩が俺に残してくれたことを忘れずに、闘っていきます」 「だから、先輩も頑張ってください」 「先輩のファン第1号として、応援してます」 「本当に、その、本当に……」 須賀君は手に持っていた紙をおろし、直立不動の体制を取った。 そして倒れてしまうんじゃないか、って思う勢いで頭を下げて、叫んだ。 「今までありがとうございました!」 咲たちが拍手をしている。 他のメンバーももらい泣きをしているようだ。 「なかなかいい挨拶じゃったぞ、京太郎」 涙を拭うためにはずしていた眼鏡をかけながらまだ頭を下げている須賀君の背中を軽く叩いた。 「誕生日のあいさつかと言われるとちと微妙じゃが。久、どうじゃ……?」 まこの言葉がしりすぼみになっていく。 私の顔を見て驚いているようだ。 そっと、自分の頬に指を当ててみる。 濡れていた。 まぁ、当り前だろう。 私の眼からも涙が零れていた。 本当に、愚かな子だ。 私の本質を何もわかってない。 私の性質なんて何も理解してない。 自分が利用されていたなんて欠片も思っていない。 あの子の中では私はとてつもなくいい先輩なのだろう。 見る目がない、本当に見る目がない。 馬鹿だ。 本当に、馬鹿な子だ。 あぁ、でもやっぱり、違う。 結局、私のような女に引っかからなかったのだ。 やっぱり見る目があるのか。 ほら、咲も貰い泣きが過ぎて顔が酷いことになってる。 お似合いだ。 人のために泣けるこ同志、お似合いじゃないか。 でも、奪い取ってやろうと思ったのに。 その場所を奪い取ってやろうと思ったのに。 でも でも、それは 須賀君にとって大切な「尊敬する先輩である竹井久」を壊してしまう。 そうなったら須賀君はどうなるだろう。 私の好きだった須賀君で居てくれるだろうか。 考えるまでもない。 そんなわけが、ない。 そんなことがあるわけがないのだ。 私が好きだった須賀君は 単純で エッチで 子供っぽいけど それでもひたむきで まっすぐで 努力家で 人のために力を尽くせる 本当に、いい子。 私が咲から奪い取ったところできっと須賀君はそのことで苦しむことになる。 きっと笑うこともできなくなってしまう。 苦しんで苦しんで、きっと彼は笑えなくなってしまう。 何もかも嫌になってしまうかもしれない。 そんな子なのだ。 ちょっと考えればわかることだった。 でも、ここ数日の私はそんな単純なことを考えられなかった。 ただひたすら、自分のことしか考えていなかった。 自分が隣に立つことしか考えていなくて、そのことで彼がどうなるのか、考えていなかった。 「あぁ……」 最初から、出る幕などなかったのだ。 全てが遅かったのだ。 何もかも遅かったのだ。 ――部長、俺、頑張ります コンビニでああ言ってくれた時、何故こう言ってくれたのかをもう少し考えればよかった。 もしかして、須賀君って私のことが好きなの? などとおめでたい想像でもしておけばよかった。 よくある少女漫画の主人公のように胸をときめかせていればよかった。 そうすれば、彼のことをもっと早く見ることができた。 ――部長、勝ってくださいね インターハイ前の部室でそう言ってくれた時も、もう少し考えればよかった。 彼がどれほど尽くしてくれ、どれほど私のことを想っているのかを理解しようとすればよかった。 そうすれば彼を「おもちゃ」などと思わず、一人の人間として向き合えたのかもしれない。 彼が負けた後、もう少し落ち着いて言葉がかけられたかもしれない。 あれが、最後のチャンスだったんだ。 でも、私はそのチャンスをすべて捨ててしまった。 全て、自分の意志で。 そこまで考えて、私は顔に手を当てた。 涙が止めどもなく溢れ出てくる。 「あぁ、あああああああああ」 私は、声を上げて泣いた。 手の隙間から涙が零れ落ちるほどに。 私の背中を誰かが撫でてくる。 恐らくまこだろうが、それでも私の涙は止まらなかった。 失ってしまった。 欲しかったものがどうしても手に入らないことに気づいてしまった。 でも、それはすべて自分の蒔いた種だった。 誰のせいでもない。 手に入れようと思えば、手に入れられたかもしれない。 もっと違う未来があったのかもしれない。 だけど、私は失ってしまった。 欲しいものは目の前にあるのに、手に入れられないと理解してしまった。 心の中のぐちゃぐちゃな感情に任せて、私は泣いた。 後悔だろうか。 やるせなさだろうか。 失恋の痛みだろうか。 それらすべてだろうか? 私の涙はしばらく止まらなかった。 悪女を気取って、人を手玉に取る策士を気取って、気付けば全てを棒に振っていた。 だけど、すでに人のものになった彼を奪い取ることも、もうできなかった。 彼の信頼を壊すこと。 彼の笑顔を壊すこと。 彼を『彼』としているそれを壊すこと。 そんなことは出来なかった。 そう、私は悪女でも何でもない。 全部失った後で気づき、無いものねだりをしようとしても、彼を傷つけることを恐れてできない。 ただ中途半端な、ひたすらに愚かな女だった。 ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 今でも鮮明に思い出せる、彼の心に焼きついたものがあった。 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m タンピンドラ3。高目なら三色のオマケつきだった。 まだ役もおぼつかない当時の彼でもかなりの大物手であることは理解できた。 だが同時に、何故立直をしないんだろう、と首をかしげていた。 そして数巡ダマで回してからだった。 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m ツモ東 場に1枚切れの東。 彼から見れば即ツモ切りのどうとでもないものだった。 だが、彼女は迷いない手つきで牌を抜き、場に打ち出して宣言した。 ――リーチ 『手牌』 3334m345678s345p ドラ3m ツモ東 打4m ようやく基本的な打ち筋というものを理解し始めていた彼にとってそれは衝撃の一打だった。 役も、待ちも、点数もすべて台無しにする1打。 意図が読めなかった。 跳満をツモればトップ逆転の状況で、その条件を満たした手を捨てる。 彼は呆然とその手を見つめていたが、変化はすぐに訪れた。 彼女のツモがふわりと宙を舞い、パシリと卓に叩きつけられた。 ――ツモッ! 『手牌』 333m345678s345p東 ドラ3m ツモ東 ――立直一発ツモドラ3。裏ドラは見ずとも逆転ね。 そう言って彼女は後ろを振り返った。 そして、手を眺めていた彼に向けて悪戯っぽい笑みを浮かべてVサインをした。 ありえない一打だった。 たまたまだと切り捨てることもできた。 それでも彼はそれに心惹かれ、それは心に深く刻み込まれた。 恐らく、一生忘れることはないだろう。 これは、彼の麻雀の原点。 その記憶だった。 ―――――――――――――――――――― ―――――――――― ――――― 「先輩、探しましたよ……」 京太郎は息を切らせながら部室に駆け込んだ。 そして部室の窓からボーっと外を眺めている久に声をかける。 「あら? 須賀君、どうしたの?」 「どうしたの、じゃないですよ。卒業式後は校門のところで待ち合わせって言ったじゃないですか」 「ごめんね。最後にちょっとここに寄り道したかったから」 卒業式後、麻雀部一同で集まって写真を撮ることになっていた。 だが、久がなかなか現れず、電話にも出なかったため京太郎がこうやって走り回る羽目となった。 文句の1つも言おうと思っていた京太郎だが、それを聞いて何も言えなくなり、体を休めるため無言で椅子に座った。 それを見て久も京太郎の対面に座った。 「……そういえば先輩、一人暮らし始めるんでしたっけ?」 「えぇ。やっぱり通うのに3時間近くかかっちゃうのは少し大変だからね」 「そっかぁ。ここから結構遠いんですよね……」 「何言ってるの。遠いとは言っても同じ長野県内じゃない。落ち着いたらみんなで遊びに来てね」 「うっす」 とは言え、以前のようには会えなくなる。 麻雀を教えてもらうことができなくなる。 からかわれたりすることもなくなってしまう。 そう考えると京太郎の酷く寂しい気持ちに包まれた。 当たり前だったものがなくなるというのがこれ程の悲しいことだとは想像をしてなかった。 「また遊びに来るから。ちゃんとインターハイも応援に行くわ。だから、頑張ってね」 「はい……」 まるで聞き分けのない子供を諭すように久は京太郎の頭を撫でた。 それを受けてようやく京太郎は久に笑みを見せた。 「よろしい。全く、手のかかる教え子ね」 「うっ、すみません」 くすくすと笑う久にばつの悪そうな顔をする京太郎。 すると、久は何かを思い立ったかのように、口を開いた。 「須賀君、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」 「何ですか?」 京太郎は軽く返事を返すが、久は酷く緊張した様子で口を開いた。 「新人戦1回戦のこと、覚えてる?」 「えっ? それはもちろん」 突然の問いに面食らいつつもはっきりと頷く京太郎。 初勝利の牌譜はもう何度も眺めた。 苦しいときも、その牌譜を見て自分の支えとして頑張った。 忘れるはずがなかった。 「そう、だったらあのオーラスで……何故東単騎でリーチしたのかしら? 直撃狙いだったわよね?」 「はい。2着目から何としても打ち取るって考えてました」 「じゃあ、何故東単騎のリーチだったのかしら? 東単騎待ちはまだわかるけど、リーチの必要はないわよね」 「あぁ、それは……」 京太郎は眼を閉じてあの時のことを思い出した。 苦しい状況だった。 ツモでは裏期待になってしまう状況。 不安だったため直撃狙いとしたが、打ち取れる自信はあまりなかった。 だが、次巡で東を引いてきたとき、そう、電流が走った。 「以前、県予選で咲が多面張を捨てて単騎待ちに受けたことがありましたよね?」 「えぇ……」 何処か久は寂しそうな顔をしたが、それに気づかず京太郎は続けた。 「東単騎はカン出来る待ちだった。なんて言うかそれをあの時に思い出したんです」 「やっぱり、そうだったのね」 久は苦笑を浮かべて、椅子にもたれかかった。 何かひどく疲れたかのように。 だが、京太郎は首を振った。 「でも、それだけじゃないんです」 「えっ?」 思いもがけない京太郎の言葉に久の口から驚きの声が漏れた。 「先輩。先輩だったらあの状況だったらどうしてました?」 「えっ? わ、私だったらやっぱり東単騎でリーチを打つかしら」 「やっぱり、そうですよね。だから……」 突然の問いかけに戸惑いながらもそう答えると京太郎は嬉しそうに、満足そうに笑った。 「咲と先輩。2人それぞれ目指しているものは別かもしれないですけど」 「ただ……その、俺の好きな人と憧れている人が選ぶであろう牌が……」 「選ぶその牌が同じだろうって、気づいたんです」 「セオリーとか、そういうものを無視した一打っていうのはわかっていたんです」 「インターハイで先輩に怒られたことを忘れたわけじゃないんです」 「だけど、その……」 「それに気づいちゃって、どうしても東単騎に受けてみたくなったんです」 「咲のように嶺上から必要牌を持ってくることはできないですし、部長のように悪待ちを引けるわけでもないですけど」 「俺の好きな人と、憧れている人が選ぶ待ち。それがその」 「すごい最強の待ちに見えて。この待ちだったら、勝てそうな気がしたんです」 「2人の力があれば、勝てそうな気がして、東単騎を選んだんです」 「結果論かもしれませんけど、引くことができて勝つことができました」 「俺、本当に嬉しかったんです。勝つことができたこともそうですけど……」 「その、えっと、あー……俺にとって大切な、大切なモノの待ちでアガることができて、それがすごく嬉しかったんです」 「お、俺何言ってるんすかね。あーはずかしい……」 目の前で須賀君が照れながら笑っている。 だけど私は笑うことができず、涙をこらえることに必死だった。 ずっと聞きたかったことだった。 本当に彼の中にもう私はないのか。 咲の言うとおり、彼はあの時咲を選んだのか。 本当に、そう考えて東単騎のリーチを選んだのか。 未練がましいかもしれなかったけど、聞きたかった。 でも、聞くのが怖くて怖くて卒業式までもつれ込んでしまったけど。 でも、聞けて良かった。 残っていた。 彼の中に、私がやっぱり残っていたのだ。 咲だけじゃなくて、私がある。 残せていたんだ。 奪われてなんていなかった。 須賀君はそれを大切にしていてくれた。 その言葉が聞けたことが、本当にうれしかった。 残念だったわね、咲。 やられっぱなしには、ならなかったみたい。 「そ……う……」 目頭が熱くなる中、須賀君に必死に返事をする。 駄目だ。 泣いては駄目だ。 泣いて縋り付いたところで、私の欲しいものは手に入らないのだ。 もう、全て遅かったのだ。 だからせめて、最後まで彼の大切な「竹井久」を守ろう。 さぁ、須賀君をからかってやろう。 慌てる彼を見て笑ってやろう。 ふてぶてしく笑おう。 「ずいぶんクサいわね、須賀君」 「勘弁してください。今すごく逃げ出したい気分です」 「ふふ、冗談よ。まぁ、でも、嬉しかったわ。だから」 私はポケットに手を入れた。 何時も入れているアレがあるはず。 「ご褒美、あげる」 「えっ?」 「ドタバタで部室の片付けのご褒美もあげてなかったしね。頑張った須賀君に先輩からのご褒美です。ほら、手を出して」 「はっ、はい」 私の声に咄嗟に須賀君は手を出した。 本当に犬みたいだ。 可笑しさに笑いつつも、私は彼の手にそれを置いた。 「……ヘアゴム?」 「そう。私が中学から高校までで大事な試合の時に使ってたやつよ」 「えっ!?」 「願掛けってほどでもないけどそれで髪を結っていた試合はいつもいい成績を残せたわ。きっとご利益あるわよ」 「受け取れませんよ、そんな大切なもの!」 須賀君は慌てて私に手を差し出し突き返そうとした。 だけど私はその手を優しく握り、押し返した。 「いいの。ほら、もうひとつあるし」 私はポケットからもうひとつのヘアゴムを取り出して笑った。 それでも須賀君は納得がいかなそうだった。 私は佇まいを直して、須賀君に向き直った。 「ねぇ、須賀君。須賀君はこれから厳しい戦いが待ってると思う。でも、私はもう今までのように須賀君に何かを教えるのは難しいわ」 特に異質な能力があるわけでもない須賀君はこれから苦しむことになるかもしれない。 その差に絶望してしまうかもしれない。 でも、私はもう今までのように力になることはできない。 私はもう別の道を歩き始めなければならない。 「もう私にはほんの小さなゲン担ぎぐらいしかできないけど……須賀君の力にならせて。お願い」 そう、せめて彼の愛する先輩として、須賀君の力になりたい。 私の最後の願いだった。 「……わかりました。ありがとうございます」 須賀君は私の言葉にようやく納得してくれたようだ。 顔を伏せて押し殺したように返事をする。 私は受け取ってくれたことにほっと胸をなでおろした。 「ふふ、ほら。折角だから着けてあげる」 私は須賀君の手からヘアゴムを取り髪に手を伸ばした。 さらりとした感触に少し胸が高鳴る。 須賀君は驚きの表情を見せながらもされるがままだった。 「俺、そこまで髪長くないですけど」 「大丈夫大丈夫。前髪をちょんまげにするぐらいだったら……ほらできた」 前髪を上げた形でちょんと結えられた須賀君は何やらかわいらしかった。 須賀君が首を振ると結えられた髪が小さく揺れて思わず笑みがこぼれる。 「な、なんか変な感じっすね」 「似合ってる似合ってる。可愛いわよ」 「可愛いって褒められてもまったく嬉しくないですね……」 ふと、彼との距離が近くなっていることに気が付いた。 当然だ。髪を結うには近づかなければならない。 彼の顔が、近い。 心臓が高鳴った。 ――もう手に払いらないものなのに。 ――あぁ、でも ――本当に ――本当にこれが ――これが、最後だから ――許して、ほしい 頭の中が真っ白になっていく。 何も、何も考えられない。 だから、その行動はほとんど無意識だった。 「あと、これはおまけ」 私はそう言って少し背伸びをして 「せんぱ……い?」 彼の頬に、軽くキスをした。 心臓が破裂してしまうのではないかと思うぐらい鼓動していた。 顔が赤くなっていないかどうか不安だった。 あぁ、ほら、彼も呆然としている。 いけないいけない。 思わず、あんなことをしてしまった。 ほら、いつも通りに。 最後まで、いつも通りに。 まずは笑おう。 「ふふふ、びっくりした?」 「えっ、あっ、うっ?」 須賀君がうろたえている。 あぁ、本当にいい表情をする。 須賀君をからかうのは、これがあるから楽しいのだ。 「咲とケンカしたときは遊びにいらっしゃい。ちゃーんと慰めてあげるわよ」 にやりと笑って私は踵を返す。 部室の扉を開けて廊下に一歩足を運ぶ。 そして駆け出す直前に私は振り返った。 相変わらず、須賀君は呆然としている。 「何だったら須賀君の大好きなエッチなことでも、ね」 「えっ、え?」 「ほら、先に行ってるわよ」 そう言って私は駆け出した。 廊下を走る。 ただ、走る。 少しすると慌てて追いかけてきたのか後ろからも走る音が聞こえた。 「ちょ、先輩待って」 「いやーよ、今捕まったら須賀君酷いことされちゃうわ」 そう、追いつかれるわけにはいかない。 なぜか零れてしまった涙が見られてしまう。 それだけは、駄目なのだ。 私は走りを緩めることもなく旧校舎の廊下を走り続けた。 すると私を追いかける須賀君は私の言葉に焦れたように叫んだ。 「あーもう! この悪女!」 須賀君の口から洩れたその言葉に思わず心の中で苦笑した。 私は悪女でも何でもない。 ただの愚かな女だ。 ギリギリで踏みとどまれたけど、須賀君の大切なものを壊そうとした愚かな女だ。 なのに須賀君からそう言われることが何かおかしかった。 走りながら、涙を拭う。 早く笑わなければいけない。 もう、この感情は終わりにしなければならない。 私の恋は実らなかった。 全て遅かったのだ。 全て終わったことなのだ。 だから、泣くのも終わりにしなければならない。 私は新しい道を歩まなくてはいけないのだ。 だから…… ――さようなら、須賀君 ――本当に大好きだった 私は旧校舎を出て、ほころび始めた桜の木の下で、自分の恋に別れを告げた。 完!
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番外編 初美とサイクリング 初美「速いのですよー!」 京太郎「しっかり捕まっててくださいよ!」 ぎゅう… 初美「大丈夫ですよー」 京太郎「それならいいです…ところで初美さん」 初美「どうかしましたか?」 京太郎「なんで俺達は鹿児島から熊本に行くのに電車を使わず自転車で行ってるんだ?」 初美「そんなの簡単ですよ」 京太郎「ぜひ聞かしてもらいたい」 初美「私が京太郎と居たいからですよ」 京太郎「なっ!」カァァ 初美「京太郎は私と居たくないですか?」 京太郎「そ、それは…」 初美「はっきりしなさい!」 京太郎「一緒に居たいです」カァァ ギュウゥゥウウ。 初美「良かった…大好きですよ、京太郎」 京太郎「俺も好きだぞ、初美」 カン!